17 襲撃!但し、私がする側
私は足早に目的の家に近づくと大きな鉄門から中に――はいる事はせずに、裏へと回ります。
あんな鉄門ぐらいはどうとでもなるんだけど一応ね?
そして辺りをキョロキョロと見回して人影が無い事を確認した後、スキル【カモフラージュ】を使い透明になると、「えいっ」と掛け声を上げ塀へと飛び乗りました。
勿論数メートルはあるという塀です。
人間にはオリンピック選手でも難しいでしょう。
でも私にはこの程度の事、お茶の子さいさいなのでした。
そして私はそのまま塀から敷地内へ、ソロリと出来るだけ音を立てないように降ります。
さて透明になったのは良いものの、何と言っても【カモフラージュ】は効果時間がランダムです。
早ければ30秒ぐらいで解けてしまいます。
出来るだけ早く移動しないといけない、そう思っていた矢先の事。
人の気配と共に「サクサク」っと芝生を踏みしめる音が後方から聴こえてきました。
一瞬、このまま動かずにやり過ごそうか、なんて考えも頭に浮かびましたが……。
スキルのお陰で透明になっている、といっても気配や音まで消せるわけではありませんし、いつ解けるか分からないという不安要素もあります。
私は相手の前に立ちふさがると「えぃ!」と腹部にパンチをお見舞いしました。
やはり暴力!
暴力は全てを解決する!
無論、手加減はして置いたので死んではいないんじゃないかな?
不意を付いたお陰か、男は声を上げる事なく足元から崩れ落ちますが、地面に落ちそうになるその身体を慌ててキャッチします。
地面に倒れる時に大きな音が出たら不味いもんね。
そしてそのまま静かに芝生に横たえると、ふと思い立って男の身体をまさぐります。
おー、これは!
興味深い物が見付かります。
私は眼をキラキラさせながらそれを取り出しました。
銃です、それもグロック17と謂われる、オーストリアのグロック社製の名銃。
あの名作映画であるダイハードにも出てきた有名なやつですよ!
でもここは日本ですよね?
銃刀法は一体どうなってしまったんでしょうか?
私のいなかった20年の間にガッツリ変わってしまったのでしょうか?
とはいえ、この家が普通でない事はこれではっきりしました。
私は銃をそのまま上着のポケットへと仕舞いこみます。
と、そのタイミングで【カモフラージュ】の効果が解けてしまって、私の姿が露になる。
えー!!
今回はちょっと短すぎ!
と、思いましたが、解けてしまったものはどうしようもありません。
しかもそのタイミングで「ワンワン」という犬の鳴き声も後方から聴こえてきます。
ついてない時は本当についてないですね。
私は軽く溜息を付くと、振り返りました。
すると犬が三匹、私に駆け寄って来るのがみえました。
コーギー犬のような可愛らしい犬たちでは勿論ありません。
凶悪な顔をした犬です。
たしかドーベルマン?とか言ったかな、詳しくないけどきっとそう!
そして私に駆け寄ってくるその犬に対して――、私は銃を向けます。
そしてそのまま一番先頭の犬に対して銃を撃ちました。
乾いた「パン!」という音が鳴り響きます。
ふーん、銃ってこんな感じなんだ。
一応、銃なんて使わなくても犬三匹ぐらい素手で対処する自信はありました。
それでも銃を使ったのは、一度使ってみたかったからです。
だって、興味あったんだもん。
初めて撃った本物の銃でしたが、幸いにも犬に当たってくれたようでした。
当たった犬はそのまま地面に倒れ込んでピクピクしています。
まだ生きているようです、割合丈夫なんですね。
銃声にびっくりしたのか、はたまた仲間の犬が撃たれた事に動揺したのか、残りの犬は私に襲い掛かることなく立ち止まってくれました。
らっきー。
このまま撃っちゃおっと。
私はこれ幸いと残りの2頭に向かって銃を撃ちました。
何発もの「パンパン」という銃声が響きます。
そして残りの2頭も地面に横たわるとピクリとも動かなくなってしまいました。
まぁ何発も食らえばさすがに死んじゃうか。
私はその2頭に再度銃を数発撃ち込み、完全に動かない事を確認すると、まだピクピクと動いていた最初に撃った犬へ銃を撃ち込みます。
何発か撃ち込んだ所で「カチ」っと小さな音が出た後、銃が撃てなくなってしまいました。
どうやら弾切れのようですね。
何発撃てたんだろう?
10発以上は余裕で撃てた感じでした。
私が初めて撃った銃に対してそんな感想を抱いていると、きっと私の銃声に反応したのでしょうか?
家の窓や扉が一斉に開け放たれる音がしました。
家の中にいた人達が、状況の確認の為開けたようです。
コッソリと家の内部へ忍び込むのが最善の方法だったのですが、こうなっては仕方がありません。
幾人かは既に庭に降りたって、何事かを叫んでいます。
そしてそのウチの一人が私と目があいます。
その顔は、とてもとてもびっくりしている感じでした。
「こんにちわ、大勢でお出迎えご苦労様」
私は銃を手にしたままそう言うと、取りあえず目の合った男性にニッコリと微笑んだのでした。




