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今川義元の野望  作者: 高野康木
尾張編
18/32

15話 織田の姫様

清洲城きよすじょう……。

尾張をとった広大は、ここを居城いじょうにした。

それでは、残りの城はどうするか?

それも、広大の頭の中では決まっていた。


「殿!これで、我々は4か国を支配下におきましたな!小生は、嬉しくて嬉しくて」

「……うるさいわね。隣で泣いてんじゃないわよ」

「泰能。お前は嬉しくないのか?先代よりも、今の殿は優秀なのだぞ!」

「優秀ね~。頭もなければ、力もないバカ殿がね~」

「泰能。殿にたいして、無礼な言葉はいけません」

「あの~。雪斎お姉さま?家康殿がおみえになりましたけど……」

「声が小さいわよ!このポンコツ!!」

「ふぇ~~。泰能お姉さま、ひどすぎますよ!」

「はーい。みんな、静かに~!」


広大の言葉で、家老が全員黙る。

しばらくすると、家康が広間に入ってきて、広大の正面に正座した。

実は、この家康。桶峡間の戦いの時に、重大な役割をしてくれたのだ。


引馬城にいた家康は、広大が桶峡間で織田の軍勢と戦していることを知ると、すぐさま出陣した。

しかし、家康が向かった場所は、桶峡間でなく清洲城方面である。

家康の策は、清洲方面から織田の軍勢に向かっていき、織田を挟み撃ちにする策であった。

しかし、清洲にあと少しでつく頃になると、雪斎から伝令がとんできた。

それは、雪斎が広大の軍に後詰めをするという伝言である。

それをきくや、すぐさま家康は、目的を清洲城包囲に変更した。

織田の軍が敗走したときに、一気に叩くためである。

そのかいがあり、広大達はあまり苦労せずに、清洲城を落としたのである。


「先生。この度は、申し訳ありませんでした。織田信長と、その重臣数名を取り逃がしてしまい……」


ひどく落ち込んだ顔で、頭を下げる家康。

広大が声をかける前に、雪斎が口を開く。


「顔をあげない家康。あの逃げ足の速さ……。私であっても取り逃がしていたでしょう。それよりも、私の伝言だけで、清洲城を包囲したことは、素晴らしかったですよ」


家康だけには厳しい雪斎が、珍しく誉める。

家康は頭をあげたが、納得していない顔である。


「家康ちゃん。今回のことは、ありがとうね。家康ちゃんの策のおかげで、犠牲が少なくすんだ」 


広大がそういうと、やっと、家康の顔に笑顔が戻った。


「お褒めの言葉、ありがとうございます。怪我の方は、大丈夫なのですか?」

「あぁ。まだ完璧な完治ではないけど、斬り合いとかしなければ、大丈夫だよ」


そういうと、肩をさすりながら広大がーー。


「この傷は、ある意味大切な傷だからな……」


雪斎を救い、自分の運命ですらねじ曲げた証……。

その言葉は、口にしなくても雪斎達には伝わっていた。


「ところで殿。我々に話があると言っていましたが……」


広大は、大切な話をするといって、家康もここに呼んだのである。

その事を思い出した広大は、真剣な顔になる。


「実はな。家康ちゃんに、遠江と駿河を任せようと思うんだ」

「わ、私にですか!?」


突然のことに、家康が慌てた声を出す。

今川四家老からの反対はないので、それでよいということになるがーー。

広大の言葉には、続きがあった。


「三河は、親長に任せるつもりだ」

「えぇ~!」

「ちょっと!なんで親長なのよ!!」


親長は、驚きの声をあげて固まってしまい、泰能は、反対の声をあげる。

泰能が反対したのは、自分よりも親長を選んだからである。

この時代、一国一城の主になるのは、かなりの出世といえる。

つまり、優秀な者がなれるのだ。

それを、今まで下に見ていた親長が任命されると思っていなかったのだろう。


「おちつけ泰能!」

「おちつける訳ないでしょ!!なんで、私よりこのポンコツが、先に一国一城の主になれるのよ!」

「泰能お姉さま。ひどすぎます~」


ひどくしずんだ親長は、畳に顔を伏せてしまう。

