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今川義元の野望  作者: 高野康木
駿河・遠江・三河統一編
7/32

6話 初陣!

「うおー!殿はいずこー!!」


活発に騒いでいるのは、木下藤吉郎。

足軽として仕官したが、広大は気に入ったので、小姓にしている。

一時的にだがーー。


「おお。藤吉郎ちゃん!みてくれよ、この賑わいを!!俺の策は、的中したぞ!」

「殿!こんなところにおりましたか!雪斎殿がお呼びですぞ!」

「あれ?予定入ってたけ?」


商店街にいた広大は、首を捻って考える。

ちなみに、手足は泥まみれである。

言わずも、田んぼをいじったからだろう。


「なっ!?また、着替えなければいけないではござらんか!」

「小さいことは、気にすんなよ藤吉郎ちゃん!ほれ、行くぞ!」

「どこに行くつもりござる。逆方向でござるよ?」



場所はかわり、大広間おおひろま

今川家の重臣が、集まっていた。

号令ごうれいをかけたのは、太原雪斎。

筆頭家老の号令なら、集まるしかない。

おそらく、殿が遠江征服に行かれるのだろうと、誰もが思っていた。


「お待たせ。うおっ!?前よりも、人数が多いね~」


ヘラヘラして入ってきた広大は、いつものように、家臣の花道を通って、上座にすわる。

全員、頭を下げていることに気づいた広大は、これまたいつものように。


「はい、顔をあげてくださいね」


そう言うと、家臣団がいっせいに顔をあげてーー。


「殿!ついに、遠江を攻めるのですな!」

「いやー!この時を待っていた!!」

「殿ではなく、戦下手いくさへたな氏真についた奴らを、この手で討ち取らんとな!」

「しかし、つい先月まで同じ釜の飯を食った奴らと、戦をしなければならんとわ……。これが、戦国の定めか」


などと、勝手に話始めた。

もちろん、広大にはなんのことかサッパリわからない。

なので、広大がとった行動わーー。


「そうだね。うわはっはっはっ!」


猿芝居の、笑い声をあげることだった。


「して、殿。策は?」

「はっはっ……。えっ?」


元信が言った言葉に、笑いが止まる広大。

他の重臣達も、期待の目で広大をみる。


(か、考えてねーよ!俺は、藤吉郎ちゃんに呼ばれたからきただけだぜ?)


冷や汗をかいていると、雪斎が扇子を閉じてーー。


「殿。策は、この雪斎の頭の中にあります。私にお任せくださいますか?」

「う、うん。策を教えてくれる?」

「では、策をご説明いたします」


そう言うと、懐から雪斎が巻物を取り出して、広大の前に広げる。


「皆さんも、見えるところに集まってください」


雪斎の言葉に従い、みんなで巻物をみる。

そこには、遠江と駿河の地図が書いてあった。


「まず、この今川館から、引馬城ひきばじょうまでの通り道で、邪魔な城を落とすことにします」

「引馬城って、氏真ーー、妹の城だよね?」

「はい。そのとうりです」

「なら、そこを一気に攻めちゃえば?」

「それは無理よ」


話に割って入ってきたのは泰能だ。


「なんで?」

「理由は3つ。1つめ、敵が攻めてこれる道が2つあるため」

「2つ?」

「この掛川城かけがわじょうと、犬居城いぬいじょうよ」


今川館の北にあるのが、犬居城。

そして、西にあるのが掛川城である。


「えーと。それの、何がダメなの?」

「少しは考えればわかるでしょ!この今川館から、全軍で、どちらかを攻めると、どちらかから、攻撃をうける可能性があるのよ!」

「なるほど!つまり、掛川城を落として、引馬城を攻めてる間に、空っぽの今川館をやられちまうと困ると言うことね!」

「そのとおりです」


やべ、俺天才だわー!

