第15話
不定期更新です。
勇者改め神崎君に助けてもらえる事になり、これ以上ここに居るのも怪しまれるので部屋に帰る事にしました。知られて邪魔されるのは困ります。せっかくの助かるチャンスを潰したくはありません。
「ダリアさんには俺の加護を付けておくよ。それを目印に後で部屋の中に転移するから、誰もいなくなったら合図をしてくれ。」
身を守る為の加護をもらうことができ少しは安心感があります。
「はい、神崎君よろしくお願いします。」
子供達を守る術を手に入れた事は、今まで不幸だった私に与えられた唯ひとつの幸運と言えます。話が終わり外に出ると侍女長が立ったまま待っていました。神崎君の事には気付かなかったようです。部屋に戻るための道を歩いて行きながら、これからの事が上手く行くように心の底から願いました。
「ダリア様、一人でお部屋から出られる事のないようにお願いします。お子様の命に関わりますから約束を守る事をお勧めします。」
表情の無い顔で念押しされました。暗に約束を違えれば、子供の命は保証しないと言われているようです。奥の部屋の中で合図を送ると神崎君が転移して来ますので、部屋で家族だけで過ごしたいとお願いしないといけませんね。
「はい、分かりました。家族だけでゆっくりしたいので、誰も奥の部屋のには入って来ないでください。」
私達の未来の幸せが掛かっていますから邪魔はされたくありません。
「ダリア様侍女もですか?一人くらいは側に置いて欲しいのですが。」
「ええ、子供達が怯えてしまいますから三人で居たいのですがダメでしょうか?」
側に居られると困りますのでもっともらしい理由を話して納得してもらいました。
「仕方ありませんね。私達の包囲網を抜けて行ける者など居ないでしょうから。それでは、ダリア様失礼します。」
成功しました。よほど自身があるようです、すんなりと納得して子供達と私だけ部屋に居ることができました。理由を話して声を出さないように言いつけて神崎君を呼ぼうと思います。
「聞いて、今からお母さん達を助けてくれる人を呼ぶので、絶対外にいる人達に気付かれると困るから静かにしておいてね。」
私に似ず頭は良い子達なので直ぐ理解してくれました。可愛い子たちです。私も世間一般の人達と一緒で親バカですね。最後に周りをもう一度見渡して安全を確認してから合図を送ってみました。すると目の前に神崎君が現れました。もう少しで声を出しそうになりましたが手で口を押さえて声を漏らさずに済みました。いきなりは分かっていてもびっくりする物ですね。
「成功したね。ダリアさんその子達が君の?」
神崎君が聞いてきます。子供達は元旦那様に似て私には似ていませんからしょうがありませんね。
「ええ、私の子供よ。可愛いでしょう。」
私の事を愛して慕ってくれる可愛い子供達です。この子達と静かに暮らして行ける未来を信じてられるようになりました。神崎君がどんな手を使って助け出してくれるのかは分かりませんが私にできることをして行こうと思います。




