七月には
七月には
千羽鶴が空へと飛び立ち
天の川の水を飲む
逝ってしまった人たちが川に集まり
七月には地上へ舞い降りる
あなたに会うために
母が折った千羽鶴
少し曲がった指先で丁寧に四つ角を合わせ
頭は誇り高くまっすぐに
羽は形良く広くそして強く
天までの旅はとても長く遠いから
七月には願い事がかなうという
笹竹に託した思いを短冊に
千羽鶴が一つ一つの願い事を咥えて飛び立つ
短冊を天の川に流すと願い事がかなうと
母は鶴を折りながら話してくれた
天の川の水があふれて滴り落ちれば
やわらかな雨になって
緑色の大地に降り注ぐ
永遠に生きる者たちからの贈り物
命の水