爽やかイケメン、実は爆弾魔
「左手も痛いしトーナメント出たくないなー、休もうかな」
「ダメだ。私に勝ったんだからな、ちゃんと出ろ」
「ソフィーに決定権はありません。ぼくが出るか決めます」
ふざけるな、と言うばかりに剣先を向けてきた。
ひー怖い、脅すな、脅すな。
「分かったよ、出るから剣を向けるな」
「最初から出ると言っていればいいものを」
その時爆発音が聞こえた。
爆発音が聞こえたリングに行ってみると、そこには大きなクレーターが出来ていて手を振っている爽やかイケメンがいた。
「強すぎん?勝てないよぼく、あんな化け物に」
「同意だ。私を防げん」
「だれもが防げねーよ」
ソフィーが、えっへんと威張る。そこ威張る所じゃないからね?
「ねーぼくやっぱ出たくないわ、次あいつが敵じゃん」
「だめだ。男に二言はないのだろう」
「そんなわけないだろう、男にだって二言や三言あるよ」
「情けない男だ」
情けなくていいよ、そう思っているとレントが近寄って来た。
「おいおい、まだ残ってたのかもう一回戦は終わってるぞ。次の試験の準備したらどうだ」
「勝ち残ってるわ、それよりお前はどうなんだ」
「俺は三回戦負けだがな、俺には才能がある見てれば技術が身に付くんだよ」
「そーなのかー」
適当に返事を返すと、ムカつきながら離れていった。
才能あっても過信してるやつは強くならないよ。そう思った。
「ひーまーだーなー、かーえーろーうーかーなー」
「暇だろうと帰るな、後トーナメント終わっても試験はまだあるぞ」
「ま、じ、で?」
「まじだ。試験の内容ぐらい確認しろ」
試験長すぎだろ、と思いつつ観戦をしていた。
観戦していると右から声をかけられた。
「君がぼくの次の対戦相手かい?」
爽やかイケメンの爆発魔が声をかえてきた。
ぼくは適当に
「そうですけど」
「そうか、じゃあ、、、、私の為にまけてくれ」
小さい声で、ウインクしながら言って去っていった。そしてぼくは寒気がした。
絶体負けるもんか、そう決めた。
「逃げずに来たのかい、どうせ負けるんだから不戦勝でも良かったんだよ、ぼくは」
「負ける気はないので来たんですから」
「じゃあ君はぼくより強いのかね」
「知りません」
そう言って、ぼくは間合いを詰めた。
どんなけ振っても当たらない。紙一重でかわされるばかりだ。
「君もしかして疲れてる?振り方も素人がちょっと練習したみたいな感じだよ?」
「あ、それは元からだ」
「可哀想に」
「哀れむな」
この言葉と共におもっきり振るがあたらない。こいつは化け物なのだろうか、いや、ぼくが下手なだけですわ。元々剣術もそんなに上手くないぼくは、疲れてと共に振り方が滅茶苦茶になる。
そして蹴りを食らってしまった。
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