二十一雨
「(・・・・)」
「Do you know what the sign?
(それが、何の模様か分かるかい?)」
"ザァァァアアアアアアアアア....
少し、雨足が強くなってきたアヤの湖に浮かぶ、
オトゥラヌス奇岩群と呼ばれる
無数の小島の一つにカヌーから降り立った
征四郎は、小島の中央にある
自分の背丈を何倍にもした様な奇妙な形の
岩を見上げる
「(・・・・"♓")」
奇妙な形をした岩肌に目を向けると、
そこには何かはよく分からないが
記号の様な物が描かれているのが見える
「What is this....?
(これは、何だ・・・?)」
「What do you thin this is?
(何だと思う------?)」
「(・・・・)」
ヨプの言葉に、征四郎は目の前に描かれた
細長い、楕円が二つ並んだ様な模様に目を向けるが
それが何なのかはまるで分からない
「This sign is a fish.
(それは、"魚"さ)」
「Fish?
(魚?)」
"ザアアアアアアァァァァァァァ..."
「The one writen on the rock is a იკა(fish)
which is one of the innumerable
Atour characters on this island.
(その、岩に書かれているのは、
იკა(イカ=魚)、でこの島に無数にある
アトゥール文字の一つさ)」
「...what does this mean?
(・・・何の意味があるんだ?)」
目の前の岩肌に書かれている模様を見ながら、
征四郎は後ろにいるヨプの方に振り返る
「----Look around,
(------周りを見てごらん)」
「・・・・?」
「On the other rocks on the side of this island,
♈、☥、☖、⊿、☪、❦...
You can see various letters
written on it,right?
(この島の側にある、他の岩にも
♈、☥、☖、⊿、☪、❦...
色んな文字が書かれているのが
見えるだろう?)」
「(・・・・)」
"ザアアアアアアアァァァァァァァァ...
雨が降りしきる中、征四郎が
今自分が立っている小島の上から
辺りに目を向けると、かなり離れた場所に
いくつもの奇妙な形をした岩が見え
その岩の上に記号の様な、文字の様な
図形が描かれているのが見える
「Does this mean anything...?
(これに、何か意味があるのか...?)」
「----what do you think?
(------どう思う?)」
"カラッ"
「・・・・?」
"カラッ"
"カラッ"
「...what are you doing?
(・・・・何をやってるんだ?)」
「--------....」
"カラッ カララッ!"
「(------さっきの石か...?)」
"カランッ"
「----well,
(------よし、と)」
「・・・・」
征四郎が、ヨプの方を見ると
ヨプは先程洞窟の入り口の辺りで
自分に見せてきた様々な色をした光る石を、
岩の前にある何か、複雑な作りをした
木製の器の様な物に向かって投げ入れている
「Is there any meaning to this...?
(それに、何か、意味があるのか・・・?)」
「----maybe.
(------どうかな)」
"パンッ パンッ"
「Well,this island looks good.
(さ、この島はもういいみたいだよ)」
「what daes "already" mean----?
("もう"ってどういう意味だ----?)」
「I think it's better to tell you
about this Aya lake...
(少し、君にはこのアヤの湖の事を
教えといた方がいいと思ったからね...)」
「・・・・」
「Let's go to the back of the lake.
(湖の奥の方まで行ってみようか)」
「Back?
(奥?)」
「(--------)」
"タッ"
「・・・・・」
"バシャッ バシャッ バシャッ..."
「(・・・・)」
「(あの石には何か意味があるのか...?)」
"バシャッ バシャシャッ!"
「(・・・・・)」
カヌーのオールを漕ぐヨプを見ながら、
征四郎はヨプが脇の辺りに下げている
光る石に目を向ける------
「(・・・・・)」