第13話
不定期更新です。
今私の前には光の中から出てきた、正しく日本人顔の見た目十六〜十八歳くらいの男の子が目の前にいます。前世で見た事があるような気がします。
「俺を起こしたのは君?」
随分若いようですが歳とらないのでしょうか?
「そうです。起こしたらお願いをなんでも叶えてくれると書いてあったから、藁にもすがる思いで呪文らしいものを唱えました。」
半信半疑で、藁のもすがる思いで本に書いてあった通りにしてみました。
「まさか、本当に起こされるとは思わなかったよ。食べたくなった物を呪文にしたんだが、一番好きなラーメンを入れてなかったな。俺としては抜かったか。」
どんな呪文でも構いませんが、お願いは聞いてくれるのでしょうか?
「それはどうでも構いませんが、お願いは聞いてもらえますか?」
難しいそうな顔しないで、叶えて欲しいのですが無理なのですか?
「起こしてくれたからね。願いは叶えるよ。但しこの呪文の意味を答えられたらね。」
意味?食べ物に意味なんてないと思います。材料でも言うしかないですね。
「答えたら、お願いは間違いなく叶えてもらえますか?」
これだけは念押ししておかないと起こし損です。
「正解したら叶えるよ。」
ほっとしました。願いは叶うみたいです。
「日本人以外は、全部食べ物です。焼きそばは麺とソース野菜を入れた物でカレーはジャガイモ人参肉と玉ねぎにカレー粉を入れた物、グラタンは色々種類があり基本はマカロニグラタンが良く私は食べました。ハンバーグは、ひき肉に香辛料を入れ炒めた玉ねぎパン粉などを入れて焼く物と煮込みの物があります。これ間違ってますか?」
このくらいで納得してくれるといいですが。
「わあ、あってるよ!見た目は日本人ではないようだが、俺と同じ世界の人ですか?」
同郷の人だと勘違いされてますわ。記憶があるだけですから笑顔の彼には気の毒ですね。
「いいえ、残念ながら前世の記憶があるだけです。」
ごめんなさい。微かに見た事があるような気はしましたが。
「そうか違うのか。でも、向こうの話はできますね。」
残念そうな顔しましたが嘘は吐きたくありませんからしょうがないですね。
「その前にお願いを聞いてもらえますか?」
叶えてもらわなければ不幸になりそうですからお願いします。
「いいよ!何でも言って、何年振りだろうあっちの世界の話ができて、話題が通じるなら楽しいだろうな。」
やっぱりこの世界に一人だから寂しかったのですね、共通の話題があるといいと思いますが。
「私と、私に関わった事でこの国に連れて来られた人達を助けてもらえませんか?」
おばさん達も助けたい、私の所為で巻き込まれてしまったから。お父様達にも迷惑をかけたくはないわ。
「詳しく教えてくれないか?それを聞かないと対処できないからね。」
真剣に考えてくれるようです。希望が見えてきました。詳しく話して助かる方法を探したいです。子供達との静かな暮らしがまた出来る事を祈りながら。




