第13wwwHEYHEY木こり
何とか無事、怪我ひとつなく帰ってこれました。
いやぁ、良かった良かった。
えっ? 後の二人?
いやぁ、何故だかいなくなっちゃってね。
アイツらはどっかに逃亡しちゃったみたいだ。無責任だよね(笑)
なーんて嘯きながら死んだ二人の事を思い返してみる。
娘の為に、命懸けで働いた剣士君の賃金はなんと0円‼(この世界のお金の単位は円じゃないけどな(笑))
やっすいなーあのにーさんの命。
多分、娘さんも直ぐに再会できる筈だ。
離れ離れの父娘を引き合わせようとする俺の愛情に泣いて良いぜー(笑)
魔法使いちゃんも母親を探す旅の足しにしようとしたみたいだけど、死んだら旅もできないし、死人は金も使えないから、別にいーよね。
三途の川の渡し賃は向こうで身体売って稼いでね(笑)
努力したから、事情があるからって、別に報われるようにしてやる必要もないだろ?
扶養手当とか、交通費とか、そーゆーの他人に使うのは勿体ない気分にならない? 俺はそんな気分になる。
あっ、俺が貰うときは別ね?
努力は報われない。
俺は楽して得をしたい。
これって変な事~?
んー、問題ないね、全く(笑)
ってゆーかさぁ、今更なんだけど、
同じ対価を払えば誰でも同じ利益が貰えるって思ってる人いるー?
鰻屋に行って、3000円払った男と2000円払った男がいるとしてさ、
絶対にどんなときでも3000円男に特上が、2000円男には並が出るって信じて良いのは小学生迄だって分かってるかな~?
いや、普通は出るんだけどさ。
でもねー、世の中には、沢山支払っても少しの利益しか得られなくて、
少し払っただけで多くの利益が獲られることってよくある話な訳よ。
損してる人達が本来手に入れられると思っていた分は、特をしてる人の割り増し部分に充てられてるんだって。
まっ、こんなこと言わなくても分かってるだろーけどな(笑)
さっきの鰻屋さの話だと、3000円払った奴の金から1000円が抜かれて、2000円の代金で得られる並が出て来て、
2000円払った奴に1000円が上増しされて3000の特上が出てくるなんて事もある訳よ。
この差は……人徳とか?(笑)
こーゆーことが起こる例って、
例えば、閉店後に鰻屋の先輩(ヤバい人)と鰻屋の後輩(パシりマン)が一緒に来たときとかかな。
要するに明確な上下関係があるときってこと。
ボスが自分の事をパシりにやらせなかっただけで、『ありがとうごぜーます。』
パシりがボスの御世話をするのは『当たり前』。
脳筋系、略して体育会系のサークルや部活動だと、そーゆーのよくあるでしょー(笑)
人間、平等な訳な~いじゃ~ん
世の中、パワーがあるヤツが得できるよーになってんだよ。俺みたいなな(笑)
で、それは向こうの世界も此方の世界も変わらないと思うんだ。
銀行員だって一億預ける人と、百万預ける人とで対応や粗品を変えるよね。
部活のコーチだって、出来る子には気合いが入って、出来ない子にはお笑い要員扱いする人もいるじゃない?
そんな世界の中で俺って結構平等主義だと思うんだけど。
白い人間も黄色い人間も黒い猿人間も、みーんな平等に俺のケースになるために産まれてきてると思っているんだからな(笑)
そんなこんなで、お優しい俺はスケープゴートを連れて、時に危険からエスケープさせて貰いつつ、安心な冒険をすることにした。
どうでもいいけど、『冒険』って危『険』を『冒』すって書くのに、
安全な冒険って不思議な言葉だよね(笑)
そんな感じで時折森に入りつつも、町を復興しつつも拡大するという、THE・キングオブチョーチョーな働きを行う俺にはそろそろ銅像が建っても良いと思うんだ(笑)
まあ、そんな金と資材があったらそのまんまで欲しいけどさー。
それから5年の月日が経った。
復興はだいぶ落ち着いて、拡大一本に絞り始めてた時だった。
今日も町を拡げようとして、その時工事してた奴ら全員死んじゃいました。
チーン(笑)
何か、森の主っぽい奴が出たんだとさ。
巨大な鹿の化物らしいよ。
個人的には鹿の化物っていうと、し○がみサマしか浮かんでこないんだけど、
あれ系統だったら、ヤバいよね。
何せ神サマだからねー。夜にならなくてもヤバヤバだよ。
町民が何人かなら死んでもいいけど、町の運営に支障が出る位だとか、ましてや俺が巻き込まれるのは絶対に勘弁な。
それにそいつ、もしXな妖精属性だったら悪人キラーじゃない?
