第1話
書き直をす事にしました。前と内容が変わります。すみません。
気が付いたら水の中で溺れていました。助け出された私は自分の前世を思い出しました。
「奥様!大丈夫ですか!奥様!」
「ええ、大丈夫ですわ。ありがとう」
「……お、奥様にお礼をいわれた!あ、あ、頭を打たれましたか?」
「いいえ、打ってないわ」
失礼な人だわお礼くらい……記憶の戻る前は言ってないわね。
今の私は伯爵夫人。無理やり汚い手を使い旦那様に嫁いだ。我が儘に振る舞い、皆に嫌われ誰にも相手にされなくなった。
「とにかくお部屋に行かれて着替えをなさってください」
「ええ」
「今から治癒術師を呼びますのでお待ちください」
私が侍女に連れられ部屋に行くと、趣味の悪い物で溢れてる。記憶の戻った私には、要らない物が多くて困る。
「奥様、どのドレスになさいますか?」
「え? ど、どれでもいいから選んでくださる?」
今の私には、どれを選んだらいいか分からないわ。
「あの、奥様は自分の選んだ物しか着られないのでは」
「そんな気分ではないわ。お願いね」
侍女の、呆然とした顔と小さな呟きが聞こえてきた。
「…奥様に、初めてお願いされたわ」
着替えが終わった頃に、治癒術師が部屋を訪れて、簡単な治療が施されました。
「これで大丈夫だと思います。ですが安静になさってください奥様」
「お世話になりました。ありがとうございます」
お礼を言うと、屋敷の者たちの悲鳴が聞こえました。
「治ってないじゃないか!!」
「打ち所が悪かったのよ!!」
「何か悪い事でも起こるんじゃないか!」
散々な言われようです。色々言われてますが、本当の事なので反論できません。前の私は、それほど酷かった様ですね。若い時に、記憶が戻っていたなら挽回出来たかもしれませんが、今更無理でしょう。
後は、これ以上迷惑をかけないように、静かに生きて行くしかないようです。