少年少女は自称する

“トモ”の消失を軸に廻る、三人の高校生の、足りないものを探して歩く11月。
一人は文字を探して手を握りしめ、
一人は理由を探してカッターを撫で、
一人は身代わりになる術を無意識に探して奔走し、
それぞれの“トモ”から見えたはずの己を、自称する。

自分の名前を決めるのは、他人や世間だろう。
それでも、自分の名前を変えられるのは、自分だけだと信じてる。