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00 死亡

おっすおっす!き○りだにぃ!今日はぁ、みんながハピハピになれるお話を考えてきたからぁ、読んでみて欲しいにぃ!うきゃー!(ごめんなさい)

 



 私は何を間違えたのだろうか?



 自分の腹から流れ出ていく血を見ながら、私は───




 私は昔から、『人の心がわからない』とよく言われていた。

 私が良かれと思ってやることなすことが、全て空回る。何をしても怒られ、悪者は常に私だった。

 それでも、私は諦めなかった。諦めたくなかった。諦めたら、大切な何かを失ってしまう気がしたのだ。

 他人のために色んな事をした。いつの日か、私の想いが伝わると信じていた。

 周りは私を気味悪がって、どんどん遠ざかっていった。そんな中、一人の女の人が私に手を差し伸べてくれた。

 やっと想いが通じた。この人は絶対大切にしよう。そう思って、私は彼女に付き纏った。

 私は盲目的に彼女を追い続けた。私には彼女しか居なかったのだ。

 彼女も私を拒むことは無かった。私は自分が必要とされていると思って嬉しかった。


 しかし、それは彼女の優しさだった。


 ある日を境に、彼女は私を避けるようになった。私には彼女が私を避ける理由がわからずに、困惑した。

 困惑した私は、彼女を追い続けた。何より、私には彼女しか居なかったのだ。


 そして今日。私は彼女に呼び出された。場所は近所の公園。時間は夜。人々は活動をやめ、耳に届くのは虫の鳴き声ばかりだった。

 私は目を瞑り、耳を澄ませて虫の鳴き声を聴いた。いつもは美しく聴こえる鳴き声が、今日はどこか悲鳴のような音を奏でていた。


「こんばんわ。久美くみさん」


 虫の悲鳴が鳴りやんだ。その声が私の脳にこびりつき、私の耳はメトロノームのように悪夢の音を繰り返した。

 金縛りにあったかのように身体が動かなくなる。かつて聞いたことのないその声音に、私は底知れぬ恐怖心を抱いていた。


「どうしたの?こっちを向いてよ」


 本能が逆らうなと警笛を鳴らす。しかし、思考も身体も痺れたように動かない。

 全身から嫌な汗が噴き出し、唾も飲み込めないほどに喉は乾き切っていた。


「ねぇ、聞いてるの?」


 その声を聞く度に、まるで耳から電流が流れてくるかのように身体が強張こわばる。脳内には警笛が鳴り響く。振り向かなければと震える膝を無理やり動かした。そして、振り向いた先には彼女が立っていた。

 彼女はどこか不気味な笑顔を浮かべていたが、目だけは虚無を放っていた。


「貴方が悪いのよ」


 そう言って彼女はこちらへ近づいてきた。その目は絶対に逃がすまいと私を射抜き、右手にはどこの家庭にもあるような包丁が握られていた。

 その包丁を見た瞬間、私はこんな非日常的な光景とどこにでもあるような包丁が酷く似合っていることに、どこか矛盾を感じて笑みを浮かべた。


「何がおかしいの?」


 彼女が足を止め、私に問う。その顔は相変わらず、どこか笑っているようで凍りついていた。

 気がつくと先程までの緊張が解けており、私は悪夢から覚めたような気分になった。


「いつもその包丁で料理しているんですか?」


 私の言葉に、彼女は表情を曇らせた。

 どこか悲しげな目をした彼女は、再び歩き出し、私の目の前で立ち止まった。


「この包丁は、貴方を殺すために買ったのよ」


 その言葉を聞いて、私は落胆した。その包丁も特別なものだったのか─と。

 そんな私を見て、彼女は更に表情を曇らせる。


「ごめんなさい。もう、わからないのは嫌なの」


 そう言って彼女が包丁を構えた。

 彼女が何がわからないのかはわからなかったが、彼女が私を殺そうとしていることはわかった。


「そう」


 私の返事を聞くと、彼女は包丁を突き出した。

 私はこれから死ぬ。それは、彼女が私を殺したいと思っているからだ。彼女が私を殺せなくても、私は死ぬのだ。

 私は彼女に感謝していた。彼女といる間は、紛れもなく楽しいものだったから。

 だから、私は何が悪かったのかはわからないが、今すべきことはわかる。


「……っ」


 彼女が息を呑む音が聞こえる。

 私は、心臓の目の前まで迫った包丁を握って阻止した。手に激痛が走るが、今はそんなことはどうでもよかった。

 強張る彼女の手から包丁を奪い取ると、彼女は一歩下がった。

 その様子が先程までの状況と正反対で、私はまた笑みを浮かべた。


「や、やめて…」


 彼女が弱々しくそう叫ぶ。彼女が何をやめて欲しいのか、私にはわからなかった。

 私は彼女の事が好きだ。私は彼女に依存していた。私を拒まない彼女が天使の様に思えた。私はそれに救われた。私は彼女に感謝はすれど、恨んでなどいないのだ。殺された今でもなお。だから───


「ありがとう」


 私はそう言うと、思いっきり包丁を自分の腹に突き刺した。

 腹に突き刺してから、何故心臓にしなかったのかと疑問を覚えた。

 少しでも長く生きたかったからだろうか?しかし、私はもう死んでいるのに。

 薄れゆく意識の中、ふと別の疑問が浮かぶ。


 彼女は何故私に優しくしてくれたのだろうか?


 少し考えてみたが、やっぱり私には何もわからなかった。

 わからなくても、嫌ではなかった。ただ、結局何もわからなかったな。と悲しくなった。


ここまで読んでくださりありがとうございます。

この先の展開まだ何にも考えてないです。勢いだけで書きました。恋愛は絡ませていく予定ですが…

続きを読みたい!って方は是非評価をお願いします。続きを考える&書くモチベをわけてください…!

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