表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

01 転生

 

 何だか暖かい。


 目を開けると、白い光が飛び込んできた。


 ここはどこなのだろうか?私は死んだのではなかったのか?そんな疑問が、頭を駆け巡る。

 何があったのかを必死に考えていると、突然青白く光る球体が現れた。


『やあ』


 次は突然声が響いた。誰かいるとかと周囲を見渡したが、やはりそこには先程の球体しかなかった。


『ここだよここ。君の目の前にいるだろう?』


 目の前と言われても、やはりあの球体しかない。もしかして、目の前の球体さんがそうなのだろうか。


『あはは、球体さんか。そうだね。僕は球体さんだ』


 まるで私の心を読んでいるように球体さんが答える。


『うん。僕は君の事が何でもわかるよ。ここでは僕が神だからね』


 カミ?カミというのは、神の事だろうか?


『そうそう、その神だよ』


 神なんて実在するとは思っていなかったので、私は驚いてしまった。


『大丈夫さ。みんな同じような反応をするから』


 みんな?私以外にも人がいるということだろうか?


『それは違うね。ここは一時的に魂を保管する場所さ。僕は気に入った魂があったらここへ連れ込んできているのさ』


 拉致誘拐?


『違う違う。連れ込むのは死んだ人の魂だけさ。本来は死んだら魂は浄化されて新しい魂にされてしまうんだけど、面白い魂を浄化してしまうのはもったいないだろう?』


 それは、私が面白いということ?私は今まで人に避けられてきたから、そんなことはないと思うけど。


『いいや、君は面白いよ。

 そこで提案だ。僕なら君の魂を浄化せずに転生させることが出来るんだけど、転生したくはないかな?』


 別にいいです。私はもう辛いのは嫌だから。


『そう言うと思ったよ。

 普通は転生させてあげるだけなんだけどね。君は特に面白いから、特別に特典をあげよう』


 特典?


『うん。何でも一つ、好きな力をあげるよ。転生先は僕が管理する世界に行ってもらうけどね』


 地球じゃないの?


『ああ。地球じゃないさ。だから、君が辛い思いをすることももうない』


 本当に?


『本当さ。いざとなったら僕が君の事を助けてあげられるしね』


 そこはどんな世界なの?


『剣と魔法。スキルとレベルの世界さ。君の好きなゲームみたいなもんだろう?』


 確かに、私は一人でいる時間が多かったのでゲームにはお世話になった。でも、そんなことまで知られてるなんて…ストーカー?


『酷い言われようだね…でも、心が揺れてるのが僕にはバレバレだよ』


 そ、そんなことない。


『強がらなくてもいいんだよ。

 もちろん君には色々と特別な力を与えるつもりさ。君は特に面白いからね』


 それは例えば、どんな?


『そうだね。今はもう失われてしまったスキルとか、強い装備なんかでもいいよ。

 それとは別に、便利なスキルとかはタダであげよう。すぐに死なれても困るしね』


 それじゃあ例えば、人の心を読む…なんていうスキルは?


『君は正直だね。

 ……うん。いいよ。それも面白そうだ』


 本当に?


『ああ。読心術っていう、相手の心を読むスキルがある。ただ注意しなければならないのは、妨害系のスキルを持っている相手だと、読みにくかったり読めなかったりするけどね』


 それは、どのくらいいるの?


『かなり珍しいさ。強い人はだいたい皆持っているけど、普通は持ってないよ』


 じゃあ、それがいい。


『それじゃあ、契約成立だね。姿や年齢は面倒だから元の姿でいいかな?帰ることも出来るけど』


 じゃあ、14歳の頃の私にして欲しい。


『14?たった3歳しか変わらないけど?』


 うん。14がいい。


『そうかい。じゃあ適当な森に転送するから、後は自分で頑張るんだよ。

 まあ、いざとなったら僕が助けに行くけどね』


 わかった。



 私が返事をしたのを最後に、目の前が真っ暗になり、抗えない眠気が襲ってきた。

 私は現実離れした先程までのことにほうけながら、意識を手放したのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