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第10話

不定期更新です。

気まずい馬車の中で、無言に耐えられなくなったのか王子が話し掛けてきました。別に放って置いて欲しかったのですがそう言う訳にもいかないようです。


「私の屋敷に着いて、しばらくしたら結婚式をする事になっている。盛大な物になるだろう。」


盛大なもの?え、遠慮したいわ。年増の私がドレスを着て花嫁?寒い!寒いわ!拷問の様な時間に耐えられるかしら?


「ごめんなさい、私のような年増の女が結婚式だど厚かましいと思います。なくても構いませんが正妻様の喚起(かんき)に触れませんか?」


正妻とか寵妃くらい何人でもいるはずだわ。え?そんなに驚く事かしら?この歳でもう一度結婚式など勘弁して欲しいわ。


「わ、わ、私には正妻もいなければ妾もいない!お前だけだ!」


そんなに怒らなくても知らないのだから、子供達が怯えているわ。


「ごめんなさい、殿下だったら素敵な人達が沢山いるはずだと思っていましたの。」


まさか、一人も居ないなんて思う訳ないでしょう!


「そ、そうか、素敵か。」


いえ、貴方の事ではないのだけどもしかしたら喜んでいる?顔が引きつりそう、勘違いしたままが良さそうだわ。改めて面倒臭そうな男だと認識したわ。子供達にも良く言って聞かせないと大変な事になりそうね。


「ダリア様、言っておきますが殿下には正妻様もご側妃様もいらっしゃいません。」


念を押さなくても先ほど本人から聞きましたので疑ってはいませんわ。


「そうなのですか?分かりました。殿下、先ほどは失礼いたしました。」


しっかり謝っておかないと騎士様達の目が怖いわ。


「大丈夫だ。気にしていない。それより結婚式をしたくないと言われるか?」


初めてではないので遠慮したいわ。でも、騎士様達の王子の言葉を拒否るのか!と言う視線が痛い。


「殿下のお好きになさってください。」


否定はするのはもっと状況が悪くなりそうなので、ここはお任せしとくしかないようね。


「好きにか!ははは、皆に盛大にお披露目しよう。」


私の苦行が決定しました。逃れられないようです。


「殿下、一つだけお願いしてもよろしいでしょうか?」


え?嬉しそうな笑顔ですか?なんでも言ってくれみたいな顔ですね。


「私の子供達と、おばさんの達の家族を守ってくださいませんか?」


この中で、一番権力のある王子に頼んでおけば最低限の保証はされそうだわ。承知してくれるでしょうか?これだけはどうしても了承を取らなければ後が危ういわ。


「ダリア、君が望むのなら守ろう。」


笑顔で言ってもらえましたわ。その言葉を信じるしかありませんね。何を対価に差し出さなければ分かりませんが、できる限りの事をしたいと思います。






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