それに追い討ちをかける泰能は、親長をゴロゴロ転がし始めた。


「ふぇ~やめてぐだざーい!」

「やかましいわこのポンコツが!あんたは、そうやって丸まってる方がお似合いよ!」


ゲラゲラ笑いながら、親長を転がす泰能。

すると、突然扇子を閉じる音が響く。

あまりの音に、泰能がピタリと止まる。

彼女を止めれる人物は、ここには一人しかいない。


「……泰能、少しつつしみなさい。殿に理由もたずねずに、親長をいじめてはいけません」

「そ、それもそうね」


泰能の顔が真っ青になったのは、きっと、雪斎の微笑みが恐ろしい方だからだろう。

気をとりなおすため、広大は咳払いをする。


「理由は簡単だ。俺は弱いから……。泰能と雪斎には、近くにいてほしい。元信は、戦になった時に必要だからな」

「……つまり、私はいらないということですか?」


涙目になる親長に、慌てて訂正しようとした広大だが、雪斎が一早く口をひらく。


「違いますよ親長。殿は、この家臣の中でなら、親長が一番城を守れると思い、あなたに命じたのです」

「そ、そうだ」


大切な言葉を全て雪斎が代弁したため、広大は同意の言葉しかいえなかった。


「そうですか……。それなら、この親長!殿のために頑張らせていただきます!!」


畳に擦れるくらい、頭をさげる親長。

苦笑いした広大は、自分の膝を叩いて立ち上がるとーー。


「それじゃ、今日はこれで解散ね。俺は、あの子達にあってくる」

「私もお供します」

「サンキュー。雪斎」




木の棒でできた牢屋の中に、秀吉は正座をしていた。

彼女の前には、氏真が座っているが、二人の間は頑丈な木の棒でしきられていた。


「……よくも、飽きずに毎日くるでござるな」

「まぁ、私はいてもいなくてもかわんないしね……」


ため息をつくと、氏真は懐から饅頭を取り出して、秀吉に渡す。


「毒でござるか?」

「あんたを毒殺しても得なんてないわよ。それに、そんなことしたら兄様に怒られるし」


そう言いながら、氏真は饅頭を食べ始めた。

秀吉が、しばらく饅頭を見つめていると、遠くのほうから足音が響いてきた。


「あら。氏真じゃん」 

「今日もきていたんですね」


雪斎は微笑んで、氏真の隣に座り、広大は、秀吉と視線をあわせるために目の前に座る。


「義元公も、たいがい甘いでござるな。また、拙者に会いにくるなど」

「本当ですね。お二人とも甘すぎます」


そこがまた、良いところでもありますが。といって、氏真の饅頭を貰う雪斎。

どうやら、饅頭をガン見していたらしい雪斎に、氏真が負けたらしい。


「……もう、殿とは呼んでくれないのか?」

「けじめはつけるものでござる。裏切りをした拙者に、義元公を殿と呼ぶ資格はないでござるよ」

「確かに、裏切りをしたあなたにその資格はないでしょう」


饅頭を食べ終わった雪斎は、真剣な顔になる。

おそらく、広大が相談したことを話すつもりなのだろう。


「あなたさえ良ければ、もう一度家臣になりませんか?これは、殿の気持ちです」


この時代は、裏切りをした者はほとんどが殺すことになっている。

ましてや、殿様が死ぬかもしれないほどの裏切りなら、問答無用で斬首ざんしゅであろう。

とうぜん今川家の者たちも、秀吉を斬首しろと広大にいったが、そこは未来人の感覚。

牢屋に捕らえて、しばらく様子を見ようと言ったのだ。

そして、広大の本当の気持ちは、もう一度家臣になってほしいというもの。

その事を雪斎に相談すると、自分が説得役をしてくれると言って、今それをしようとしているのだろう。


「……冗談が過ぎるでござるな。裏切りをした者に、もう一度仕えて欲しいなどと……」

「ハッキリ言いますと、甘いを通り越して愚か者ですね。もう一度、死ぬかもしれない状況に陥ってもいいという意味ですから」


雪斎の言葉で何かを感じたのか、秀吉は口を閉じる。

しばらくの沈黙の後、やっと口を開いた。


「お断りと言いたいところでござるが……。少し、考えさせてほしいでござる」

「そうか。いい返事を期待しとくぜ!」


広大はにこやかに笑うと、立ち上がる。