などと調子に乗っていると、泰能がーー。


「なら、2つ目の危険を言ってみなさい」

「えっ?」


突然の事に、焦る広大。

頭をフル回転させて、思ったことを言う。 


「兵力の違い……とか?」

「正解です」


嬉しそうに、広大を見る雪斎。

泰能は、舌打ちをしているが。


「遠江には、引馬城を始めてとして、掛川城、犬居城、小山城こやまじょうがあります」

「おえ!?城がひとつ増えとる!ヤバくねそれ!」

「心配はありませんよ。掛川城は、引馬城に向かう通り道ーー。あちらにとっては、最も重要な城になるでしょうから、小山城の兵は、そちら援軍にむかうざるおえないでしょう」

「あっ、そうなの。えーと、兵数とかわかるの?」

「当たり前でしょ!」


泰能は、呆れた顔で説明する。


「敵は総兵そうへい一万。私達は総兵そうへい八千よ」

「少くな!その時点で、まずくね!?」

「さらに低くなるわよ。私達の城、蒲原城かんばらじょうには、三千必要だから、動かせるのは、五千よ」

「嘘だろ!?てか、三千もいるか?」


すると、雪斎が申し訳なさそうな顔をしてーー。


「申し訳ありません。武田や北条が攻めてこないとゆう自信がないので…… 」

「そ、そうか。いや、仕方ないよな」


頭がさほどよくない広大でも、武田の凄さは知っている。

未来に伝わるほどなのだから、この時代では警戒すべき大名なのだろう。


「さて、3つ目よ」

「これ以上にも、問題があるのかよ……」

「簡単にいえば、守りよ」

「守り?」

「そうよ。もし、攻撃されたら、全軍が戻るまで、踏ん張る必要があるの」


つまり、守り手である。

どんなに兵数があっても、忍耐にんたいがない人物では、すぐに落ちてしまう。

そうなれば、あとは落武者おちむしゃがりに殺されるだけだ。


「なるほどな。つまり、オフェンスとディフェンスにわかれるということだな」

「はぁ?何よそれ」

「気にすんな。未来言語だ」


どわっと、家臣が笑いだした。


「殿は面白いことを言いますな」

「未来など、誰にもわからんのに」


(あっぶねー。ばれたら、どうしようかと思った!)

 

などと心の中で考えていると、雪斎がーー。


「それでは、殿。守り手と、攻め手を決めてください」

「えっ、俺が決めんの?」


家臣団が静まる……。

まるで、自分を選んでくれと言わんばかりに、広大に視線が集まる。


「えーと。掛川城には、元信と雪斎がむかってくれ。兵は、二千くらいで大丈夫?」

「そうですね。それくらいで、充分でしょう」


もしかしたら、充分すぎるかもしれませんがーー。

可愛らしく笑って、そういう雪斎。


(あっ、あの笑顔。なんか、たくらんでんな?)


ここ最近で、広大は雪斎の笑顔には、二つあることを知った。

優しい笑顔と、裏笑顔である。

大抵、裏笑顔の時は、三河や遠江の話をしているときだが、先程の笑顔は何かをする証であろう。


(願わくば、自分には何もないことを……)


そう願いながら、広大はーー。


「泰能と俺は、犬居城を攻めよう。守りは、親長に任せる!」

「わかったわ」

「お、お任せください」


こうして、今川の軍勢ぐんぜいは、2手に別れることになった。

広大が率いる二千の軍と、雪斎率いる、二千の軍である。

そして、後詰あとずめ役として、親長率いる千の軍。

今、広大の初めての戦が始まる!






「山道なんだな。犬居城って」

「なんで、乗馬できないのよ」


広大は、鎧を秀吉に運んでもらい、泰能の背中にくっついている。

暇な時間は、元信と剣術けんじゅつや乗馬を練習しているのだが、まだ不安があるらしい。

なので、今日も2ケツをしているのだ。


「なぁ、泰能。後詰めってなんだ?」

「後詰めってのは、敵の城や敵の軍勢に負けたそうな時に、援軍をする役目よ」

「それ、必要なの?」

「必要よ」

「ふーん……」


振り返ると、やりを持っている人間が、1列に歩いている。

何度目かの、ため息を漏らす広大。

なぜか、あの列を見ると緊張してしまう。


「なぁ、泰能」

「うるさいわね。何よ」

「お前さ、いいにおいするな」


ゴスン!

