第5話:チートアイドルの終わり-The end of a cheat idol-
※小説家へなろうへ移植する際、エキサイト翻訳の英文追加を行っております。 今回も微妙に数か所を追加しました。分かりやすいように少し細工をしておりますので、時間がある方は該当シーンを探してみてはいかがでしょうか。
>更新履歴
・2015年5月7日午前1時20分付:行間修正、前書きをコンパクト化
ちなみに、この回に関しては〈アーカイブ放送〉の物である。
西雲冬真のネットラジオ《アカシックレコード・プロファイル》、放送自体は今年の1月からスタートしており、アーカイブも充実しているのが特徴にもなっているようだ。
「私の名前は西雲冬真。世界の中に存在するアカシックレコードにアクセス出来る力を持っています」
彼女が主に解説する単語は、アカシックレコードからのキーワードではなく、ネット上で解説が必要そうな単語を見つけ、それを解説しているようだ。
「今回、皆様に解説する単語は、IKS47です。この話題は触れたくなかったけど、視聴者の要望もあって、この際だから…と言うのもあります」
超有名アイドル解放組織、通称はIKS47、九音玲二が立ちあげた組織だというのは皆さまも知ってのとおりです。
彼らは表向きには色々な事件を解決する為に協力をしているようにも見えますが、裏では…お察し下さいという事でお願いね。
リーダーに関しては九音ではなく、別の人物らしいという話があったりして上層部に関する情報はトップシークレットに近いみたい。
ただ、九音自体が表舞台から姿を消した訳ではなく、彼はIKS47という場所を提供するだけと言うネット上の噂もある。
更に付け加えれば、上層部の正体は超有名アイドルの芸能事務所関係者の集まりと言う話も浮上しているみたいね。
このような噂が浮上した理由には、彼らが目の敵にしているのが男性アイドルグループではなく、某□□□漫画の信者やBL勢のような自己完結型勢力と言うのもポイントになりそう。
(中略)
「それでは、また次回にお会いしましょう」
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西暦2014年5月2日午後1時30分、クラウド=ノエルのインタビューらしき動画がネット上で加速度的に広まったのは、この辺りの時間帯からだった。
『アイドル・クラッシャーはIKS47による炎上商法に利用されている!』
『無礼を承知で言えば、超有名アイドル商法ビジネスがアイドル・クラッシャーへ続々と輸入されている現状が見て取れるのが分かる』
(中略)
『このままでは地球上の資産は全て、超有名アイドルの芸能事務所に奪われてしまうのは時間の問題だ』
『そして、その考えを根絶する為にも、ある物を開発する事に成功した』
ノエルが背広のポケットから、1つのチップを取り出す。そして、彼はタブレット端末も取り出し、その端末にはパワードスーツの試作設計図が表示されていた。
『これは最近になって問題になっているリアルチートのシステムを無効化、更にはチート武装に対しては圧倒的な耐久力を発揮するようになるシステム…』
『これを、仮名称としてチートジャマーと命名する事にする。このチートジャマーが全てのパワードアーマー等に装備されれば、リアルチートアイドルの妨害を防ぐ事が可能になるだろう』
『チート自体をすべて否定する訳ではないが、これによって新規プレイヤーの獲得が出来ていない現状を見逃すわけにはいかない!』
『格闘ゲーム等でも見かける事のある初心者狩り、これはアイドル・サバイバルでは大きな問題になる。下手をすれば、一部勢力のみに賞金が行きわたり、それが使われる用途は…』
『我々はアイドル・クラッシャーの正常運営を可能にするための技術を、既に運営の方へ提供した。これによって旧型チートは猛威ではなくなるも時間の問題だ』
『しかし、それでも日進月歩と言う勢いで進歩しているアイドル・クラッシャーの技術は油断できない』
『もう一度繰り返す。我々はBL勢や某□□□漫画のカップリング信者に代表される勢力…自己完結型コンテンツ消費に終止符を打たなくてはならないのだ』
動画は、ここで終了している。インタビューと言うよりは、IKS47に対する宣戦布告とも取れるような内容だが、色々な個所で疑問点が多い。
【チートジャマーと言う技術自体も怪しいな。確かにチート使用者の割合が増えつつある現状には問題が多いのだが…】
【負けた理由が『チートを使っていたから』で、八つ当たり的に発言している気配もする】
【しかし、これが実装されたら負けた理由にチートと言う言葉は使えなくなるだろう。リアルチートと言う部類も存在するが】
