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52話 忍び寄る影

PC無事?なんとか復活しました。

 


「ユウ、最近少しおかしな連中が潜り込んでおります」


 翌朝いつもの鍛錬を終えてコアルームで紅茶を嗜んでいるとセバスがそう言ってきた。


「おかしな連中だって?なにがだ?」



「は、MAPで見ますと普通黄色の光点なのですが今は赤い光点の者が徐々に増えてきております」


 このダンジョンに敵意を持つ者が赤い光点で表わされるのだ。


 試練の館の階層なら赤い光点なのも納得できるのだが、でも地上層ではダンジョンとは知られてないので敵意を向けると言ってもどこに向けているのか?



 MAPを確認して見る。確かに赤い光点が30~40ほど見受けられた。



「これはどういう事だ?ここはダンジョンとは思われていないはずだが、誰か漏らしたということか?」


「いえ、ダンジョンだと知っている者はガーシュ、アイシャ、ジョシュ、エブリンダ、ルーリ、それとドミニク達4名の9名のみです。奴隷契約として秘密を話す事が出来ない様になっておりますのでそこから漏れるということはないでしょう」


「ルーリは奴隷から外してあるが?」


「それでも可能性は低いと思われます」


「あいつがうっかり漏らすって可能性はないか?」


「ありえる事ではございますが、今回はダンジョンと言うよりもこの町に敵意を持ってるとお考えの方が合っているのではと思われます」


「この町に敵意か。なるほど。それをコアがくみ取ってこの表示になっているというわけだな」


「はい、その方が考えとしては自然かと思われます」



 この町を潰そうとか壊そうという気持ちが敵意として表れているということか。



 赤い光点をしている人物を鑑定してみる




 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△



【NAME】ガルフ

【CLASS】人族


【LV】60/100

【HP】5467/5467

【MP】3875/3875


【STR】311

【VIT】235

【INT】249

【AGI】188

【DEX】212

【LUC】57


 スキル

 剣術   Lv4

 槍術   Lv2

 身体強化 Lv3


 グランエント王国軍・兵卒



 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△




 兵隊さんね。モニターで見ると格好は探索者っぽくしているが鑑定さんまでは欺けないようだ。


 しかし鑑定さん相手の目的まで鑑定してくれたらいいのにな。


 破壊工作なのかただの偵察なのか、それだけでも分かると仕事がしやすくなるのに。




 ちょこちょこと鑑定を進めていたら部隊長なる人物を発見



 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△



【NAME】スペード

【CLASS】人族


【LV】70/100

【HP】9595/9595

【MP】6784/6784


【STR】557

【VIT】402

【INT】446

【AGI】322

【DEX】362

【LUC】105


 スキル

 剣術   Lv6

 身体強化 Lv5

 統率   Lv4

 光魔法  Lv2




 グランエント王国軍・部隊長



 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△



 ほう、Lvが10違うだけでステータスの開きが凄い大きいな。



「セバス、人間もLv50を越えるとステータスの伸びが良くなるのか?」


「はい、そのように認識しております」



 やはりか。ってことは人間も100近くなるとバケモノ扱いだな。



「セバス、隠密フェアリーのリーダーを呼んでくれ」


「かしこまりました」



 しばらくするとフェアリーが5体現れる。あ、リーダー5人もいたのか。


 驚いた事を悟られない様に平静を保ちながら、



「よし お前達に名を与える。サクラ、クレナイ、アヤメ、モミジ、カエデだ。今からお前達に任務を与える。今この町に敵意ある人間どもが増えつつある。


 その人間達を注意深く見張れ。スキルと武器を与えよう。」


 そう言って隠密Lv10と(鍛冶と魔道具作成で作った)フェアリー用強麻痺武器を与えた。



「お前達リーダーはこの4人を見張れ。こいつらは部隊長だけあってLvが高い。くれぐれも気を抜いて見つかったりするなよ。」



 敵の指揮官4人スペード・クローバー・ダイヤ・ハート達の顔をモニターで確認させる。


