こんにちは異世界
アップテンポのアニメソングを大音量にして室内に流す。
ガサゴソとポテトチップスの山を掴んでボリボリと貪る。
空になった菓子の袋をクシャクシャにしてゴミ箱に放り込み、コーラをラッパ飲み。
「……ふーっ。やっぱのりしおは至高」
一息ついて、パソコンのブラウザを起動し、お気に入りのサイトを巡回する。
脂ぎった、しかし調味料塗れの指をしゃぶるとキーボードを打鍵した。
「今日は猫耳メイドかー。流石なの氏。いい仕事しやがってっ!」
アニメ絵が描かれたHPを開く。
藤田秀雄。
輝かしき禿げ頭、ぶくぶくと脂肪を蓄えた肉体、度のキツイ眼鏡を掛け脂ぎった顔。
好きな物はアニメとゲームとラノベと漫画。
お察しの通り、テンプレート直球のオタクである。
特技は壁ドン、床ドン、貧乏ゆすり。高速早歩き。
それから耐久力と遂行力。それから意外と体力もある。
目的の為なら炎天下の真夏の朝から晩まで海に近い聖地から電気街の聖地まで縦横無尽に動き回る事が出来る。
声優のライブの前には事前に予習し河原で熱唱。
三十才一日前の童貞系男子。
それが彼である。
オンラインゲームを起動する。ロゴが表示され、ログイン。
彼はそのオンラインゲームでは英雄だった。
高レベルでハイランカ―。wikiの定時チェックは当たり前どころか中心執筆者の一人。
あらゆる情報を頭脳に詰め込み、100人規模のギルドのリーダーとして大物狩りを計画してその先陣を切る。
初心者に対するレクチャーでは定評があり、評価も高い。
ギルド内どころかゲーム内で彼の名を知らぬ者はいない。
彼の居場所は地球ではく、架空世界の中だった。
「……今日はデミゴッドドラゴンの討伐と聖剣イリジウムの練成、後何があったっけ」
メモ帳を見ながらパソコンを睨む。
「そういえば後5分でもう三十か。俺もこれで魔法使い。ブヒヒ」
親からその気持ち悪い笑い方は止めてと言われているが、秀雄は直す気配が一向にない。
どころか酷くなる一方だ。
「あーあ。魔法が使えるなら俺だって異世界に行きたいよ。そしたらハーレム作ってやりたい放題するんだ」
遠い目をして妄想に耽る秀雄。止せばいいのにフラグを立てる。
「5、4、3、2、1、おめでとう俺!」
そして何も変わらなかった。
秀雄は泣いた。
ひとしきり泣いて、やっぱり乾いた虚ろな笑みしか出てこない。
それは諦めきった者の顔だ。
「なんだよ。やっぱり嘘か。異世界なんてない。俺はこの世界で惨めに生きていくんだ。底辺引きこもりニートオタクでクズの俺はさっさと首つって死ねばいいんだ! 神様のバカヤロー!!」
その瞬間世界が灰色になった。
流していたアニメソングが中断し、ゲームは固まった。
『ほほう。そこまでいうなら、この世界捨ててみるか?』
自室内でいきなり聞こえた知らない声色に秀雄は固まった。
「だ、誰だ! 母ちゃん? 父ちゃん?」
高齢の親ではなかった。そして真面目に公務員をしている弟秀隆の声でもなかった。
完全にパニック状態になった秀雄は椅子から転げ落ちてあたりをあわあわと見回した。
『丁度お前みたいなモルモ……役者を探していたところだ。来るか? 少しでも未練があるなら残るがいい。しかし、その命捨ててもいいなら、我と一緒に世界を跨げ』
異世界。
これはついに来たか!俺はこの世界とオサラバ出来る!むしろこんな世界糞喰らえだ!とも秀雄は思った。
しかし後ろ髪を引かれるのも事実。ゴミのような扱いをされるとはいえ、ここまで育ててくれた家族。
それから秀雄を待つギルドのメンバー達。異世界に行ったとしたらもう会えなくなる。
「行く。行くが……少し待ってもらってもいいか?」
『良かろう。せいぜい現世に別れを告げるんだな。三十分待ってやる。その間に支度しな。この世界の物品はある程度は持ちこめる。考えて選べよ』
