ミラクルKの始まり。
5月2日
「おいおい、本当か?やっぱり夢を見ているんじゃないか?」
「夢じゃねぇよ、変人会長。」
現在地、千葉県シーブルーフィールド。
千葉県内最大のフィールドで観客収容人数は3万人を誇る大型施設。
この日千葉県内の有名高校が集まりあるイベントに備えていた。
『千葉県開催招待試合』
毎年全国各地ののスピリットアーマー協会が開催し、他の都道府県の強豪校を呼び試合をすると言うもの。
今年の千葉県は全国出場の木更津法令が招待され他県に行っている間千葉には全国常連の3校が逆に訪れた。
夏の全国高校SA選手権ベスト16、冬に開催される全国企業スポンサー杯、ベスト4。
愛知県の名門、翠斗学園。
選手権、スポンサー杯連続出場。
秋田の魂、真山農業。
選手権、スポンサー杯共にベスト8。
沖縄の絶対王者、覇連大付属。
通常、鴻山総合学院ぐらいの成績では参加できないイベントではあるが木更津法令の遠征、そして急に参加できる高校が居ない事を理由にコーチである神田が申し込んだ結果、なんと試合が組まれたのである。
「あれは翠斗学園のエース、奈良島!去年のスポンサー杯で2年生ながら大活躍したU−18強化選手!
それにあそこに居るのは秋田の鉄壁、能登!すごい!本物だ!」
部員全員が緊張する中1人だけ、興奮気味の真鍋。
それもそのはず真鍋は重度のSAオタクであり、目の前にいるのはいずれもテレビの中の存在だからだ。
「さーて、作戦を伝えるぞ。」
控え室に入った選手達に至って冷静に神田は告げる。
今回、鴻山総合学院が相手するのは覇連大付属高等学校。
選手全員が銃火器のSAを使用し圧倒的な破壊力と撃破力、制圧力で潰しにかかる高校である。
さらに個人個人も能力が高く、特にエースの我那覇は二丁拳銃を巧みに扱い個人部門でも全国出場を果たしている。
対する鴻山総合学院は部員6名、さらには個人レベルも少しは上がっているが到底太刀打ちできるものではない。
神田は作戦詳細を全員に伝えると、最後にこう言った。
「ま、勝てるだなんて思っていないさ。でもこんな機会はもう来ない。でも最初からやらないのは違うよな?
今回は自分たちと名門との差を痛感してこい!そして…何人か倒してこい。」
神田と部員達は笑顔、それも悪い笑顔を浮かべた。
時刻が過ぎ鴻山総合学院の出番が来る。
第三試合、しかも無名校相手だからか観客は少ない。
沖縄・覇連大付属高等学校ー鴻山総合学院高等学校・千葉
10ー6
「それでは両校の選手はゲートに入ってください。」
リング上の装置に選手が続々と入っていく。
いよいよ試合が始まる。