まっ、その時は毒塗った弓矢で射って、鋼の剣で頸をはねて殺すけどな。
えっ、何の話か分からない?
取り敢えず、アルファベットの最後の3文字でも勉強しとけって、効果が抜群な事が分かるからさ(笑)
でもさー、まあ、森の主なんて、
そんな大それた奴とどうこうしようだなんて考えてもないけどさ、俺。
だって、強い奴には逆らわずに関わらないのがもっとーだもん。
自分より強い奴と関わっても、さっきの部活の話みたいに、どう考えても損する側になるだろ?
そんなアホなことしない。
小学生の輪に入ってボス面をする中学生? OBとして中学校に来て『カンパ』を頼む高校生?
結構、それでも実に結構。身の丈に合った幸せで十分だよ、俺は。
そういえば、例の主さんの他にも、色々と邪魔するモンスターはいるのよ。
不思議と町の中にも入って来る奴は弱めな上に少ないんだけど、
森を切り開いた後で、町を拡げる前には結構邪魔が入る。面倒くさいなぁ。
俺専用、墾田永年資財法に邪魔をしてほしく無いんだがねぇ。
町にも時折出てくる低級モンスターの素人土竜や、紙鰐をハンマーでグチャグチャにする位なら、
ある程度、成長したJr.達のケースなら大体出来る。
森の中にいる上級モンスターの玄人土竜や神鰐には俺でも叶わない。
で、俺や冒険者達は伐採直後の場所に出る中級モンスターの螺旋土竜や噛鰐を倒すのが主流になることで落ち着いてきた。
ここ最近、調子良いんだよ、結構な。
因みに、この町で一番危険なのが木こりだ。
程度が悪いJr.を、他の仕事に就けなかったからなりました的な使えない冒険者に容れて運用してる。
えっ? 俺は差別しないんじゃ無かったかって?
これは差別じゃないさ、区別さ(笑)
彼等にはモンスターに襲われて、
こと切れるまで、木を伐らせ続ける。
給料悪いどころか現物支給だけなのに、命の危険があるお仕事とか、前の世界じゃ絶対誰も就きたがらないな。
仕事内容ぼかして入社させて、圧力で強制させない限りはねー。
まっ、此方の世界ではちゃんとなり手がいるし、別に良いけどな。
超ブラック起業? 死亡率が高い? 過労死or事故死?
この町でなら大丈夫。
彼らが死んでも代わりはいるもの(笑)
で、運用の話なんだけどね?
優秀な者から失うのは勿体ないから、ダメなヤツから捨て駒にしてるけど、
だからって、切り札を温存し続けて、いざ使うときには、相手にはその切り札が通用しなくなっていたとかじゃ笑えないしなー。
戦艦大和とか、空母が主力になった時代じゃ、只の的だしな。ちょーどきゅーせんかん(笑)
もし使うのなら、戦艦同士のぶつけ合いが熱い時代に使うべきものだったと思うんだよねー。まっ、今更だけど?
でもね、逆に相手が強くなってからじゃ、弱い手札は全く使えなくなるのも事実なんだよねー。
ほら、カードゲームの大富豪でも最初の数手位でしか4とか5とか出せないでしょ?
革命とか地方ルールを含めなければさ。
それらの失敗と同じ事をするのも嫌なので、強いのばかり犠牲にするのも、
弱いのばかり先攻させるのも駄目で、
バランスが大事なんだよね。
そのバランスを考えた結果の上でも、前線木こりの立ち位置が出来たわけ。
まず、非常に重要な役であり。
そして、最初に死ぬ役であり。
更に練度が上達する前に死ぬ役である。
要するに経験が育つ前に死ぬから、逆にいっそのこと経験を重視しない。
そして、必要な仕事であり、犠牲が出やすい仕事である。
モチベーションの問題や脱走の問題はJr.達のおかげで問題無い。
そしてその政策は今のところ上手くいっているみたい。
…住民が全員絶対服従で失敗する政策も難しいのかも知れないけどな(笑)
結果が目に見えると気分がウキウキする。
なんと元の町より面積が2割も増えた。
いいね、実にいいね。
どんどん開墾していきたいね。
何処かの国が埋め立てで領土拡大したがる気持ちもわかるよ。
近隣諸国や敵対国に反対されても実害無ければ気にしませーんな、あの国ね?
やりたいことをやったもん勝ちなのは青春だけじゃなくて何事にも言えるだよねぇ。
要するに、他人がやってることをモラルだとか、恥ずかしさとか、評判だとか、実現力だとかで指加えて見てるしか無いヤツは黙って損してろってこと。
ってゆーかさ、
町をモンスターから守る対策とか色々としてきたけどさ、
そもそもがさ、既に寄生虫に支配されてる町をモンスターから守るって何なんだろうな(笑)