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10 旅立つ二人

☆前回のあらすじ☆

すっごく頑張った

翌朝、アスペラはウキウキしながら革製のロールトップのバックパックに荷物を詰めている。


「薬草の本に弓と矢、(やじり)、予備の(つる)、ダガーナイフ、下着と着替え、おやつも入れとこう」


「遠足の準備をする小学生みたいだな、水筒も忘れないようにね」


「あ、おはようございます勇者さま。皆の様子はどうですか?」


「広場の宴会場でみんな二日酔いだよ。まあ、俺も疲れすぎて一緒に寝てたけど」


「昨日はお疲れさまでした。それにしてもキノコちゃんが勇者さまに寝返っていたとは思いませんでしたよ」


「すいとん食わせたらなんか懐かれた…って、口調変わった?」


「正直、人間の勇者さまには感謝していますが、人間なので少し馬鹿にしていました。けれど一応ノヒン国の勇者様なので…」


「あ…そう」


「それにしても勇者さまは予想よりかなり強くて驚きましたよ」


「師匠に『殺されるくらいなら殺せ』と習ったからね」


「頭おかしいですね…」


準備が終わりとうとう里を出る時が来た。里の入り口近くでプルクラに呼び止められた。


「おーい!これを持っていってくれ」


一振のブロードソードを受け取った。


「これは?」


「私の剣だ、私の代わりにどうか妹を守ってほしい」


「……わかった。ありがとう」


「二人とも元気で」


お酒のせいだろうか、とても静かに見送られた。ロングソードは魔法小袋に仕舞いブロードソードを使えるように手に持っておく。


「じゃあねお兄ちゃん」


アスペラと共にオリスクを目指して出発した。


「ゼ~ハ~ゼ~ハ~」


また一週間原生林を歩き続けようやくオリスクに戻ってきた。


「あ~疲れた。勇者さま~まずはお風呂に行きましょ~」


「そうだね、アスさんが体をきれいにする小魔法が使えるとはいえ、この疲労感を癒すには湯船は必須だな」


アスペラを公衆浴場に案内した。


「じゃあ風呂から上がったらまたここに集合しよう」


「わかりました~、勇者さま~」


しばらく湯船に浸かると体の芯からほぐれた。しばらくして…


「勇者さま!遅いですよ」


「すまない、ついうっかりくつろぎ過ぎた」


「まあいいですけど~それより私の携帯を買おうと思うのでお金貸してくれませんか?」


「ああ、わかった。しばらく別行動だね。これ俺の借りている部屋のメモ、君も休めるように宿の主人に話を通しておくよ」


「ありがとうございます」


別行動になったので取り敢えず靴屋に向かうことにする。


「こんにちわ、靴完成していますか?」


「はい!勿論!完璧に仕上げました」


「おぉ~これはきれいな靴だ、履いてもいいですか?」


「ど~ぞど~ぞ」


流石の出来映え、ぴったり足にフィットし要望通りに鉄板で補強されている。


「いい感じです、ありがとうございました」


「宣伝よろしくお願いしまーす!」


靴屋を後にして今度はギルドに向かう。新品の靴を履き自然と足取りが軽い。


「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件で?」


「依頼したクエストが完了されているかの確認で来ました」


「はい、少々お待ちください」


ギルドの職員さんが戸棚から資料とオイルランタンを引っ張り出してくる。


「こちらでお間違いないでしょうか?」


確かに自分が買ったランタンだが数日水の中にあっただけとは思えないほど汚れていた。


「これはどこで見つかりましたか?」


「地下下水道の浄水装置のある空間の奥、汚水が流れる場所の水底で発見されました」


「ランタンの近くに何かありましたか?」


「…………いえ、何も」


「自分の予想では2人以上、おそらく3~4人分の遺体があったと思いますが」


「……20人…全部で20人分の遺体がありました」


「今後どうなるのですか?」


「地下下水道の調査クエストがギルド名義の依頼として掲示されると思います」


「わかりました。ありがとうございました」


ギルドを後にする。そして向かったのは地下下水道。


「お~?誰かと思えば君か~」


「お久しぶりですシェレラ先輩」


「私もいるよ」


「エクピラさん…でしたっけ?」


「そう、エクピラ」


「ここには何の用で来たのかしら?」


「この街から離れるから挨拶に」


「わざわざありがとね」


「シェレラ先輩の『やること』は終わりましたか?」


「終わったわ、私たちのパーティーの遺体やほかの冒険者の遺体も見つかった。もうここに用はないわ」


「シェレラ先輩とエクピラさんは同じパーティーだったんですか?」


「そうね、あと向こうに座っている二人もね」


「なんか見えるような見えないような?」


地下下水道の入り口の横にある岩に気配を感じる。


「とにかく、私たちの冒険は終わったからもう行くわね」


「お世話になりました」


四人を見送り帰路についた。


「グゥ…グゥ…」


宿にの部屋につくとベッドではアスペラが大の字になっていびきをかいていた。


「はあ~…、ベッドを占領するな-‼」


シーツを掴んで思い切りひっぺがした。


「勇者さま⁉」


「明日出発するから準備しな」


「えっ?私を吹っ飛ばす意味ありましたか?」


明日からはまた冒険が始まる。

読んでいただきありがとうございます

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キノコの妖精

身長 平均20~30cm 体重 軽い 属性 無し

固有魔法 無し

主人公やアスペラからはキノコちゃんと呼ばれている。魔法は使えないが毒の胞子で攻撃可能。結構力持ち。食べることもできる。目を離すと増えている。

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