「じゃ、そろそろ行くぞ雪斎」

「あの女ですか。骨がおれますね」





清洲城の、ある室内。

今川家の兵士や重臣が、群がっていた。

やっとの思いで目的地についた広大と雪斎だが、人が多すぎて動けないでいる。


「うーん。気持ちはわからなくないけど、俺も仕事だしな」

「まったく。たかが小娘一人に、なんですかこの人数わ!!」


雪斎が怒るのも無理はない。

なぜなら、これからあう姫様は、なかなか骨がおれるのだ。


「退きなさいあなた達!殿が通れないではないですか!!」

「雪斎様だ!」

「なんと、鬼のようなお顔だ」

「こ、こえー」


兵士達がそういうと、雪斎の恐ろしい笑みが炸裂した。


「二度言うのは嫌いです。退きなさい?」


その一言で、一気に兵士達が逃げ出す。

桶狭間での戦は、今川兵士達の記憶に深々と残っている。

なので、とうぜん信長と雪斎の戦いもみなしっているのだ。


「……殿。そんなところで、何をしているのですか?」

「いや、ほら。なかなか立派な木だと思ってさ。あれだよ。けして、雪斎の殺気が恐くて隠れたとかじゃないからね」


庭にある木から、半分だけ顔を覗かしている広大。

誰がどうみても、隠れているとしかいえない。


「遊んでる場合ではありませんよ。あの小娘にあうのでしょ?」

「そ、そうだったな。うん、頑張ろう!」


気合いをいれた広大は、思いっきり障子を開ける。

すると、室内には一人の女性が座っていた。

その女性は、広大の顔を見るや、一気に嫌そうな顔になる。


「……くさい」

「へっ?」

「くさい!お前が来ると、必ずこの部屋がくさくなる!」

「嘘!俺、毎日お風呂に入ってるん」

「欲情の臭いがする!私の前に来るときは、その薄汚い変態顔を治してからきて!」

「ぐぼぉ!」


約十秒で、広大に精神攻撃をしたこの女性は、おいち

あの信長の妹である。

これが、今川の姫武将の誰よりも美しい顔をしているのだが、性格に少し難があり、今のように今川家の者にはものすごく毒をはく。


「お、俺。そんなにくさいかな?」


美女にくさいと言われる。男としてこれほどショックなことはない。

とうぜん、広大も涙目で自分の着物のにおいをかぐ。


「大丈夫ですよ殿。殿がくさいなどある訳がありませんから。あの小娘の鼻がおかしいだけです」

「雪斎!」


太陽のような雪斎の微笑みで、かろうじて心が崩壊しなかった広大は、咳払いをして、もう一度お市に視線をあわせる。


「汚ならしい。その汚い目で私を見ないで」

「大丈夫……。心を強くもて俺!」


一言で心が壊れそうになった広大は、自分で自分を励ます。


「今日は君に話があるんだ。そろそろ、俺の妹になるという提案をのんでくれ」

「嫌よ!」

「理由をきいても?」

「あなたみたいな変態顔の人間を、死んでも兄上などと言いたくないし、死んでも兄弟なんてなりたくない!!」

「ふっ……。俺、やっぱり無理だわ」


落ち込んだ広大は、部屋の隅に座ってしまった。

どうやら、心がもたなかったらしい。


「殿は、あなたのためにこの提案をだしてくれているのですよ。それを、そんな言い方はどうかと思いますけど?」

「そんなの私には関係ないもん。おばさんは、引っ込んでて」

「お、お、おばさん?恋も知らない小娘の分際で私をおばさんといいましたね!」

「落ち着け雪斎!お前、薙刀を持ってくるなとあれほどいったろ!」


広大の必死の制御で、かろうじて被害がでずに、雪斎は落ち着いた。

しかし、怒りは収まっていないので、いつ噴火してもおかしくない状態である。


「あなたが、殿の妹君になられれば、おかしな男はよってこなくなるのですよ?それをわかっていますか?」

「それもそうね。私は若くて美しいからモテるもの。モテるって大変なんだよね?あぁ、年増のおばさんは、モテないからわからないよね。ごめんごめん」

「ふっ、ふふ、ふふふ!上等です。たかが二つくらいの歳の差でそこまで言えるとは、たいしたものですよ。そこに座っていなさい。今すぐ、首と胴体をバラバラにしてあげます!」

