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第8話

不定期更新です。

今日は大変な事がありました。今、目の前に私達を混乱に追い込んだ本人が色々言っていますが、聞くつもりのない私はずっと無視を決め込んでいます。唯、お付きの騎士が我慢できずに私に声をかけてきました。


「王子を蔑ろにしているのか?我が国が最大の力を持つ国だと知らないようだな。王子が話しかけているのだから、返事くらいするのが本当だろう!」


怖い顔で怒鳴り付けられました。王子至上主義の人ですわね。熱狂的なファンはどこでもいますが、事情を知ってこんな風に話をする人達を私は好きになれませんわ。喋りたくもありません。


先ほど、子供達を二階に行かせたのは間違いなかったようです。こんなにも、高圧的に話をされたのでは気分が悪くなるだけですから。


「そうだ!王子を無視するなどあるまじき行為だ!」


もう一人の人にも睨み付けられた後怒鳴られてしまいました。


「……」


権力を使って婚姻を迫った相手になにを言えと?言わない方が安全でしょう。私は、子供達やおばさん達を守れればいいと思っているだけですわ。


「やめろ!彼女は私の妻だ!その事を分かっていてそんな態度をとっているのか!許さないぞ!殺されたいのか!」


本当に厄介な人に気に入られているとは、信じたくないですね。


「申し訳ありません!王子から話しかけることは、幸運だと言う事を知らないと判断したものですから。」


嫌だわ、こんな人達ばかりなら頭が痛くなりそうだわ。子供達の教育に悪いのに最悪です。


「そうです!王子は我が国の希望であり民の英雄です。」


怖い信奉者が近くに沢山いそうですわ。もっと喋りたく無くなりました。


「……」


思い切り顰めっ面をしていたら、こちらを見ながら、悲しそうな顔で叫ぶ王子の声が響きました。


「ダリア頼む返事をしてくれ!」


はあ、溜息しか出ませんわ。これ以上喋らないと、周りの騎士達の不愉快になった顔を沢山見ることになりそうなので、今後の予定を聞こうと思います。


「名前も知りませんのでお名前をお聞かせください。」


口を開けたまま固まりました。名を名乗らずに、一方的に話しかけていたことに気付いてなかったようですね。間抜けとしか言いようのない人に話しかけるのは疲れます。


お父様には聞きましたが、本人から聞いてはいませんから一応間違いないか聞いておきたいです。


「私はフラグル国第二王子ブルーレイド・フラグルだ。ダリア、私と一緒にフラグル国に来てくれないか?」


え?国にもお父様にも、許可と言うなの脅しをされたと聞きましたが、最後に私の返事ですか?はい、と言う意外の返答が許されると、この人本当に思っているのでしょうか?この人戦血王子と有名だけど中身はダメな人なんですね、残念感が伝わってきます。


「はい、分かりました。ひとつ質問をしても構いませんか?」


一応はい、と答えておきましたがそんなに笑顔になられても微妙だわ。嬉しくない!


「それは構わない!何でも聞いてくれ答えよう!」


笑顔で勢いよい返事をされましたので、疑問に思った事を聞いてみます。


「私と子供達は分かりますが、何故おばさん達まで一緒なのですか?」


訳くらいは知りたいと思っていました。何も知らないよりは対処ができますから。


「それは、部下の一人が都合が良いから自分の妻にしようと言ったからだ。」


「「「「え?」」」」


おばさんや、おじさん、ミリアムも驚いてます。私も漏れずに驚きました。まさかミリアムにまで、自分達の都合で結婚を決めているとは偉い人達の考える事は理解できないですわ。


「本人の返事を聞かずにですか?」


よく似た侍従だとしか言えませんね。まあ、貴族であり王族ですから平民に選ぶ権利がないと思っているのだとは思いますが、呆れて物も言えないとはこの事ですね。ですが、納得です。思わず睨んでも許されると思います。


「……」


次の言葉が出ないようですわ、何を怒っているのか気付いたようです。友好的な関係でもないのに権力を使って好きにされたのですから、少しは気持ちを分かってくれたのでしょうか?


「準備は大体終わっています、荷物を纏めてありますので持って行ってもいいでしょうか?」


お伺いを立てておかないと、お付きの騎士達に荷物を捨てられそうです。高価な物ではありませんが、思い出の詰まった大切な物です。粗雑に扱って欲しくはないですね。これからの事を考えると暗闇の中で暮らすような気がしますが、力の及ぶ限り皆を守りたいと心に誓いました。










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