【それでも、ノエルがIKS47を恨んでいる理由は単純に考えて、アイドルよりもBL作品が売れたからというビジネス的な理由では?】
【ビジネス的理由で言い出したら、本当にきりがなくなるぞ。BL勢や個別の超有名アイドルファンも同じ事を言っているのだからな】
つぶやきサイト上では色々な議論が展開され、更にはまとめサイトではチートジャマーに関しては本物だが…と断りを入れた上で、このようなコメントが書かれていた。
〈彼はコンテンツ鎖国を何としても防ぎたいと発言しているが、行っている事は自分が離反したIKS47と同じ力でねじ伏せる方法のように見える〉
〈コンテンツ鎖国状態を防ぎたいのであれば、国民の声を聞いたうえで政府等と対話するという可能性もあったのではないか?〉
この2つのコメントから読み取れる物、それはIKS47を立ち上げた九音とIKS47を排除しようと考えるノエルは、最終的に同じ結論に到達するのでは…と言う部分だった。
そんな中で、IKS絡みのニュースがテレビで報道された。
「速報です。競馬予想詐欺の最大手に対し、警察の強制調査が入った模様です! 現場の太田さん、お願いします」
男性アナウンサーがニュース記事を読み上げ、現場へと中継をつなぐという事が分かる。
映し出されたのは、千葉県内の競馬場近くにあるビル街だった。そこには、既に警察以外にも多くの報道陣が詰めかけている。
『警察発表で、逮捕されたのは○○○の社員数名、出会い系サイト運営管理人を含めて10名以上と発表がありました。繰り返します…』
「逮捕された経緯は分かりますか?」
『警察も詳細は非公開としておりますが、おそらくはIKS47の手に入れた情報を元にして強制調査を行った結果、有力な証拠が出たと思われます』
「IKS47と言うのは、警察発表でしょうか?」
『報道陣の質問で、警察もIKS47から情報提供があった事を認めていて…たった今、新たな情報が入りました。今回の強制調査を受けて、○○○は無期限で競馬の開催を中止する事を発表しました』
「○○○側としては、どのような理由での中止なのでしょうか?」
『こちらでも情報が入っていない為に理由は不明ですが、既にネット上ではBL作品の信者が購入した馬券が的中するように八百長を仕掛けていたという噂などが浮上しており―』
男性アナウンサーと現場のやり取りが続く。どうやら、IKS47は競馬の八百長にBL作品信者が絡んでいるのでは…と考えているようだ。
IKS47は、日本がBL作品の信者によって裏で支配されていると考えているのだろうか? 謎は深まるばかりである。
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西暦2014年5月4日午前11時、ノエルの話題も冷めない中、急激に浮上している噂が存在した。
〈イージス計画が密かに動き出している〉
このコメントに反応するかのように、つぶやきサイトでは一斉にタイムラインで動きが見えた。
【イージスの新作でも出るのか?】
(同じ種類のコメントの為、一部割愛)
【そう言えば、イージス自体はゲーム化はしていたのか?】
【ARゲームのようなタイプでは、なかったはずだが】
ゲーム作品としてのイージスも存在し、こちらの新作なのでは…と噂しているネット住民が半数。
その一方で一部で存在したのが、イージス計画の正体を知っていると思われる人物のつぶやきである。
【黒のイージスは、序章でしかない】
【あのイージスが量産されたとしたら、大変な事になる】
【何としても、最新情報を手に入れないと】
一方では、あのイージスが量産されているのでは…と考えている人物もいる。確認されているのは2体のみで、パーツ取り用の予備機もあると考えられるが。
【超有名アイドル勢がBL勢の動きをけん制する為に流した噂だな】
【遂にネット上でも情報戦が展開されるのか】
【エイプリルフールが楽しめなくなるのは、さすがに困るな。今は4月ではないが…】
【超有名アイドル勢もBL勢も、大量の資金を稼ぐ為だけに違法な行為に手を出しているような気配もする】
【このままでは、大量消費コンテンツが永遠に繰り返されるような連鎖が続いてしまう】
【それさえも釣り記事のように思えてきた】
イージス計画に関しては、何処かの勢力による情報戦、釣り記事で周囲を混乱させようとするユーザーの仕業等…色々な事が言われ始めている。
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ネット上には、イージス計画がもう1つ存在しているという話がある。
