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ラブカは見ていた

 一号機は言語化された修復方法を認識し、その作業手順を元に光ファイバーケーブルの修復にあたった。


「・・・・」


 一号機がケーブルを辿って行くと見事に光ファイバー線がぶった切られている。


 暗闇に向けてヘッドライトを照らすと弧を描いては消えるホタルより大きい物体。


 その正体は。


 三億五千万年前にも居た深海生物。


 ラブカ


 生きた化石と呼ばれる深海ザメ数匹が何かを語り掛けるように目を光らせているようにも見える。


「このファイバー線の切り口が彼らの仕業によるものなのか一号機には判断不能。」


 一号機はケーブルが切断されて接続不能を認識した。


 海上の技術者達は別の光ファイバーケーブルにウェイトを付けて海底へ沈めるが思ったより海流の流れがキツく中々着地点を見いだせない。


 海上では積乱雲の発達に伴い、風が吹き始めて来た模様。


 一号機のバッテリーの心配が現実のものになりつつある。


 キャビンの鈴鹿会長はそんな状況でもワインを口にしながら技術者達からの報告を楽しんでいるようだ・・


 ダブルパンチならぬトリプルパンチを浴びせられたカタチとなった一号機と健二達。


 そして健二達には海底にロボット未来社の無人潜水艇がいる事を知らされていない。


 会長の側近以外は口封じされている。


 海底では一号機の光るスケルトンフェイスに反応してラブカ達が寄って来る。


 一号機はラブカの習性をAI辞書からラーニングして凶暴性のあるサメでは無く巨大ウナギに近い事を認識していた。


 鋭い歯は刃の細かいノコギリを想像させる。


 自分より大きいものは摂食しないし、頭足類の摂食が多い事を認識した一号機。


「彼らは私を襲わない・・なぜならば私は無機質で彼らより大きい。」


 一号機は判断不能の光ファイバー切断面を二次解析で答えを導き出していた・・


「光ファイバー切断面は金属加工品による切断と特定できました・・」


「その画像をスケルトンフェイスディスプレイに拡大して映します・・宜しいですか?」


「All Right ! Please Transfer of Picture Data」


 一号機はAI辞書にある切断面を照合させた。


 一号機のAIは同時に犯人捜しをタスクしていた。


 五感を磨かれていないヒューマノイドは機能的に特化したスーパーコンピューターでもある。


 論理的に物事の計算を瞬時に行う事による結論付けはある意味人間の領域を超えている。


「光ファイバー切断の犯人はマシンと特定しました・・」


「追跡確保システムを作動させますか?」


「Roger !」


 一号機はまずターゲットの熱源を捉えるため赤外線サーモシステムで船内を探索した。


 しかし見えない敵は姿を現さない。


「熱源が見つかりません・・」


 熱源のシャットアウト技術はもう珍しく無い世界でもある。


「金属探知機能を作動します・・」


「Roger !」


「船底に金属反応アリ・・」


「物体は秒速50CMの微速で移動中」


 通常モードでの追跡確保は健二と光一がセキュリティ権限を握っている。


 従って指令を下さなければ一号機は動けないシステムだ。


 今回の訓練でその回路は除外され、セルフラーニングモードが適用されている。


「セルフラーニングモード始動・・」


「この状況下で逃げ隠れする物体は不審物と判断しました・・」


「このままのルートでは不審物は右舷後方の扉から脱出すると思われます・・」


「直ちに追跡して確保しますか?」


「Roger !」


「先回りして向こうの扉から確保しよう」


 一号機はオイルプレッシャースーツに付けられたスラスターを高速で制御しながら船体の向こう側の扉に向かって行った。


























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