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音にのせて  作者: 枝豆
12/15

鋼、女の子になる

「音にのせて」の鋼の物語です。

恋愛ですが、笑いの要素も含んでいます。

私の名前は、鋼。


ある田舎の中学校に通う中学1年生だ。


私の、友達は今青春真っ只中だ。

さちも那智も、好きな人がいる。

さちは、たぶん両思い。(本人は何も言ってこないが)

那智は、片思い。(私はたぶん失恋すると思うが。。。)


さちが、何も言ってこないのは友達として少し悲しかったが、今日嘘をつかれないでよかったと思う。


ただ、さちに言ってあげよう。

嘘はつくなと。   すぐに嘘ついていることばれてしまうから。






「やっぱし?さち嘘ついてたんだ。」

「・・・いつの間に人の心呼んでるんだよ!!」


背後にいたのは、草野くさの そう

中学校に入り、何でも気軽に話せる唯一の男の子だ。




そんな彼にも言えないことがある。


それは、男らしい私に好きな人がいると言うこと。

それが、君だということ。



那智は可愛い。お嬢様のような女のコ。

さちも可愛い。自分で気付いていないが内面から美しさがにじみ出ている。


私は???



とても、可愛いとはいえない。筋肉が二の腕につき、誰にも言っていないが腹筋も割れていたりする。

髪も短く、寝癖がついてたままのことがよくある。

しかも、朝は眼が究極的に垂れて、垂直になっている。

まったく困ったものだ。

これでは全く、パンダではないか。

そのうち、フサフサとした毛が生えてきそうな勢いだ。


とよく人に言われる。だがこんな動物のような私でも恋をするのだ。

私はこのことを誰にも言っていない。

もちろん、さちにも那智にも。

言えるわけがない。普段、あんなに男っぽくしている手前、今更こんな乙女チックなことが言えるはずがない。

さちや那智を信用していないわけではないが、言ったらやっぱりお前も女だったんだな、という微笑みを浮かべられそうで・・・。

そんな顔を向けられては、恥ずかしくて死んでしまいそうだ。

顔から火がでるどころではない。

その火で、山火事を起こせる、と思う。

まぁ、現実逃避はこれぐらいにして・・・。

とにかく私は双が好きなのだ。

これは紛れもない事実。

うわ・・・自分で言っといて死ぬほど恥ずかしい。

それにプラスして、あまりのキモさに吐き気がしてきた。

いつから私はこんなに乙女チックになってしまったのだろうか・・・。

というか、いつの間にか私の性格はコメディアンっぽくなっている。

一応、これでも頭を良い方なのに・・・。

私はこのまま進学校に駒を進めることができるのか・・・。

というぼやきは置いといて、私がなぜ双を好きになったのか。

その理由は・・・。


ありがちだが、入学式の日に学校の中で道に迷ってしまった私を

なんだかんだ言いながら、体育館まで案内してくれた。


双は、顔はかっこいいとはいえないが、私にはクラスの誰よりもかっこよく見える。




・・・・・・・。



・・・・・。


私は、どうかなってしまったのだろうか??

こんな言葉が、出てきてしまうなんて。。。。

一回精神科に行ったほうがいいのかもしれない。





「・・・お前何百面相してるわけ??」


「えっ、いやいやいやいや。」

「お前って、天然??」

「いやいやいや。・・・んなわけあるかぁぁぁ!!!」

私の強烈な左フックが双のボディに炸裂した。



双が、数メートル先までぶっ飛んだ。一応手加減したつもりだったんだけど。。。


こんな私に彼氏なんかできるのだろうか???



いやいや、どう考えても無理だ。

まだ可能性がある子なら、今すぐ双に駆け寄って、

「大丈夫?」

ぐらい言うだろう。

だが、私の頭には端からそんな考えが浮かんでこない。

この時点で私はもう終わっている。



「いってぇぇぇな。お前、こんなか弱い俺になに強烈なフック食らわしてるんだよ」

「・・・・。」

「おい。何本気で落ち込んでるんだよ。お前らしくねぇよ。」

「悪かったなぁ。どうせこんな私には彼氏なんかできねぇよ。」

「んなわけねぇだろ。・・・そんなわけないよ。」

「はっ?お前何言ってるんだよ。お前が一番私の性格知ってるだろ?」

「うん、知ってるよ。男勝りで、大雑把。力なんか男の俺よりあるし。。。」

やっぱり、双も私のことそんな風に思っていたんだ。

「でも、誰も見ていないところで楽器の練習がんばっている姿とか、友達の相談に親身になって聞いてあげるところとか、誰よりも優しいところとか、可愛いところとか。俺は、お前が気付いていない、女の子らしいところを沢山知ってる。」


双は、いきなり何を言い出すの?こんな私が可愛いとか親ばかな私の親しか言わない言葉。

最近は、「可愛い」よりも「かっこいい」が増えてきたのに。


「鋼」

双の今まで見たことのない真剣な顔。

私の思考は停止している。

双の顔が、今までにないほど近づいてくる。

端と端が触れ合うほどの近さに大好きな双の顔がある。


「鋼、俺はお前が好きだ。お前を誰にも渡したくない。」


双、ソレはいいすぎだ。何をいきなり言い出すんだ。

ウザイよ。キモイよ。ありえないよ。

でも、そうは思っていても顔はほころんでしまう。

だって、アナタガチュキダカラ。

すいません。かみました。改めて

あなたが好きだから。



「鋼は、俺のこと好き?嫌い??」

そんな、双に向かって言えるわけないじゃない。

私は、真正面にある双の顔を見た。顔が真っ赤だ。

その顔を見ていると、

「私も、双が好き。。。」

思わず口をついて出てしまった。

一気に、双の体が私の体に近づく。

「マジ!!??本当に??」

「うん。。。。。。チュキ」

「チュキ?」

「いやいやいやいやいや、なんでもないし。」

「俺聞きたいなぁ。その言葉」

「はぁ?言えるわけないだろう。恥ずかしくて死ぬ。」

「そこを何とか。お前の口からもう一回聞きたい。」

「・・・・・・好き。」

「鋼ぇぇぇ。お前、可愛すぎ。」


双、お前の目はとうとう腐ってしまったんだな。


「そんなわけないだろ。俺の視力は2.0だ。」


またこいつは、私の心を。。。


(こいつに、キスしたい)


「・・・双口は嫌だ。」

「は?俺何も言ってない。」


「・・・」


私は、顔が真っ赤になっていった。


私を抱きしめる力が強くなる。

今、こんな風に抱きしめられて気付いたが、双は私より身長が高かった。


私は、いつの間にか目を閉じていた。

おでこに、温かい感触。

私がびっくりして目を開ける。

そこには、双の真剣な顔。

どんどん、近づいてくる。

時間にして、数秒。

いつの間にか、私の唇に双の唇が。。。

長かったような気がした。

でも、本当は一瞬で。。。


これが私の初めてのキス。



大好きな、大好きな彼氏・双との物語の1ページ。



私も、とうとう彼氏ができた。

誰よりも、誰よりも大好きな人が。


双と鋼の物語はまた今度。。。




いかがだったでしょうか??

これは、ある人との合同作品です。

笑いの部分は、一緒に考えました。

いつかまた、合作をしたいです。

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