41 チ○ポレーダー
☆前回のあらすじ☆
不法投棄ダメ絶対
ゴーレムちゃんとルーデに指示を出す。
「今から魔法を放つ。そしたらゴーレムちゃんは1時の方向に最大出力のゴーレムビームを撃って、ルーデはいつでも魔法が打てる状態でついてきて」
「ハイ」
「わかった」
周囲を取り囲む金属は、鎌首をもたげる蛇のようにこちらを向いている。
「(水晶は金属ではないから影響はないよな…)」
魔法小袋から取り出したメモリア水晶を左手に乗せて覚悟を決めた。
「槍獄!」
「ゴーレムビーム!」
放射状に突き出た槍は金属片に突き刺さり、無理やり進路が開けた。そしてゴーレムビームによって一直線が照らされ、高音によって木々が焼けた。
「走るよ!ルーデ!」
木々が焼けてできた一本道を走り、敵がいる場所まで最短ルートで突っ込む。
「ルーデ!右から攻撃!」
右から飛び出してきた鋭い金属片を二人はスライディングでかわした。
「ジャンプだ!」
「えっ⁉」
さらに二人が跳ぶと地面から無数の鋭い金属が突き出てくる。
「何でっさっきから攻撃してくる方向が分かるんだ?」
「金属を操る魔法を使うと、周囲の金属も多少反応するようだ。血液にも鉄分が含まれているだろ」
「あ?あぁ、そうだね」
「さっき食べた蛇によってビンビンになっているマイベビーが反応しているんだ」
「それってつまり」
左から鋭い金属が伸びてくる。
「っつ!油断した!」
ルーデの顔面に向かって金属が伸びてくる。
ガチンッ!
「『チンポレーダー』デスネッ!」
ギリギリのところで追い付いたゴーレムちゃんの飛びまわし蹴りが金属をはじいた。
「ああそうだ、そして俺のチンポレーダーは今、あの木の裏にいる敵を捉えた!」
暗い森の中で敵を見つけることが出来た。
「(えっ⁉何で僕の居場所が分かったの⁉)」
「勇者くんのチンポレーダーすごいな…」
三人で金属を操っていた魔族に接近する。相手はそれに気付き、身構える。
「いくぞーっ!」
「ハイッ!」
「うん!」
一斉に飛び掛かり、価値を確信したその時だった。
「僕を舐めんな!」
ベキャッ!
最初に飛び掛かったゴーレムちゃんの腹部に正拳突きが突き刺ささり、そのまま軽く数メートル吹き飛ばした。
「くらえっ!」
勇者も魔族の顔面に蹴りを入れようとするが…
「甘いよ」
ドスッ!
魔族は蹴りに対して肘でカウンターを決めた。
「(骨にヒビ入ったな)」
「うわぁー!」
ルーデもギターを投げ捨てて殴り掛かる。
ひょいっ…
「君は近接戦闘やったことないでしょ」
簡単にいなされてしまった。
あっという間に三人は戦闘不能になってしまった。
魔族は振り返って歩き出す。そして固有魔法を詠唱した。
「さようなら。非結晶構造の玩具」
周囲に埋められていた金属が動き出した。鋭く尖る先端は三人の心臓を狙う。
「刺し殺せ…」
金属がずるずると迫ってくる。しかし勇者は落ち着いていた。
「馬鹿め!非結晶構造の玩具!」
さっきまで動いていた金属の主導権を奪った。
「どうして…」
「あんたの弱点は魔力量の少なさだろ。さほど魔力を込めていない槍獄で簡単にはじくことが出来たし、何よりあんたは接近戦を想定していた」
三人は再び立ち上がる。そしてこの戦いを終わらせるために攻撃の構えを取った。
「一気に仕留めるよ!」
「ハイ!」
「わかった!」
「「「ウォーーー!」」」
一気に距離を詰めて殴り掛かる。
「させるものか!非結晶構造の玩具!」
「なっ⁉」
勇者たち三人の足に絡みついた金属はそのまま木に絡みつき、逆さづりにした。そして、金属を操っていた魔族はどこかに消えてしまった。
「…………ゴシュジン、チンポレーダーはハンノウシテイマスカ?」
「…………いや」
「…………吐きそう」
翌朝、木から降りた三人はウチミクに向かって歩き出した。歩きながらルーデが受けたクエストの内容を再確認する。
☆生きている製鉄所☆
Aランク難度
内容:ウチミク第二製鉄所を乗っ取り不法に工場を作った魔族の討伐
注意:死亡者なし。しかし十分に警戒
報酬:800000ピクニ
「まあ、場所は分かっていることだし相手の能力もわかっているから何とかなるでしょ」
「ソウデスネ」
二日後、歩いていると徐々に空気が悪くなっていき、次第に周囲に錆色の建物が増えてきた。
「煙がすごいな…」
「もうウチミクに入ったはずだよ」
見渡す限り見える工場とその奥にある製鉄所。そして地面には無数に張り巡らされた運搬用トロッコのレールがあり、キャスケットをかぶりオーバーオールを着た多くの作業員が働いている。
「オナカがスキマシタ…」
工場が立ち並ぶ狭い道を歩き、工場と工場の間で営業しているボロボロの食堂に入った。
「冒険者か、珍しいな…注文は?」
愛想のよくない店主が注文を聞く。
「カレーを3つ」
「あいよ」
出されたカレーを持ってしみだらけのテーブルまで運びギシギシ音が鳴るベンチに腰を掛ける。
「…いただきます」
ジャガイモやニンジン、玉ねぎ、鶏肉がゴロゴロ入ったカレーを頬張る。
「妙に具沢山なカレーだな…肉体労働をする作業員のためか」
「金があるんでしょ、これだけ物を作っているのなら」
「ウマウマ」
この日はウチミクにある唯一の宿に泊まり、工場の騒音と黒煙の中で眠りについた。
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