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序章

西暦20XX年。空間変異を応用した最新の通信手段の試験運用が国際機関にて開始された。この方式は三次元宇宙を構成する場そのものに微小な変異を発生させ、それを検知するので距離による遅延がなく、また大量のデータを乗せることができた。そのため、将来の宇宙進出にはなくてはならない技術の一つといえた。

そして驚くべきことに、通常の電波通信では長い間皆無であった地球外知的生命体の存在の証明が、空間場変異通信ではあっさりと確認できたのである。といっても意思疎通ができたわけではない。開始された通信において大量のデータが既に飛び交っていることが確認できたのである。明らかに地球外の知的生命体が空間通信を利用している状況であった。つまり宇宙では頻繁に情報のやりとりが行われていたが、人類はそれを聞くすべを持っていなかっただけであったことが確認された。

国際機関に参加している各国政府は受信できた情報を秘匿しておきたかったが、空間通信の権威であり、計画のリーダーであるハインライン博士はそれを許さず、いち早く情報を公開したのである。あやうい行為である。一歩間違えば人類社会に大打撃を与えるかもしれない情報を公開したのだ。それでも博士は一部の権力者が情報を独占することを許せなかった。結果世界中に混乱が巻き起こったが、同時にデータの解析も世界同時に行われた。

数年後、世界中のスペシャリストが協力して解析した結果、通信の内容は相互の意思疎通ではなく、一種の「教育放送」であることが確認された。通信は多重化されており、無数のチャンネルが存在する。その中には、通信に使用されている言語に関する情報も含まれていたのである。そこから解読を進めることにより他のチャンネルの情報も確認できるようになった。そこにはこの放送を始めた種族の歴史から、数学、科学、哲学、社会学、文学、ありとあらゆる学問の情報が含まれていた。宇宙に進出する種族の宇宙開発に関する心構えまで放送されてた。しかしその中には、その種族との意思疎通の手段は欠けていた。放送は一方的であり、また繰り替えされている。空間通信は宇宙全体に同時に情報伝達できるため、指向性や通信波の減衰といった発信場所を特定できるような通信でもない。一度こちらから送信してはどうかという案もでたが、未知の相手に反応するのはリスクが高いと判断された。


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