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食堂メニュー採用対決③

 週末の土曜日、俺たち三人は今日の調理と撮影に使う食材やカメラを抱えて家庭科室に集まっていた。

 一人ずつ順番に作って撮影をすることになり、ジャンケンの結果、先行は俺になった。

 俺は今日作るメニュー「大葉チーズとんかつ」の材料をテーブルに並べ、エプロンを着る。

「それじゃあ桃瀬、カメラ頼む」

「はい、それでは始めます。3、2、1、スタート!」

 始めの合図とともに、俺は調理に取り掛かる。

 まずは豚肉に包丁で何本か切れ込みを入れていく。

 学食で使う肉は安いものが多く、このまま揚げると固くなってしまう。切れ込みを入れることで縮みを防ぎ、肉が固くなるのを防ぐためだ。

 次に大葉を洗って、茎を切る。そして、それを豚肉の上に乗せる。

 それからスライスチーズを袋から取り出し、半分に切って、それも豚肉の上に乗せた。

 ここで、カツの上にのせるおろしポン酢を作っておく。大根の皮を剥き、おろし器ですりおろす。それにポン酢を加えれば完成だ。

 次にバッター液を作る。

 ボールに卵、水、小麦粉を入れ、混ぜ合わせる。

 それに大葉とチーズを乗せた豚肉をくぐらせる。

 最後にパン粉を付けて、下準備は完成だ。

 そして、あらかじめ180度に加熱しておいた油に豚肉を投入した。

 ジュワーという油の弾ける音心地よい音が響いた。

 今回は大葉やチーズが乗っているため、ズレて分離しないよういつもより慎重に揚げなければならない。

 俺は肉が揚がるタイミングを見極め……油の中から取り出した。 

 金網の上に乗せ、しばらく油切りをする。

 そして、とんかつを包丁で切り分け皿に盛り付ける。断面がカメラに映るように並べられたカツからは、大葉の緑がちらりと覗かせ、溶けたチーズがとろりとたれていた。

 仕上げに、先ほど作ったおろしポン酢をのせる。

 これで、大葉チーズとんかつの完成だ。

 俺は頭の上でマルを作った。

「はい、撮影終了です。お疲れ様でした」

 桃瀬はカメラの撮影をとめると、疲れた俺にお茶を渡してきた。

美琴はこちらに近づき、先ほど作った大葉チーズとんかつを間近でじっと眺めている。

「……やっぱりすごいね、泰彦は。チーズ、大葉、豚肉のそれぞれがムラなく揚がってるし、衣のつけ方もすごく上手」

「ありがとう美琴。敵に褒めてもらえて光栄だ」

 美琴は俺の料理に感心しつつも、時折悔しそうな表情を見せる。

 そして、いつの間にか桃瀬も美琴と一緒にカツを眺めていた。

「二人とも、もう撮影終わったからそのカツ食べていいぞ」

俺の言葉に二人は目を輝かせる。

「ホントに良いの⁉ ありがとう泰彦」

「それじゃあ……私もいただきます!」

 二人がカツをかじると、サクッという軽い音がなる。

「んん~! 美味しい! 大葉とおろしポン酢のおかげですごくさっぱりして食べやすいね」

「衣がサクサクでお肉も柔らかく、とても美味しいです。レシピにはあえて揚げ時間は書かずにお任せしたのですが、さすがですね」

「ありがとう。今日のために昨日も練習したからな」

 上手く作れた安心からか、二人の笑顔を見られた嬉しさからかは分からないが、自然と頬が緩むのを感じた。


 こうして、先攻である俺の番が終わった。

 

 


 

 

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