「だから、やめろ雪斎!ほら、俺は雪斎のこと好きだぞ?なっ、お前もモテるから!!」


とつぜんの広大の発言に、雪斎の動きが止まり、みるみる顔が赤くなる。


「と、殿!?こんな場所で、そんな告白なさらなくても!?」

「告白?いや、思ったことをいっただけだけど?」

「そ、そうですか!そ、それは、ありがとうございます。そうですよね、殿は私のことが好きと思ってくれているのですから、たとえ狸や親長がいようと」

「えーと。雪斎?なんか、独り言いってるけど……」


後半の方は小言なので、どうやら広大にはきこえなかったらしい。

咳払いをして、自分の頬をつねった雪斎だが、まだ少しにやけている。

そんな雪斎の様子をみて、気づいたお市が、止めの一撃をあたえてしまう。


「そうとうな変わり者ね。まぁ、おばさんにはお似合いかも……。その変態は」 

「……はい?」


にやけ顔からわずか1秒たらずで、殺気を放つ。

慌てて広大が止めに入るが、今度は薙刀をださなかった。

そのかわり、微笑んだまま恐ろしい提案をし始める。


「もうめんどくさいので、いっそうのこと、どこぞの山に捨ててくるのはどうでしょう?」

「いや、山賊に変なことされるでしょ」

「それなら、どこぞの豪族に嫁がせますか。こんな美貌をもつ小娘ですから、泣きながら忠誠を誓ってくれますよ」

「そ、それは~、女の子の夢としてどうかと……」

「そうですか。それでは、仕方ありませんね」


真剣な顔になると、雪斎はお市をにらみつける。


「いいですか。あなたは、とても恵まれています。普通の大名なら、辱しめられたり、道具として扱われるはずのところを、殿は軟禁なんきんという形にしてくれています」

「まぁ、軟禁もどうかと思うけどな」

「それと、殿」


雪斎は、厳しい目つきで、広大をみる。


「殿も、そろそろ鬼の心を覚えるべきです。もし、この小娘が家臣の誰かをたぶらかして、謀叛などになれば、はなしになりません」

「け、けどよ」

「優しさと甘さは違います」


雪斎の言葉は、心に深く突き刺さり、うつむく広大だった。




見張りだいのところに、広大は座っていた。

見張りの兵士には少し休んでもらい、一人になりたかったのだ。


「……鬼の心……か」


ひょうたんには水が入っているので、それをさかずきにいれる。

あのあとは、結局説得できずに終わってしまった。


(自分には、鬼の心がない。とういうより、必要だと思ったこともなかったな)


4ヵ国を統一したからには、非道の心も必要なのだろうとわかってわいた。

しかし、広大は優しいゆえに、非道にはなれない。


「ここにいたのね。何してんのよ」


とつぜんの声に広大が振り向くと、そこには泰能がいた。

片手にひょうたんを持ち、もう片方には盃。

どうやら、泰能も月を見に来たらしい。


「泰能。あんまり、酒をたくさん飲んでると、身体がもろくなるぞ」

「たしなむ程度よ。元信のように、大皿で一気飲みするほど、酒乱じゃないわ」


一気飲みしてんのかよ。といいながら、隣にスペースを広大がつくる。

ありがとう。といって、広大の隣に腰をおろした泰能は、さっそく一杯酒を飲んだ。

そんな泰能を広大が見つめていると、それに気づいたのか、泰能が少したじろぎながら。


「何よ。そんなに、見つめないでくれる」

「……いや、やっぱり泰能もキレイだなと思ってさ」

「……誉めてもお酒くらいしかあげれないわよ?」

「いらないよ。俺は、まだ二十歳じゃないからな」


くすりと笑って、広大は水を飲み、照れた泰能は、自分の前髪を少しつまんで、赤くなっている。


「……雪斎からきいたわ。注意されたみたいね」

「そうなんだよな。俺は、鬼の心なんて無理なような気が」

「無理でも、もたなきゃダメよ。1国だけならまだしも、4ヵ国の主になったのなら、時には非情さが必要よ」

「わかってるけどよ。俺は、そんなものとは無縁の世界からきたというかなんというか」

「よくわからないけど、例えばそうね……。もし、五百の兵士が一万の敵兵と戦っているとするわ。でも、あんたの領地にも敵兵が近づいてきてる。あんたの領地にいる兵がいれば、なんとか戦えるけど、五百の兵に後詰めをだせば、あんたの領地は必ず取られるわ。……これだけいえば、わかるわよね?」

「……なるほどな。殿様ってやっぱり大変なんだな」


盃の水を見つめていると、とつぜん泰能が横になって、広大の膝に頭をのっけてきた。

とつぜんのことで慌てそうになる広大だが、泰能の潤んだ瞳を見ると、正常に戻る。


「……珍しいな。泰能が女の子に見える」

「失礼ね。私は女よ」


しばらくそのままでいると、泰能が口を開いた。


「親長は、昔から泣き虫でね……。絶対に姫武将には、なれないと思っていたわ」

「そうか。昔から、親長のこと知ってたんだな」

「えぇ。いつも泣きながら、私や元信に助けを求めてきてたわ」


自然と、泰能の頭をなで始めた広大。

すると、泰能が涙を流し始めた。

まるで、今まで溜めていた物を、吐き出すように。


「そんなあいつが、今じゃ一国一城いっこくいちじょうの主だもの。わからないものだわ」

「親長に対して、どうも辛く当たるなと思ってたけど、そういう関係だったのか」

「フフっ。ねぇ、あんたは無理をしなくていいのよ」

「どいうことだ?」

「非道になりたくても、なれないこともあるわ。そのときは、私が代わりに非道になってあげる」


泰能は、広大の頬に手をそえると、涙を流しながら笑った。

おそらく、親鳥が雛を送り出すようなものだったのだろう。

それほど親長と泰能には、二人だけの歴史があったのだろう。


「ありがとう泰能。やっぱり、お前は優しいな」

「……どうしてかしらね。あんたには、正直な気持ちがでちゃうわね」


そういうと、泰能は目を閉じた。

そんな泰能の頭をなで続けながら、広大は、水を飲みながら、月を見上げるのだった。

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