ドンッ!ゴロゴロゴロ!

今の音は、順番に泰能が肘鉄ひじてつを広大の顔面に命中させて、一瞬意識がとんだ広大が落馬し、坂を転げ落ちた音である。


「うがぁーーー!おま、何してくれてんの!?」

「うっ、うるさい!あっ、あんたが訳わからないこと言うから悪いんでしょ!」

「照れ隠しの一撃にしては、きつすぎんだろゴラ!」


全身が痛いらしい広大は、地面をゴロゴロしている。


「大丈夫ですか、今川様」


一人の足軽が、広大を支える。


「ありがとう。えーと」

「気になさらずに。我々は、殿が作ってくだされた兵農分離という御触れで、集まったものがほとんどですから」

「そうなの?」


実は、広大が気づいてないだけで、兵農分離の効果で人が集まっていたのだ。

中には、藤吉郎のように遠くから来たものも少なくない。


「とりあえず、あれが城よ」


どうやら、すぐそこだったようだ。


(すぐそこなら、叩き落とすなよな) 


そう思っても、口に出さないのが広大である。

広大は、初めて敵の城を見た。

なんというか、まるで殺気のかたまりのようである。


「いつまでそこにいるのよ。そこに、座りなさい」


泰能が、床几しょうぎを指す。

簡単にいうと、折り畳み式の椅子である。


「殿、鎧も着るでござる!」


鎧を着て、床几に座る広大。

額には、汗が見える。


「重くね!これじゃ、素早く動けねーじゃん!」

「動く必要なんて無いわよ。今回はね」

「どうゆうことだよ?」

「いいから、黙ってなさい」


泰能は、軍配を天高くあげて、降り下ろす。


「全軍、包囲ほうい!」


二千の兵が、城を囲い始める。

兵達の手には、弓が握られている。


「ま、まさか。袋叩きにするつもりかよ?」

「まさか。そんなことしなくても、今回は大丈夫よ」


泰能が言うと同時に、城門が開いた。

そこから出てきた人間は、大声でーー。


「降伏いたします!」


そう言ってきた。


「どうゆうことだ?」


ガシャガシャと鎧を鳴らして、広大が泰能にきく。

もちろん、降伏についてだ。


内応ないおうさせたのよ」

「内応?」

「裏切りをさせたの」


どうやら、敵の誰かをこちらの味方にしていたらしい。


「よく、味方についてくれたな」

「当たり前でしょ。氏真なんて、まりしか取り柄がない戦下手だもの」

「それでもよ。簡単に裏切るものなのか?」

「普通は、こんな簡単にいかないわよ。ただ、氏真を祭り上げたのは、弱いやつらばっかりだもの。烏合うごうの衆ほど、もろいものはないわ」


泰能の言葉に、恐れる広大。

しかし、泰能はさらに凄いことを言う。


「まぁ、私の策よりも、雪斎の策の方が凄いと思うけどね」

「雪斎の策が?」

「もうすぐわかると思うわよ」


どうやら、泰能には雪斎の策がわかるらしい。

すると、足軽が広大の前で方膝をつく。


伝令でんれい!太原雪斎様率いる軍が、掛川城および、小山城を陥落かんらくさせました!」


石化する広大。

やっぱりね。と言った泰能は、伝令にーー。


「このまま、3方向から引馬城を攻めるわ。そう、雪斎に伝えて」

「はっ!!」


伝令は、すぐさま雪斎の元にむかった。

やっと、動けるようになった広大の第一声わーー。


「嘘だろーー!!」


そんな、当たり前の言葉だった。




移動中に広大が泰能にきいてみたところ、泰能よりも雪斎は早く動いていたようだ。

つまり、泰能よりも多くの敵を寝返ねがえらせていたらしい。


「あんた、いつから策を始めてたのよ」

「殿と駿河に来てからですね」


あっさりと、泰能に答える雪斎。

広大と泰能は、雪斎と見付みつけにて合流をはたし、布陣していた。

今は、陣幕じんまくの中である。


「早すぎるわよ!何、普通の顔をして言ってんのよ!?」

「フフッ、私の見る目に狂いわなかったようです。殿の御触れのお陰で、兵が増えて、私の策は最高の結果になりました。それにーー」


恐ろしい笑顔になった雪斎は、拳を握りしめーー。


「うつけ者やくそたぬきにこれ以上デカイ顔をされると、私の心が持ちません。そろそろ、潰し時でしょうからね」


ひぃ!

