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豊かな未来の休日

「ファーア〜〜」


「今日が休日で良かったよ〜」


 昨晩のアルコールが抜けていない。


 二度寝をしようとした時・・


「今日は久々にお父さんが遊んでくれるよ翔太!」


 沙耶と翔太が寝室に入って来た。


「お父さん !早くサッカーしに行こうよ!」


 小学生四年生の翔太はゲームよりもっぱらサッカーに夢中だ。


「お前な〜ちょっとはリフティングできるようになったんか〜?」


「よしっ何回できるか勝負しようよ お父さん!」


「やっ、やめとくわ 今日は腰痛でイテテテッ・・」


「何言ってるの?昨日みんなで大はしゃぎしてギックリ腰にでもなったと言うの?」


 沙耶は鬼嫁ではないが、この状況だけ見ると敵味方で判別すると翔太の援護射撃をしてくる「敵」である。


「でも何で大はしゃぎしていたのを知っているのだろう・・??」


「そんなことどうでもいいや!」


「よいしょっと」


 重い腰を上げて着替えようとする健二を見て。


「やったあ〜 」


 翔太にとって父親の存在は世界一偉大なのである。


「今日のお昼ごはん久々に外食といきましょか!」


「無理せんでええよ〜」


 沙耶の優しさが言葉になって聞こえてる。


 サッカーボールと簡易組立ゴールセット、それにドリブル練習用コーンを持ち出した健二は翔太を車に乗せて自宅から少し離れた河川敷の芝生広場に到着する。


 グランドで健二とパスの出し合いから練習が始まった。


「おっ、正確にボール返ってくるようになったなぁ〜」


「ウン!」


「次はボールをトラップせずにそのままダイレクトにお父さんに返して来いよ」


「え〜え?高度やな・・ムリッ どこへボール行くかわからん」


 ボン!!


「ほらっ言うたやんか〜お父ん・・」


 ボールは軌道を外れ50メートルくらい離れた草むらに入り視界から消えてしまう。


「あ〜あ どこに行ってしまったんや?」


「こんな時ボールにセンサー付いていたらGPSで直ぐ見つけるのになぁ〜」


「でもボールの値段が半端なく高くなる・・てかっ、無くなった時の損失が大きいか・・」


「でもGPSでは無く格安センサーでスマホで探せるのであればボールプラス500円までやったら購入する人おるやろ?」


「条件はシールみたいに剥がせるセンサー。

 蹴っても潰れない。水に強い。何回も使える。」


「でっ・・人間は何で物に細工する事を考える?」


「それやったらスマホでボール探索アプリ作ったらええやん・・に落ち着いた。」


「アカン 職業病から抜け出せん アワワ・・」


「帰ったらプログラム作ろう〜っと」


「お父さんー見つかったよーコッチコッチー」


「おお翔太、今行くぜー!」


 いつの間にか成長している翔太を見ている健二。


 安堵と驚きの感情が入り混じりながら生身の人間の成長の素晴らしさを再認識する事になる。


「お腹すいたー」


 走り回りながら健二に聞こえるように翔太が叫ぶ。


 健二は市民権を得たロボットが街でウロチョロする事を思い浮かべていた。


「お腹がすきました。充電お願いします。なんて・・違うやろ」


「でも、この方が愛着あってええなぁ〜」


「ロボットが充電システムが無い場所で、こんな言葉を発したら人間達はロボットバッテリーの充電をどうしてやるのか?」


「背負ってチャージエリアまで行ってやる?・・重たいやん!」


 それもロボットとのコミニュケーションに必要な要素なのだが。


「やっぱ予備電源は必要やし、ウルトラマンみたいにカラータイマーで知らせる?」


 ロボットをサポートできる街のインフラ整備を並行して行かなければならない事を、この街を見て改めて思う健二だった。


「翔太、色々考えたら俺もお腹空いてきたわ〜」


「ごはんにしよか?・・あっそうそうシオンモールで買い物と食事をする予定やで」


「やったぁ〜」


 お腹の空いた翔太に買い物をプラスアルファしたら反応は速い。


 それは世界中の子供達に共通する事だ。


 シオンモールに着いた宮澤一家。


 翔太の好きなメニューがある人気レストランに予約を入れに行こうとしたが・・


 予約用紙にはズラーッと先着様の名前が2ページ半に渡り記入されていてどう見ても2時間ぐらいの待ち時間がある。


 待っている間、健二は沙耶に買い物を勧めるが

 翔太のお腹がもう待てない状況だ。


「翔太 お前の好きなナルノアレストランのハンバーグウイッシュは次回に、持越しで良いか?」


「何で?ここはいつ来てもいっぱいだから今度来てもいっぱいだよ。」


「そうだよな・・その通りだ。」


 人気店はいつも大繁盛なのはわかるが


「翔太?もう一つ好きなレストランがあったな・・」


「うん、キングカレーのチビコロカレー!」


 ここも子供に人気絶大だ。


 混雑を意識してもしなくても、みんな考える事は一緒である。


 日本の国民性と地域性を踏まえたら未だに「ズラす」「早める」感覚は今一つ浸透していない。


「ズラす」「早める」ができるようになるには連休ならまだしも、土日祝には無理がある。


 政府を巻き込んでの経団連や産業界とサービス業と物流業界を含めた可変操業日程と時間効率と生産性の変革。


 男女の働き方の変革。


 契約社員、派遣やパートタイマーを含めた労働者の働き方改革。


 その前に根幹思想の「働く観念」を国民主権で考え直さなければならないだろう。


「ロボットによる本質の豊かさの追求」は


 人間が政府が企業が考えるより尊いバイブルと未来へチャートとなるべきものだ。


「科学技術が成せる未来へのアプローチ」は


 家庭に一台、家政婦ロボットの定着率が3割を占める割合になれば男女の労働力が増加する事になり、その威力は休暇を増やしても実質GDP上昇は必然的な考え方だ。


 町に数カ所ロボット保育所が設置され待機児童問題も無くなる目論見だ。


 そんな事をすぐに考えてしまう健二は思想や文化の本質も大事だが今、目の前のレストランに入りたい一心で・・


 ピキーン! 閃いた。


「このシオンモール東大阪店をロボタス社の研究モデル店舗として傘下にして全国展開してゆきたい。」


 野望が彼を更に成長させてゆく。


 健二の「あくなき挑戦脳」は休日でも家族には内緒で・・稼働しているのだ。


「よっし 今日はゴメンな翔太!ちょっと腹空かすけど母さんと買い物を先しよ〜な」


「うん!お父さんガマンするよボク。」


「その代わりこのサッカーの本買って〜。」


 やはりその手できたか翔太・・。


「この引き換え提案。ロボットに導入したら一体どうなんねんー」









































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