第16話
不定期更新です。
無事神崎君を部屋に呼ぶ事が出来ました。子供達を見て似てないなあ、と言ってましたが元旦那様に似てますので仕方ないですね。
「おばさん達とも、連絡が取れませんが助けられますか?」
そのまま助けられるならいいですが、そうでない場合には連絡を取らないと危ないですね。
「うーんどうかな?連絡しなくても、それ位の人数だったら直ぐ助けられるよ。」
「祖国にいる、父親と弟に迷惑をかけたくないのですがどうすればいいですか?」
簡単に助けられるようです。でも、私が居なくなれば父親と弟の迷惑が掛かる可能性があります。
「大丈夫だよ。僕が彼らの記憶を消してあげるよ。身体にはなんら影響がないし、二度と思い出さないよう関わり合いにならないように深層心理の奥まで刻み込むから。」
笑顔で答えてくれました。聞くだけで怖くなるような事を言ってますが、私にはどうする事も出来ませんので、他に方法がないのようでしたのでお願いしたいと思います。
「それでお願いします。戦いばかりをしてますがこの国は大丈夫なのでしょうか?」
神崎君にできれば戦争を止めて欲しいですね。安心して暮らしたいですから、そんな話を振ると嫌な顔されました。勝手な言い分ですので聞く必要はないのですけれど。
「別に俺には関係ないよ。嫌になって眠ったからね、結局止めても直ぐ争うのが人だから。ダリアさんの生きてる間くらいなら止めてもいいけど。」
そう言ってくださるのは嬉しいですし破格の扱いですね。勇者をやらされて苦労している人にこれ以上は戦いは辛いと思いますので、やっぱり記憶だけお願いした方がいいですね。
「ごめんなさい!自分勝手な事言いました。記憶をだけで良いです、自分が辛いと思うことを人にさせるのは卑怯ですから。」
いくら力があるからと言って、自分がされて辛いと思う事を、人に押し付けようなんて傲慢な人間になるところでした。
「ダリアさんは、根は良い人なんだ。俺に無理を言わないね。普通の人は俺ができると知った時、とことん利用しようとしたけどね。まあ、潰したけど。」
低く冷たい声に背筋が寒くなりました。そうなったのは、神崎君を利用しようとした人が悪いので悲惨な目にあったとしても同情はできません。私も危うく二の舞になるところでした。子供達は私達の話を静かに聞いています。すると突然ドアが開きブルーレイド殿下達が入って来ました。
「貴様は誰だ!!殺してやる!!」
殺気を放つブルーレイド殿下と騎士達が剣を構えています。魔法使いも杖を構えてこちらを伺っています。。絶体絶命です。でも、横に居る神崎君は笑顔です。怖いくらいの笑顔を見せています。小さい声で大丈夫と言ってくれました。これから何が始まるのか分からない私と子供達は、震えながら黙って見ているしかなかったのです。




