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第4話

不定期更新です。

今日、神殿に向かって旅に出ます。王都から離れた場所にある為乗り合い馬車で行かなければなりません。

初めは、お父様が送ってくれると言ったのですが、自分で行きたいと思い一人で行く事にしました。

修道女になれば、何でも自分でしなければいけませんから、慣れるために旅をしていく事を決めました。


「お父様、今まで本当にありがとうございました。親不幸な娘で、申し訳ごさいません」


深々と挨拶をした私は、屋敷を後にしました。そうする事で吹っ切れたような気がします。

乗り合い馬車に乗り、二つ目の町に着きました。ここからまた別の馬車に乗り換えますが、遅いのでこの場所で一泊します。宿に着くと、お腹が空きましたので先に食事を頂きました。


「珍しいね。あんたは一人旅かい?」


年配の、優しそうな人が話しかけてきました。私のように、か弱そうな女の一人旅は珍しかったようです。護衛の人と一緒に行くのが普通だそうです。


「はい、神殿に向かって旅をしています」


そう答えると、自分達は故郷に帰る所だと話してくれました。


「旦那さんが亡くなったので、娘を迎えに来たんだよ」


娘さんの旦那様が亡くなって、心配なので迎えに来たそうです。悲しい目にあったのですね。

優しいご両親がいるから大丈夫ですね。

話を聞きながら食事をしていたら、急に気分が悪くなり食べ物を吐いてしまいました。心配したおばさんが、付いてきてくれました。


「あんた、子どもがお腹にいるんじゃないか?」


子供?そう言えば月の印が無かったわね。…お腹にいるの?


「どうしよう、今さら家には帰れないわ!」


帰っても子供も私も歓迎されないわ。私の所為で亡くなったと言われている家に。


「訳がありそうだね、これも縁だ!あんたと子供ぐらい家に歓迎するよ!」


娘さんも、お腹に亡くなった旦那さんの子がいるそうです。他人事ではないと言って心配してくれました。

修道女にもなれそうにないので、この人達に付いて行く事に決めました。

どうせ帰れないのですから、どこに行っても同じだと思います。


「ありがとうございます。お世話になります」


おばさん達の馬車に乗って、別の町に行くと決めました。宿屋をやっているそうです。仕事はあるので手伝ってくれと言われています。娘さんとも仲良く慣れました。優しい人達にあえて良かったと思いました。



「なんでも言ってください、できることは何でもします」


「張り切るのはいいがお腹を大事にしなさい!」


おじさんがうんうん、と首を縦に振っています。二人とも娘さんと同じように可愛がってくれました。そんな時、宿に泊まった客の一人は見た事がある人でした。

二度目の旦那様の友達です。貴族の装いをしていない私に気付く事はありませんが、食事を運んでいたら二人の話が聞こえてきました。


「この仕事が終わったら、結婚式に出ないといけないから忙しいよ」


「友達のか?大変だな」


「ああ、三回目だがファーム侯爵の令嬢だから派手にするそうだ」


あの時看病に義理のお姉様が連れて来た人ですね。綺麗な人でしたわ。


「リンドール伯爵か。娘を亡くして、押し付けられていた二番目とも別れたからな」


旦那様再婚なさるのですね。今度は幸せになってください、私は大丈夫です。このお腹の子と生きていきますから。




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