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第12話

不定期更新です。

王城に来て恐ろしい事を言われました。ここから逃げ出さないと大変な事になりそうです。監視やくのクロイツ一族の人達が居ますので下手な事は出来ません。だけれど逃げ出さなければ酷い事になりそうだと予感がします。


「お母さんここなんだか怖いよ。」


「僕も!」


子供達も不安に思ってるみたいです。


「大丈夫、お母さんがなんとかするわ。」


部屋の中に誰も入れなくして荷物の中に隠していた、私にしか読めない日本語で書いてある不思議な本を開きました。記憶を思い出して実家に帰って暇な時間に本棚で見つけたものでした。懐かしく手放せなかったのですがこんな所で役に立つとは。

フラグル王国の事が偶然にも書いてあったからです。それを思い出したわ私は逃げる方法がないか探す為に本のページを開いて読みました。


「嘘!まさか、召喚された日本人がこの国の始祖だなんて!」


物語にあるような勇者召喚、帰れなくなった勇者が、孤独に耐えられず当時好きだった人を逃さない為に、クロイツ一族に勇者が力を与えたと書いてあるわ。どれだけ依存していたのかわかるわ。


「ここから逃げる方法は…あったわ。これしかないわ。」


この本に書いてあった事が本当なら勇者である始祖は眠っているはず、日本人ならお願いすれば助けてくれるかもしれないわ。最後の望みを掛けるしかないわね。

このままここにいても誰も幸せにはなれない。先ほどの話を聞いたらもっとここには居られないと思ったわ。王子一人なら時間をかければなんとかなったかもしれないけど、何人もの人を相手にする生活は私には無理だわ。

記憶があって日本人の常識もあるのに絶対したくないと思ってしまうの。


「とにかくクロイツ一族の侍女だけれどこの城の中にある聖堂に連れて行ってもらわなければ話にならないわ。」


「いい?聞いてお母さん達を助けてくれるかもしれない人に会いに行くわ。この事は誰にも言ってはダメよ。おとなしくここで待っていてね。」


「「うん、お母さん。」」


子供達に言い聞かせ部屋の前にいる侍女に聖堂が見たいと頼んでみました。


「お祈りしたいわ、この城にある聖堂に連れて行ってくれないかしら?」


聖堂に行かないとどうにもできない!


「はい、ダリア様が望まれるなら聖堂にお連れします。」


「ありがとう、お願いします。」


荘厳な城の中を通りながら、城の奥の方にある広場の中央に聖堂がありました。


「私ゆっくり祈りたいの、一人にしてもらっても構わないかしら。」


勇者を起こすには、侍女が側にいない方がいいわ。


「はい、ここに入れる力のある者はいませんからどうぞごゆっくりしてください。」


良かったわ、付いてこられたら面倒だと思っていたから退いてくれて助かった。


「中は教会と変わらないわね。聖堂前の像の下に眠っていると書いてあったけど本当に居てくれたら助けて欲しいわ。」


本にあった呪文は、……この呪文で本当に目が醒めるのかしら?冗談にしか思えないけど唱えてみるしかないわね。


「日本人焼きそばカレーグラタンハンバーグ帰りたい日本。」


呪文を唱え終わると光が溢れて人の形が浮かんで来ました。本に書いてあった事は本当でした。後は助けてもらえる事を信じたいと思いました。


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