ログインしてギルドの権限を全て副ギルド長に渡した。手早く別れを告げ、引きとめる声を無視してログアウトする。
階段を大急ぎで降りながら両親の待つ居間へ行く。理由を話していたら時間がなくなる。だから一言だけで済ます。
驚いた顔をして秀雄の両親。夜中の12時を回ったところでもう寝ようとしたところだったらしい。
「今までありがとう。父ちゃん、母ちゃん」
それだけしか言わなかった。
これ以上別れを告げる言葉を口から出せば、自殺や家出を心配されてしまうだろうし、後は書置きを残して分かってもらう。
ぽかんとした顔の両親に最後の言葉を残し、大急ぎで自分の部屋に戻ると紙にメッセージを書き残す。
さようならと書いたところで残り十分。もう時間は残されていない。
残り十分で異世界……おそらくはファンタジーの世界にトリップすることになる。
服はとりあえずこれでいい。
異世界チートものだとスマホやパソコンを持ち込んでチートするのが定番だったけど、それはちょっと無理らしい。
『持っていく事は出来るが、電波も電気もないところでどうするつもりだ』
所持品はこの正体不明の声の持ち主が用意してくれるらしいし、ゲームやラノベを持ちこむわけにもいかない。
『じゃあ行くぞ』
「望むところだ! じゃあな地球!」
秀雄は飲みかけのペットボトルだけ掴むと涙塗れ、鼻水塗れの酷い顔でこの世界から消え去った。
●秀雄、異世界に立つ
『ここはグラスウランという世界だ。お前も役者の一人として踊ってもらうぞ。まあ、いきなり死なれても面白くないので少しアイテムをやろう』
そういうと空中に3つ豪奢な宝箱が出てきて、ドサドサドサと草原に落下した。
空は快晴で暖かい日差しと涼しい風。引きこもりでたまにしか縁がなかった代物に秀雄は目を眇めた。
『受け取れ。それからルールを説明してやる』
秀雄はいそいそと宝箱を開いた。
宝箱1を開いた。
ポーション×10
ライフオーブ×1
マジックオーブ×3
スキルオーブ×1
フェニックスオーブ×1
宝箱2を開いた。
錆ついた剣×1
皮の鎧×1
皮の靴×1
皮の籠手×1
皮の帽子×1
守りの指輪×1
宝箱3を開いた。
無限の袋×1
3000G
『お前はこの世界に高い適性を示しているからいちいち説明をするまでもないと思うが、ルールを聞くか?」
コクンと頷いた。秀雄は知識から入るタイプのプレイヤーだ。ルールは命であり武器である。
それが秀雄のモットーだった。
『まず、アイテム。ポーションは体力を固定値50回復するアイテムだ。ライフオーブ。これは使用すると崩れる代わりにお前の最大HPを増加させてくれる。マジックオーブ。これはランダムで未習得魔法一つとMPを増やしてくれるオーブだ。
スキルオーブも同様だ。フェニックスオーブは持ち主が死んだ時、一度だけ生き返らせる事が出来る優れものだ』
早口で捲し立てる声に頷く秀雄。こういう情報は理解が早い。
『続いて装備品。各部位に着込め』
おざなりだった。
『守りの指輪は常時お前に与えられるダメージを減らしてくれる。無限の袋はアイテムを無限に持ち運べる。紛失したら代わりはないからな』
なるほど、と秀雄は頷いた。
『この世界の通貨は何種類かある。そのうちこの王国周辺ではゴールドという単位を使っている。金貨だな。周辺の国ではシルバーという通貨だったり、プラチナという単位だったりするが、そこはおいおい学べ』
安直だな、という突っ込みを内心入れながら秀雄は理解したと頷く。
『それからステータス画面。これはステータスと念じると視界に現れる。本人にしかステータスは見ることが出来ない』
ここら辺は異世界トリップの小説と似ている。これは戸惑わないで済む、と秀雄は感じた。
『ではステータスを見るといい』