そう声を出したのは、もちろん広大である。

泰能も、引きつった顔をする。


「殿、失礼します。雪斎、引馬城から氏真が進軍してきたそうだ」


陣幕をくぐってきたのは、岡部元信だった。

鎧をきた姿は、もはや威圧感いあつかんしかない。


「これだから、頭を使わない奴らわ……」

「こちらの軍勢は、およそ八千。対して、あちらの軍勢は、多くても五千くらいです。まともに戦をしても、勝てるはずはないはずですが……」

「妹と戦すんのかよ。いや、本当の妹じゃねーけどさ。やっぱり、心が痛むよな」


泰能は呆れた顔をし、雪斎は考え事をする顔をし、広大は思い詰めた顔をする。

なんとも、バラバラな光景こうけいである。


「それで雪斎、我々はどうする?」

「ここで、合戦をすることになるでしょう。敵が布陣したのち、開戦です」


ついに戦が始まるのかと思うと、広大は震えてしまう。




数時間後ーー。

敵の軍も陣幕をはり、戦の準備がととのった。


「雪斎。やっぱり、早めに攻めればよかったわね」

「安全にいくには、待ってたほうがいいこともあります」


木で作られている長テーブルに、泰能と雪斎が座っている。

元信は、精神統一するとかで、ずっと黙っている。


「い、戦ってさ。俺も斬り合うの?」

「大将が殺されたら、大変でしょうが。あんたは、ここで待機よ」


広大的には、複雑だった。

自分が安全な所にいて、他の人を死地におくっていいものなのかとーー。


「殿の気持ちもわからなくないですが。大将は、死んではならないのです」


そう雪斎に言われてしまうと、頷くしかない広大である。

ボオォォーー。

突然、ほら貝の音がなった。


「な、な、な、なんだ!?」


テンパりすぎの広大は、床几から転げ落ちる。

対する雪斎と泰能は、鋭い目付きになった。


「動いたわね……」

「えぇ。何かしらの策があるかと思いましたが、無いようですね……。元信!」


雪斎の鋭い声に、元信がゆっくり眼を開く。

驚くほど、全身から殺気が溢れている。

味方とわかっていても、広大は生唾なまつばを飲む。


「殿、ご心配なさらずに。小生が、殿の通る道を作ってきます」


ガシャ、と鎧を鳴らして立ち上がった元信は、陣幕の外に出てー。


「皆のもの!小生についてこい!」


大声でそう言うと、時の声があがった。

そこからは、音しかしなかった。

広大は、戦を見たいと何度も雪斎に言ったがーー。


「もう少し、お待ちください……」


何かに迷っている顔をしながら、広大にそう言ってなかなか見せてくれない。

何千という足音と、声しか聞こえない。


「まだ、ダメなの?」

「えぇ。弓などが、飛んでくるやも知れませんから」

「雪斎、ちょっといいかしら?」


泰能が、広大の離れた所から雪斎を呼ぶ。

泰能が何を言いたいか、ある程度わかっている雪斎は、苦い顔をしてむかう。

ひそひそと話あう二人。

話が終わると、決意した顔の雪斎が広大を見る。


「殿。今から見るものは、覚悟が必要です」

「う、うん」

「こちらに」


広大の手を引っ張って、陣幕の端を掴む雪斎。


「よろしいですか?」

「おう」


陣幕が、開かれた。


「うおー!」


広大は、動けなかった。

初めて、人が殺している所を見たからだ。

倒れた人物に、槍を突き刺す者。

背後から突き刺される者。

首を斬られた者のいる。

そんな光景が、広大の脳に一気に記憶される。


「うっ!!」