〈政府が考えていた、日本全土を巨大な盾で完全防御をしようとする計画〉
〈それは、地球上からデブリ等に代表される物体から身を守る為の手段である〉
〈イージス計画自体は20年前位に予算が取れずに中止になった経緯があるらしい〉
〈後に、その計画を何処かが引き継いで、アイドル・クラッシャーに使用される建造物保護用のバリアを開発したのでは…と言う説がある〉
このイージス計画に関しては、莫大なエネルギーをどうやって確保するのかと言う問題もあって20年前に計画が中止になっていた。
そして、エネルギーの確保に目処が付いたかのように、アイドル・クラッシャーに使用されている建造物保護用バリアにイージスの技術が使用されているらしい。
しかし、こちらのイージス計画はネット上で紛らわしいという理由で〈プロジェクト・イージス〉と言う名称で区別されている。
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5月4日午前11時20分、西新井にあるイージス専用ガレージには、黒いイージスがメンテナンスを受けていた。
「イージス量産化プラン、まさか凍結していた物が動き出すとは」
私服姿の彩月ハルトがガレージ内のパソコンをチェックしている。彼が見ているのは、イージス計画に関係したまとめブログだ。
《量産化計画自体は存在している。自分のAIが、その証拠だ》
イージスAIの一言を聞き、ハルトは驚く。AIの量産と言う部分に驚いたのか、イージスの量産プランに驚いたのかは定かではない。
《超AIに関しても、オリジナルが1つとは限らない。そして、ディーヴァシステムも―》
「ディーヴァシステム? アレも量産されているのか?」
《驚くような話ではない。君も動画サイトで見覚えがあるはずだ》
ディーヴァシステムが量産されているという話を聞いて驚くハルトに、イージスAIは1つの動画を見せる。女神像を思わせるような1枚絵、アテナと言う曲らしい。
「これは、音楽なのか?」
《その通りだ。少し前にイージスAIのサーバーが更新され、ディーヴァシステムの情報も多くが新しくなっている》
「音楽と言うのは、低クオリティの楽曲が握手券をセットにした状態で売られ、それが大量にヒットするような物ではないのか?」
《それを行っているのは超有名アイドルだけにすぎない。君は音楽業界に関して知らない部分のが多い》
「しかし、自分が音楽と言う物を知った時には、既に超有名アイドル商法がメインになっていた! 既に遅かった。あと5年、5年の差が影響した」
イージスAIとハルトの議論は続いた。しかし、途中でハルトは何かを悔しがるような表情を見せる。あと5年は早い時期に音楽を知っていれば…と。
《今からでも遅くはない。ディーヴァシステムの楽曲を学び、音楽業界を変えるヒントを掴む事も必要だろう》
「俺に…音楽業界を変える事が出来るのか?」
イージスAIはハルトにディーヴァシステムを学び、音楽業界を変えるヒントを見つけるべきだと意見する。それが超AIとしての思考なのか、個人的な意見なのかは分からない。
〈君は知る事になるだろう。コンテンツ鎖国になった日本で始まる唯一神構想を〉
〈君は思い知る事になるだろう。唯一神以外の進行をした存在が世界から抹消されるという考えを持った人物が現れる事を〉
〈君は選択する事になるだろう。超有名アイドル、BL、それらの勢力とも違う道を〉
ハルトは流れている曲の語りパートを聞いて、改めて考えていた。自分が超有名アイドル商法を嫌っていた理由、それをこの曲が代弁しているのだ…と。
「第3の選択か」
超有名アイドル勢が売れた理由、それは暴走したファンと芸能事務所による力押しとされている。しかし、ここまで売れてもプロデューサーの野望は終わらなかった。
プロデューサーが目指すのは、世界規模。それも、地球規模というスケールではなかった。全ての作品に影響を与え、永遠に超有名アイドルを神として未来永劫伝える事、それが彼の野望の正体だったのだ。
しかし、それも炎上ブログ勢やアフィリエイト系まとめサイト等による膨張表現と言う可能性は否定できない。
それでも、インタビューで「世界規模に広める」と言っている事は事実の為、このような受け止め方をされてもおかしくはないのかもしれないだろう。
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5月4日午前11時10分、西新井近辺では意外なチームが大健闘をしているという展開が起こっていた。
【何だ、この展開?】
【今まで連敗続きだったのに】
【どういう事なの?】
(以下、同様コメントの為に省略)
