表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/30

side勇者(神崎洸夜)後編

後編更新しました。不定期更新です。

俺は、彼女の願いを叶えた。彼女は帰れないと思っていた俺に、勇者なら命数を捧げる事が出来るので、召喚された時点に戻れると教えてくれた。それも、自分の記憶を読ませてだ。普通なら嫌だと思う事を、この世界で一人だと寂しいと感じていた俺の事を分かっていた。記憶を読ませてだ貰った時に分かったが、彼女は召喚される前にあった同級生だった。


「君はあの子だったんだね。あの時は守れなくてごめん」


「生まれる前の遠い昔の事ですよ。神崎君のせいじゃないです。今度は、もとの世界で幸せになってください」


そう話して別れた。帰ったら絶対助けようと思っていた。だが、禁呪といわれるだけあった。帰った途端倒れて熱を出して寝込んでしまった。起きた時には彼女の、葬儀の日だったのだ。急いで会場に入った。


「ごめん!助けられなくてごめん!俺は君に助けて貰ったのに!」


泣いて棺桶に縋った。周りの人達が集まって来たが構わなかった。彼女の知り合いが、声をかけて来た。


「君は、この子の友達か?」


彼女から聞いた大家さん?そうだ!特徴が似てる。


「彼女が殺される前、会ったんです!」


俺が言った言葉に周りが騒然となった。


「殺された!自殺じゃないのか!」


自殺なんかじゃない!記憶を読んだんだ!俺に、何時も纏わり付き嫌な事ばかりをする女だ!


「彼女に最後に会った時、大家さん達が自分の誕生日を祝ってくれると喜んでいた!そんな彼女が自殺するはずない!」


真実だ!橋から落とされた彼女の、寂しそうな顔が胸の中の残ってる。


「あの子は自殺よ!私が見たわ!」


まだ!嘘をつくのか!こんな女の所為で彼女は死んだのか?許せない!


「君が!彼女を橋から突き飛ばしたのか!最低だ!人殺し!」


俺も、人の事は言えないがこいつは違う!罪も無い彼女を妬んで殺した。


「違う!違うわ!勝手に落ちたのよ!私は悪くないわ!」


こいつは、俺が彼女にあげた物を取り上げた。偶々誕生日だと聞いたから、持っていたチョコレートを彼女にプレゼントしたんだ。


「俺が、彼女にやったチョコレートを取り上げた。橋から彼女を落として。違う!盗み取ったんだな!」


震える女を見た大勢の人が気が付いた。それが真実だと。だが、例え真実が分かろうと、彼女の命は帰って来ない。俺の寿命は元に戻った。勇者の力は残ってるが、普通に生きて行ける。君の、今度の人生が幸せになってくれる事を遠くから願っている。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