五十一雨
「(・・・・・)」
"ザアアアアアアアアアアァァァァ....
【征四郎は、私には興味が無いんでしょ-------】
「(・・・・・)」
"ザアアアアアアアアァァァァァ.....
【あなたはここで尚佐を見て、
"御代"の事を思い出した------】
「("御代"------....)」
ウェアの窓辺に立ち、征四郎は
外に降る雨を眺めていた視線を、
部屋の中へと戻す-------
"スウウウウウウウゥゥゥゥ....
「("雅".....)」
【違う----? 征四郎・・・?】
「(関心が無い、か....)」
"スウウゥゥゥ...
部屋の隅で寝息を立てている雅を見ながら、
征四郎はカディアでの出来事を思い返す------
【螺旋の先は別の夢への"扉"....】
「(あの男....)」
【・・・・】
「(以前、叶生野荘で会った------...)」
"サングラスの男"
「(・・・あれは、結局叶生野家の執事、
近藤だった訳だが...)」
"スウウウウウゥゥゥ....
「(・・・・)」
目を閉じたまま静かに寝息を立てている
雅を軽く横目で見ながら、何か、
あのカディアの世界にいたサングラスの男が
自分達の御代の事件の時に姿を見せた近藤と
繋がりがあるのでは無いか...?
「(・・・・・)」
"バサッ"
床の上に置かれていた石を手に取ると、
征四郎は再び窓の外に目を向ける
「(いや・・・カディアの中にいた男は、
以前叶生野荘で出会ったサングラスの男、
近藤とはまるで別人だ・・・
特にサングラスをしてるからって、
何かがある訳じゃないだろう・・・)」
"ザアアアアアアアアアァァァァァァ....
「(・・・・)」
雨がそぼ降る中、征四郎は
霧散した様な夢の中で起きた
出来事を思い返す------
「("カディア"------....)」