口を押さえて、すぐ近くの草むらにむかう広大。


「直虎。殿の回りに、結界を……」


悔しそうな声で、雪斎が直虎を呼んで命令した。


「うっ、げほげほ!」


胃のなかにあった物を、草むらにだす広大。

あまりにも、酷すぎた。


「あるものを全て出した方が良い。初めは、そんなものです」


木の上に座って、戦を見ている直虎が、背中を見せながら言う。

いつの間にか、黒装束くろしょうぞくに囲まれていた。

どうやら、これが忍の作る結界のようだ。


「もう、大丈夫だ。悪かったな、直虎……」

「お気になさらずに……」


周辺にいた黒装束と共に、直虎が木の葉と共に消える。

重い足を引きずるように、陣幕の中に戻った広大。


「たく。あれくらいで情けないわね」

「泰能。口を閉じなさい」


やれやれという顔で言ってくる泰能を、睨み付けて怒る雪斎。


「か、覚悟が足らなかったよ」

「初めは、そんなものです。ましてや、平和な国からきたのなら」


広大は、未来からきた人間である。

人が殺しあう所を、見たことがなかった。

時代劇などは、たまに見ていたが、そんなものとは比べ物にならない。

気分がすっかり沈んだ広大は、床几の上に座ると、長テーブルに額をぶつけて、黙る。


「えい、えい、おー!!」


すぐに、時の声があがった。

どうやら、敵が敗走はいそうしたようだ。


「行くわよ。いつまで、落ち込んでんのよ」

「あぁ」


心配そうな顔をする雪斎を、広大は珍しく無視した。

それほど、心に余裕がないのだ。


「しかし、ずいぶん早く敗走したわね。やっぱり、烏合の衆だわ」

「…………」


泰能の背中にくっついて、広大は戦場の中を馬で歩るいていく。

死体が目に入るたび、腕に力を入れてしまう。

泰能は、痛いはずだが何も言わない。


「っ!?」


ある人を見つけた広大は、馬から転げ落ちて、見つけた場所にむかう。


「嘘……だろ……」

「どうなさいました?」


馬を走らせて、広大の近くにきたのは雪斎だ。

広大の表情をみて、ただ事ではないと思ったのだろう。


「なんで……」


広大の足元には、武士の死体があった。

地面に力なく膝をついた広大は、武士の頭を少しあげる。

とても、冷たい。


「そいつ。あんたが倒れた時、肩を貸してくれたやつね」


泰能が、静かな声で言う。


「なっ!?殿、大丈夫ですか!」


雪斎は、頭の中である程度予感していた。

それが的中してしまった。

広大は、自らの髪の毛を両手で握りしめて、震え始めた。


「殿!」

「急に、どうしたのよ!?」

「やはり、博打ばくちはしないほうがよかったということです!このまま、ではーー」


雪斎の言葉は、そこまでしか聞こえなかった。

なぜなら、広大がーー。


「うわぁぁぁ!!」


絶叫ぜっきょうして、意識を失しなったからだ。


朝比奈泰能ーー。


この人は、親子三代にわたって今川に仕えていた人です。

そして、外交なども担当していたとか。

驚くことに、太原雪斎と並ぶほど義元の片腕だったそうです。

しかし、この人は桶狭間の3年前に死んでしまったらしく、今川にとっては痛手だったそうです。

雪斎と泰能の死が、今川義元にとっての不運だったと言えます。


私の物語の中では、広大に辛く当たりますが、優しいところもある人にしていきます。いわゆる、ツンデレですね!

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