 フェアリー達の身体は20~30cmだし、隠密の他に透明になれるスキルもあるため見つかる心配はしていないが気配察知などがあったら分からない。



 報告は緊急以外はセバスにするようにしてある。


 会話などはモニターから確認できるが、そう何時間も張り付いているわけにもいかない(面倒くさい)。




 あとは隠密部隊にお任せしよう。







 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 ――――VIPルーム 1



「この街マジですごいな」


「ああ、王都で働いてるのが馬鹿らしくなる」


「来たばかりだが昨日今日で銀貨6枚も稼いだぜ。このままいけば1ヶ月で大銀貨9枚だ。俺の給金の倍近くだぜ?こき使われる兵隊なんぞやめてここで暮らそうかな」


「その気持ちも分からんではないがやめておけ。いつか俺達がこき使う立場にもなれるんだ。あとほんの少しの我慢さ、スペード」


「そうは言ってもよ、クローバー。今回だって嫌がらせしてこいとか国王軍の仕事じゃないだろ」



 そうなのだ、王国軍と言えど俺達の仕事は王都の警備や盗賊退治、地方の反乱やスタンピードが起きた時の対策と多岐にわたる。


 部隊長になってようやく楽が出来るかと思いきや、これがまた逆だった。


 部下の統率に命令、上司からの無茶ぶりに嫌がらせなど酷いものだ。ましてや今回は勇者の町の嫌がらせときた。



「この町が出来てから王都では人が減ったとの噂だからな。事実減っているんだが、それが面白くない貴族がいるらしい。それで今回の指令が出たって話だ」


「だがよ、クローバー。この町を少し見たが子供達はちゃんと飯食ってるし勉強もしてる。遊んでる大人も多いが農地や牧場で働いてる大人だっているんだ。王都から転移ですぐだし良い保養地になってるじゃないか。」


「うむ、それを貴族や王族が狙っているらしい。この町を根こそぎ奪うとか聞こえてきた」


「は?そんなの無理だろ。勇者の町だぞ?」


「そうは言っても相手は勇者とその側近だけだ。だから上の連中は数で潰そうと考えてたってわけだ」


「やだやだ。俺は今回は気乗りしないから後ろに居るわ。クローバーお前は?」


「ああ、俺も今回ばかりは上が間違ってると思う。が、命令されたら従わないわけにはいかんからな」


「そうだなぁ・・・しかしハートとダイヤが今回ノリノリだったのはそういう訳か」


「ああ、あいつらの直属上官がヘノン子爵と仲良いからな。いろいろと便宜を図ってもらえたんじゃないの?」


「はぁ。ああいうやつらが先に偉くなっちゃうんだろうなぁ」


「そういうな。とりあえず屋上の露天風呂行こうぜ」


「ああ、あの景色を見て嫌な気分を忘れようか」





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 ―――――VIPルーム 2



「この町が手に入るかと思うとうずうずしちゃうわね、ダイヤ」


「我々の手に入るわけではないぞハート」


「だけど分け前弾んでもらえるんでしょ?絶対このオイルを毎日貰うわ!」


「確かにこのオイルはなかなか手に入る物ではないな。だが俺はここに居るエルフの女を貰うつもりだぜ」


「エルフなんて人攫いに頼めばいいじゃない」


「一応俺達は王国軍の部隊長だぞ、一応な。だが奴隷をやるのとすました奴をやるんではまた違うのさ」


「趣味悪いわね。バレないようにやりなさいよ?」


「バレたところでエルフの事なんざ誰も問題にしねぇよ、ぎゃははは」


「それもそうね。さてまた露天風呂いってくるわね」


「お前も風呂がお気に入りの様だな?」


「もちろんよ。大体お風呂なんて貴族しか入れないのよ。ここの町がおかしいのよ」


「それは言えてるな。さてじゃあ俺はカジノでも行っていい女探してくるか。嫌がらせしてこいって言うんだから一人や二人攫っても庇ってくれるだろ」


「あんたホント女の敵ね。部下に手を出したらマジで殺すからね?」


「あ、ああ。分かってるよ」



 その細身の体から漏れ出る殺気にダイヤは少しビビっていた。


 ハートは戦闘はそれなりだが仲間を思う気持ちは何より強かった。家族と思っているといっても過言ではない。


 ヘノン子爵に可愛がられていたハートは勇者に子爵が馬鹿にされたと聞いて憤っていたのだ。



「絶対に勇者を潰してこの町を子爵の物にするわ。首を洗って待ってなさい」






いつもお読みいただきありがとうございます。

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m(_ _)m

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