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世界樹の守り人  作者: 詩華
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2


「おい、俺の声がわかるか、話せるか?」


上半身を起こした少年はゆっくりと頷く。



「名前は?年は幾つだ?なんでここにいた?どこか痛む所はないか?」


そう矢継ぎ早にかけられた質問に戸惑いながらも答えていく。


「···なまえ···は、わかんない。···とし···は、···?それに···ここ···は、どこ?」


ちょっと身じろぎしながら、

「ん······、ちょっとせなか···、かゆい?」




目覚めて間もない少年は、少し舌足らずな口調で。

歳は大きく見積もって10~12歳、このあどけなさでは7~8歳くらいかもしれない。




(この子の色が原因か···?なんだって、こんな小さな子どもがよりにもよってマルスの森に···!!)


もしかして、と思う。貴族の私生児かなにかかもしれない。この色では様々な思惑が飛び交っただろう。しかし、まだ養育を、庇護を必要とする子どもにこんな仕打ちをするなんて···。



ウィールは心の中で激昂する。




この男、普段はガサツですぐ筋肉に訴える荒々しい男だが、その心根は優しく人情味溢れる熱い漢なのだ。



「···おにいさん···は、だあれ」


真っ白で綺麗な、大きな瞳がウィールを真っ直ぐ見つめる。



「っ、俺はウィールだ、仲間と来たがあいつらがはぐれちまって今は1人だ···」



自分が迷子なのでは、という考えはウィールの中にはない。



「ちょっと背中さわるぞ?」



どこか痛む所はないか、と尋ねながら大きな掌をそっと白い背中に這わせていく。

まるでシルクを触っている感覚である。


何かイケナイことをしている気がしつつも、目視の時点では目立った外傷がないことにホッとしていた。


「···んっ···、くすぐったい······」

ふふっと笑う少年に安心しつつ、話しかける。



「この森···マルスの森の夜は危ない。起きたばっかで悪いが、ん?どうした」



話している途中、木を背にこちらを見る少年の顔が一気に青褪めていく。



「う···、うしろ···っ」



震える声に示された先に、そいつはいた。





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