ステータスと念じる。
ヒデオ・フジタ 性別;男 種族:人間
LV:1/100 職業:ニート
経験値:0P
次のレベルまで:10P
HP:30/30
MP:30/30
SP:10/10
筋力:10
体力:20
早さ:3
賢さ:3
幸運:3
魔力:1
補正:肥満
魔法:『髪の毛は友達』
技能:台バン 床ドン 壁ドン 貧乏ゆすり 高速移動
秀雄は呆然とした。
なんだこれ。
異世界チートものじゃなかったのか。あまりに酷いと思った。
『ハーッハッハッハッ! お前のその顔を見れただけで連れてきた甲斐があったというものだ! 後は適当に過ごせ! 生温かく見守っているぞ! あ、それから魔法の『髪の毛は友達』は頭部に友達が少ないお前へのささやかなプレゼントだ! 有難く受け取っておけ! ではさらばだ!』
なんだこれ。なんだこれ。なんだこれ。
頭の中でフレーズがぐるぐると回る。目まいがした。ちょっと吐き気がしたので草原でうずくまる。
十分程そうしていただろうか。
秀雄は気分が落ち着いてきたのか、ようやく現状を整理し始めた。
「くっそー。チートじゃないのかよ。全く腹が立つ」
ぶつぶつと独り言を呟きながら皮の装備品を身につける。魔法の効果があるようで、秀雄のぽっこりでたお腹にもジャストサイズで鎧をまとう事が出来た。
「でもこの辺は流石異世界。服なんて地球じゃカジュアルしかなかったもんなぁ」
他の装備品も装備した。
それからライフオーブ、スキルオーブ、マジックオーブを順に使う。
ライフオーブを使用した。
最大HPが5増えた!
スキルオーブを使用した。
レアスキル 自動LVUP(素数)を得た! 最大SPが5増えた!
マジックオーブを使用した。
レア魔法 『タイム』を得た! 最大MPが5増えた!
さて、いろいろ整理してみよう。
まずは補正の肥満からだ。
肥満
敏捷 -50%
体力 -10%
外見 -75%
HP自動回復のスピード減少
ノックバック:されにくい
これは酷い。
いや、まあ納得できなくはない。
しかし、あえて言おう。
これは酷い。
スキルを見てみよう。
自動LVUP(素数) 次の素数までレベルが自動的に上がります。1レベル上がる毎にSPが5消費。
壁ドン 壁を叩いて威嚇します。 消費SP1
床ドン 床を叩いて威嚇します。 消費SP1
貧乏ゆすり 足を小刻みに揺らして辺りをガタガタと鳴らします。 消費SP1
高速移動 移動速度アップ 使用中はHPが減少します。
これも酷い。
特に壁ドン、床ドン、貧乏ゆすりってなんだよ。
スキルじゃねえよ。
なんだよ、消費SP1って。どうやって使えばいいんだよ。
むしろ癖でSPを消費するデメリットスキルじゃねえか。
唯一の良心は自動LVUP(素数)か。
100までの間に素数(自然数のうち、割り切れる自然数が2つしかない数)は25?しかないはずだ。レベルが素数になるまで自動でレベルアップしてくれる優れものらしい。
このスキルを選ぶと装備?(はい/いいえ)と現れた。
はいをえらんで装備してみる。
ピンピロリン♪と効果音が聞こえた。
レベルが2になったようだ。
LV:2/100 職業:ニート
経験値:0P
次のレベルまで:10P
HP:30/36
MP:30/36
SP:10/16
筋力:11
体力:21
早さ:4
賢さ:4
幸運:3
魔力:2
補正:肥満
魔法:『髪の毛は友達』 タイム
技能:台バン 床ドン 壁ドン 貧乏ゆすり 高速移動 自動LVUP(素数)
強化ポイント:1
これだけが唯一のチートっぽい奴だ。
後はデメリットばっかじゃねえか。
これで頑張れはないだろう。
秀雄は何度目か分からない溜息を洩らした。
●初めての戦闘
「うおっ!」
秀雄は身をよじって突進してくる兎をかわした。
