9/33
坂道を転がる
坂道を転がる。
地面は固く、
脆く、
ぬかるんで、
安全だった
問題は壁だった
可哀そうだった
壊れるのがつらかった
犠牲は辛かった
でも許せなかった
だけどやるせなかった
薄っぺらい紙切れ一枚の意見じゃ
どこにも行けないだろう
汽笛は鳴ってもそこに電車はないんだろう
運転手が首を吊った
目的地が反乱を起こす
誰も望まない結果を手に入れるため
太陽は昇り出す
身を焦がすと知っていても
いつか沈むとわかっていても
照らされるのはきっと人じゃない
育つのは植物じゃない
夜が来るなら慈しもうか
回顧を照らう君のように
笑ってるのは誰だろう
知らないと嘯いて
つまらない顔で笑って
此処から離れて話すのが
いつか日常になるのだろう
希望を抱く故に
絶望が必要なんだろう
だから笑う
君も
僕も
もう気がついているんだろう
分かっているのなら
知らないふりをしているのなら
そこで終わっている。
始まっている。