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音にのせて  作者: 枝豆
8/15

土曜日の出来事から、2日後。

今日は、月曜日。嫌でも慎と顔を合わせなくてはいけない。

私は、昨日必死で出した言葉を慎に伝えることにした。


「慎、今日部活終わったらちょっと待ってて。」

「おぉ。」


慎が言葉を発した直後、私は鋼に、慎は同じ吹奏楽部のそうに、教室から連れ出され、

私は、トイレの近くまで引っ張られていった。

「今日のお前ら絶対おかしい。土曜日私たちが帰ってから何かあったでしょう??」

また、あの色が浮かんでいた。あの悪がきの色が。


「何も無いよ。それより、何で土曜日は。。」

「嘘をつくな!!絶対何かあったでしょう??ほら、ささっと言いなさい!!」


鋼が興奮してきたのが分かる。いつもより、鼻息が荒い。

それに、喋りも早くなってきている。


「えぇっと、別に何も。。」

「いや、あった。ほら早く!!」


やばい。鋼ににらまれると(?)この恐怖から逃れたくて思わず口が滑りそうになる。

 

もう、ここはあの手で行くか。

「鋼、実はね。」

「うん、うん。」

鋼の嬉しそうな顔、慎ごめん。


「慎からさ、恋の相談を受けて。。。」

「えぇぇぇぇ!!慎は、てっきり。。。」

その後は、言わなくても分かった。たぶん、いや100%、

「さちの事好きなんだと思ってたんだけど!!」

だろう。

鋼の口が動く。

「さちのこと好きって、ずっと思ってたんだけど!!」

あ、惜しい。99%。


「そんな事言われたって、本当にそう言ってたんだって!!俺は、あの子が大好きだって。」

「ってことは、名前も知ってるの??そんな話までしたんだから、もちろん聞き出してるよ  ね。」


もうすぐ、授業が始まる。でも、名前を言うまで私を放してはくれないだろう。

「そんなに、知りたいの??」

鋼は、首を縦に大きく動かす。女の子ってこういう話好きだよな。


「えっとねその子の名前は。」ごめん、本当にごめんね。

鋼の視線が私の唇へと集中している。声が音が、目で見えるかのように。


「那智」あぁ、言ってしまった。声に出して。音と共に。

「マジ!!?身の程を知れ慎!!」

鋼の目が、きらきらしている。

やばい、もっといろいろ聞いてくる目だ、これは。


キーンコーン・カーンコーン


「あ、もう授業始まっちゃうし、行こうさち。」

何とか切り抜けられた。助かった。

「ねぇ、さち」鋼が言う。

「慎の恋、応援してあげようね」



そのとき、私は、なんともいえない感情に襲われた。

今、鋼の前で「慎は、私が好きなの!!」と叫びたくなった。



私は、数学の授業中ずっと考えていた。その感情にピッタシな言葉を。





「やきもち」「嫉妬」

こんな言葉が頭の中を駆け巡る。




私はとんでもない失敗を起こしたことに、まだ気付いていなかった。

感想を下さった方、ありがとうございます。

「音にのせて」最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

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