兎といっても頭には2本の角が生えている。刺さったら痛いはずだ。というか腹が破けて内臓がこんにちは♪するかもしれないレベルだ。
受けるのは得策ではない。
5度目の突進を回避しながら秀雄は手に持つ剣で兎をポコンと叩いた。
痛がる兎。
秀雄は近寄って更に兎を滅多打ちにした。
やらねばこっちがやられる。
鋭い角に注意しながら兎を無心に剣でつついた。
「こいつめ! こいつめ!」
日本なら動物虐待でクレームがきそうである。
しかしここは日本から物理的に移動不可能な異世界。そんな心配は秀雄には皆無であった。
しばらく叩き続けて、ぐさっと剣の刃が突き刺った。兎はぐったりとして息絶えた。
ピンピロリン♪ レベル3に上がったようだ。
「よし、本日3匹目の獲物を上手に狩れました!」
秀雄は兎の死体を掴んでそばに置いておいた2匹分の兎の死体に重ねる。
無限の袋に放り込んだら袋が血まみれになるんではないかと不安になったので、兎の死体はそのままにしてある。
定番だとこういうのは血が漏れたりしないのだが、この世界は微妙に秀雄に優しくない。
いきなりもらった袋を血まみれにするか、それとも兎三匹を持って歩くか。
そろそろ決断しなくてはならない。
結構死体が重いのだ。持って歩くのは少々辛い。
「……うーん。血まみれは我慢しよう! 一匹だけ入れて実験だ!」
秀雄は兎を無限の袋に放り込んだ。
血は滴ってこない。
しばらくそのままにして兎を取り出す。まだ生温かい。さて、血はどうなっているのか。
外見上は血が漏れてきた様子はない。
袋を逆さにしても血が漏れてこない。
手を袋に突っ込んでも、やはり濡れている事はない。
「……問題なし!」
秀雄はそう結論づけて三匹の死体を袋に放り込んだ。
近くの街らしき物の壁は見えている。あそこに行ったら売れるかな?なんて考えながらやや速足で秀雄は門へ向かった。
●初めての街
門番が暇そうに欠伸をしている。
手に持つ槍は結構尖っていて、皮の鎧くらいなら突き破りそうだった。
40過ぎのおっさんで、体を金属製の防具で覆っている。おっさんに喧嘩を売ったら間違いなくぼこぼこにされる。
秀雄はそんな考えをしながら門番に近寄った。
「すみません。街に入りたいのですが」
「なんだ小僧。……しかし見るからに太っているがお前は旅の者か? 変わっているな、その体型で旅は辛かろうに」
余計なお世話だと思いつつ秀雄は黙っていた。
彼に逆らったところで状況は好転しないのがわかっていたからだ。
「はあ。ところで俺は街に入れるんでしょうか」
「ああ。問題ない。お前は体も心も弱そうだし。俺なら3秒でお前を殺す自信がある。盗みをしたり騒ぎを起こさないことだな」
ぶるっと秀雄は身を竦ませた。余計な手間がないのはいいことだが、殺すのが前提か。
「問題ないと思います」
「じゃあ通れ」
門番は眠そうにしながら秀雄を街に入れる許可を出した。
街の中は広い。街をぐるりと囲む壁は終わりが見えなかったし、道路も広い。もっと埃塗れで汚物が多い街を予想していたのだが、意外にもそんなことはなかった。
「まずは宿だな。それから冒険者ギルドによるのが定番だったはず。俺もそれに倣うとするか」
宿屋は中央の噴水近くに五軒、町外れに六軒ある。
そのうち治安がいいという噴水側の宿に泊まることにした。
今チンピラに囲まれたら問答無用でボコボコにされるビジョンしか見えない。
宿屋を取ると冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドには依頼とならず者が集まる。
依頼を幾つかこなして金を稼ぎながらレベルアップを図るのが王道展開である。
冒険者ギルドの扉から中の様子を窺う。
筋肉ムキムキの禿げ頭が若い男性を殴り飛ばしたところだった。