該当するチームは何と2課ポリスだった。彼らの戦っている相手はチーム・バスケで、おそらくはBL勢のチームと思われる。
【チーム・バスケは弱小チームと言う訳ではないはず】
【2課ポリスがスロースターターだったのか、それとも…】
【既に6人撃破済みか。この調子だと、2課ポリスが勝つな】
(中略)
【!!】
【まさか、勝ったのか?】
【初勝利と言う訳ではないが、久々の勝利なのは事実か】
展開は思わぬ方向に転び、何と2課ポリスが逆転していたのである。これは速報で伝えられ、それは試合中にも流れており…。
同刻、埼玉県草加市草加駅近辺…。
〈試合速報:チーム2課ポリス、連敗を脱出。チーム・バスケに対して圧勝〉
「チーム・2課ポリス、不調続きと聞いていましたが…」
チームパンツァーの補給ユニット担当の人物が、試合中につぶやく。2課ポリスとは過去に対戦歴があり、パンツァーとしても少しは嬉しいニュースだった。
『その程度で倒れるチームであれば、ライバルと認めた意味もありません。本戦も迫っている以上、連敗が続くのは予選敗退も同じ事です』
チーム・バスケと似たような勢力と思われるチーム・サイクリングに対して、圧倒的な戦法を駆使して相手を蒼井つばさが次々と撃破していく。
『チート能力を使わなくても、自力で勝つ事は可能なはずです! 楽してアイドル・クラッシャーを勝ち残ろうという考え自体が…』
蒼井はチートを使わなくてもアイドル・クラッシャーで勝つ事は可能だと考える。
同刻、足立区梅島駅近辺。
〈試合速報:チーム2課ポリス、連敗を脱出。チーム・バスケに対して圧勝〉
《あの連敗続きだった2課ポリスが勝利したようです。彼らのロボットは、旧式とも言われていましたが…》
『彼らの機体は旧式ではなかった。ただ、彼らがフルパワーを発揮できていなかっただけ』
超有名アイドルファンと思われるチーム・レインボーに対し、イージスオリジナルが圧倒的な火力で相手を機能停止させた。
〈アイドル・クラッシャー終了。チーム・レインボー全滅、イージスの勝利となりました〉
試合終了後、水上沙夜はメットを脱いで一息つく。
「戻るわよ。イージス」
《了解しました。マスター…》
そして、イージスオリジナルは西新井のガレージへと戻る。
同刻、秋葉原駅近辺。
〈試合速報:チーム2課ポリス、連敗を脱出。チーム・バスケに対して圧勝〉
〈アイドル・クラッシャー終了。チーム・ジャイアント全滅、チーム・アリスの勝利となりました〉
試合速報が流れると同時に試合が終了し、秋葉原での試合結果と速報が同時に流れるという珍しい現象が起こっていた。
「お疲れ様でした、リーダー」
チーム・アリスのメイドが翼羽アリスに緑茶のペットボトルを手渡す。
「2課ポリスって、そんなに弱いチームだったの? 連敗脱出で速報になるなんて」
「それは違うと思います。彼らの扱うロボットは警察や消防のような場所でも運用されているタイプと同型。油断していれば、我々も苦戦するでしょう」
「でも、警察や消防で使用しているような物をアイドル・クラッシャーで使える物なの?」
「その辺りはガイドラインが決められております。問題はありません」
「チーム2課ポリス、いつか戦ってみたいわね」
アリスとメイドの1人の会話は続く。その中で、アリスは2課ポリスとも戦ってみたいと考えていた。
【チーム・ジャイアントは負けたか】
【所詮は売れ始めた作品の勢力。それが急にBL勢に注目された結果、ああなったというだけ。人気と強さはイコールではない】
【BL勢に目を付けられた作品は確実に破滅するというのは、超有名アイドル側が流した噂か?】
【どちらにしても、警戒する必要がありそうだ。IKS47と他勢力の動きは】
チーム・アリスの試合を観戦していたネット住民同士がつぶやきサイトで情報を交換する。どうやら、全ては動き出しているらしい。
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次回予告
クラウド=ノエルの発言は矛盾が多いのでは…とネット上で言われていた。
IKS47もクラウドの発言には事実がないと否定をするのだが、クラウドはチートジャマー以外に1枚のディスクをちらつかせた。
一方で、黒のイージスは超有名アイドル狩りを始めていた。それを止めようと複数のチームがイージスに挑むが、返り討ちにあう。
本物のイージスが駆けつけた頃には、予想外ともいえる光景が広がっていた。それは一体?
次回、連鎖のアイドルソング『インフィニティ・ピース』
「超有名アイドル商法の連鎖を断ち切れるのは、誰なのか?」
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