しかもその男性がちらりとこっちを見て『ああ? 見せ者じゃねぇよ』といった感じに睨むので秀雄は腰が引けていた。
「うん。無理」
秀雄はにっこり笑ってギルドを後にした。少なくとも、彼らに交じって違和感がないレベルにまで身を鍛えないといけないだろう。
となると、レベルアップには兎を狩らないといけない。
食事は一食大体8Gから10G。宿屋は一日50G取られる。
手持ちは約3000Gあるから、資金が尽きる前にレベルアップしてギルドに入れるようになろう。
そう決意して秀雄は街の外へと歩を進めた。
5時間後。夕方になる頃には秀雄はレベル5まで上がっていた。
レベル4は自動で飛ばせるので楽だ。
LV:5/100 職業:ニート
経験値:0P
次のレベルまで:30P
HP:30/35
MP:30/35
SP:10/19
筋力:15
体力:25
早さ:7
賢さ:7
幸運:3
魔力:7
補正:肥満
魔法:『髪の毛は友達』 タイム
技能:台バン 床ドン 壁ドン 貧乏ゆすり 高速移動
強化ポイント:4
兎は新たに5匹仕留め、無限の袋に仕舞ってある。
どこかで兎を卸せるといいのだが。冒険者ギルドなら何か知っているかもしれないな。
もう少し強くなったら行くとしよう。
●二週間後
この世界に来てから既に二週間が経った。秀雄は今日も今日とてせっせと兎狩りにいそしんでいる。最近は兎だけでなく、でかい蟻も倒せるようになった。蟻の大きさはなんと50センチもある。気持ち悪いと思ったが、剣でべちべち叩いた後突き刺すと死亡した。
無限の袋の中にも10匹程蟻の死体が入っている。
「二週間も健康的な生活をしていると、少し痩せてきた気がするな」
実際それは秀雄の気のせいではなかった。
初めの数日程お菓子やコーラのない禁断症状に苦しんだものの、お菓子やコーラを断って一日中運動をしているのだ。
これで痩せないわけがない。
かくして現在の秀雄は肥満補正から軽肥満補正に切り替わっている。お陰で敏捷や体力のマイナス補正が軽くなり、より兎や蟻を時間を掛けずに殺せるようになった。
しかし残金約500G。
金を出すだけ出して収入がないのだから当然の結果だろう。秀雄の食事のペースを考えると3日で無くなる計算だ。
冒険者ギルドに顔を出さないわけにはいかなくなった。
後で後でと先延ばししているうちに二週間も経ってしまったのだ。
そろそろ金を手に入れる算段をつけたいところだ。そろそろ新しい武器も欲しい。
「よし。行こう」
秀雄はそう決めて宿屋を出て、冒険者ギルドへ向かった。
二度目の冒険者ギルド。
一回目は雰囲気に負けて扉をくぐらず帰ってしまったが、今度はそうも言ってられない。
秀雄のレベルは現在11だ。
そろそろ兎や蟻では経験値が足りなくなってきている。
LV:11/100 職業:ニート
経験値:15P
次のレベルまで:365P
HP:30/47
MP:30/56
SP:10/55
筋力:23
体力:29
早さ:10
賢さ:10
幸運:6
魔力:19
補正:軽肥満
魔法:『髪の毛は友達』 タイム
技能:台バン 床ドン 壁ドン 貧乏ゆすりL2 高速移動 自動LVUP(素数)
といった感じだ。
『髪の毛は友達』という魔法を唱えたところ、秀雄の友達がぐんぐん増えた。今ではふさふさである。
ナイス魔法!と秀雄が水に映り込んだ自分を見て喜んだのは内緒だ。
ちなみに貧乏ゆすりのL2とはレベル2の略である。
貧乏ゆすりの癖は直らなかったのか、貧乏ゆすりを繰り返しているうちに習熟度があがってレベルがピンピロリン♪とあがったのである。
技能のレベルは技能の自動レベルアップは有効にならないようである。
秀雄が習熟度を上げないと使い物にならないらしい。
そんな感じで考え事をしながら冒険者ギルドに踏み込む。