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50.ルナメイツオフ会 at サキ's ハウス(前)

桔梗を苦しめた存在が何かアクションをして来るまでは今まで通りの生活を、ということでお姉ちゃん以外のメンバーにはまだ隠しておいて、桔梗にはアンドロメダに居てもらうことでソレがボクたちに危害を与えないようにしてもらう、という話で纏まり、数日後。

普段通り集まったボクたちは、夏の長期休暇をどう過ごすかについて話していた。


「オフ会?」


「そうそう。もう私達、組んでから1年くらい経つじゃない?だからリアルで会えないかな〜って」


「ボクは全然いいけど・・・他はどう?特にサクラ」


最年少のサクラが、特に親御さんの許可が降りるかどうか。


「私は大丈夫だと思うのです。私の母は、『可愛い子には旅をさせよ』タイプなので。それに皆さんのことは色々話してますから、信頼されてると思うのです」


「そう?ならボクからは言うことはないよ」


「私も有給とれば行けるね」


なんやかんやしている間に、オフ会をすることが決まった。場所は東京、サキのお家らしい。


「大丈夫?5人も6人も転がり込んで」


「大丈夫よ。私の家、無駄に広いから」


とのことだったけど、迷惑かけないようにしないと。

日程も早々と決め、夏季休暇の真ん中で行われることに。


「それじゃ、各自準備とか、家族との相談とかしましょ。今日はここで解散して」


「「「は〜い」」」


======

「オフ会?いいわよ。但し条件があるわ」


お母さんに相談したところ、このような返答があった。その条件とは、


「交通費と宿泊にかかる費用は自腹で行くこと。時々連絡して、向こうに迷惑をかけないこと。それと、この夏1番の思い出になるくらい楽しんでくること。いいわね?」


「わかったよ。幸い、お金は配信の投げ銭が使い切れないくらいあっちゃうからそこから捻出できるかな」


「紅葉、あなたねぇ。貰った投げ銭は溜めすぎちゃ駄目よ?色んなことにお金を出して、応えないと」


「分かってはいるけど、ついこの間まで月数千円で切り盛りしてたから金銭感覚が・・・」


正直、口座にいくら入っていても財布の中でひと月持たせようとしちゃうんだよね。


「まあ、お金があるならいいわよ。全員集まれるといいわね」


それは本当にそう。


そして色々と準備してたんだけど、大きな問題が発生した。


「新幹線が、空いてない・・・」


数年前から全席指定になった東海道新幹線。この夏は人の移動が多いようで、新幹線はどの便も満席に。幸い帰りの便はトウカとお姉ちゃんの分も含めて3席、サクラが途中まで乗ると考えて4席を取ることが出来たけど、行き(博多ー東京)の席が取れなかった。


「飛行機は怖いしなぁ・・・」


昔、飛行機事故のウィキを見ていたせいで飛行機に乗れなくなってしまった。これについてはボクが全面的に悪いけど、みんな笑って許してくれたよ。


「あとはどのルートが・・・あっ」


夜行バスも・・・と考えたけど、あれはプライバシーがあってないようなものだし、それにお母さんからお金を使えって言われたし・・・と思っていたら、とあるルートを思い出した。


「寝台が空いてるじゃん」


東京と出雲・瀬戸を結ぶ寝台列車。数年前にめでたく車両更新され、新しくなったその列車なら、ツインが空いていた。

さらに、東京までの新幹線はないけど、岡山駅が山陽新幹線の5種別全てが停車する駅とあって、岡山までは空席があった。

燈香(トウカ)に連絡して、彼女とそのご家族の了承を受けて乗車券・特急券を予約購入。これでなんとかなりそう?


======


〈間もなく、岡山。岡山です・・・〉


当日、夕方の新幹線に乗り、岡山に到着。


「燈香、降りるよ」

「は〜い」


荷物を持ってデッキに移動。停車してドアが空いたらホームに出て、在来線ホームに移動する。寝台特急がやって来るまでに時間があるのでご飯を食べようということになり、駅構内の飲食店で食べた。


『サキたちとオフ会する為移動中。トウカとご飯食べてるよ〜。先輩とお出掛け最高です!byトウカ』


時々SNSにこんな感じで呟きをあげている。数日間配信をお休みするわけだし、こういうのはして行きたいな。


そして22時を過ぎて、在来線ホームに列車がやって来た。予約した部屋の号車に乗り込んで、まずはシャワーカードがあるか確認。運良く2枚買えたので安心だね。


「先輩、私上で良いですか?」


「いいけど、上の方が揺れると思うよ?」


「私は大丈夫です。最悪先輩のベッドに潜り込みますから」


「あはは・・・暑苦しくなって目覚めないことを望むよ」


シャワーを浴びた後、2人で暫くは過ぎ去ってゆく夜景を見ていたけど、やがて眠気が限界を迎え就寝。

おやすみ呟きは忘れない。

上から

「うへへ・・・先輩そんなとこ見せちゃ駄目ですよ・・・」

とか聞こえる気がするけど、気の所為だよね。


======

翌朝。予定では割と早くに東京駅に着くはずだけど、どうやら途中で人身事故があって遅れているらしい。

ネットニュースを見ると、

『踏切で事故 犠牲者1名。電車の乗客・乗員に死傷者なし』

というタイトルで事故のことが書いてあった。


「結構遅れてるみたいだねぇ」


「ですね。さっき放送がありましたけど、次熱海に止まるらしいですよ」


「てことは、熱海から東京まで1時間半くらいだから・・・10時前くらいに着く計算かな?」


「運転士さんも大変ですね」


「だね。あ、そうだ。サキに連絡しとこ」


サキに列車が遅れている旨を連絡し、また同じようなことを呟いた。呟きには鉄道会社への労いの文章も忘れずに。


しばらくして、列車は東京駅に到着。東京の土地勘や東京駅の構造なんて知ってるはずもないボクたちは、大人しくサキに迎えに来てもらうことにした。


「あ、いたいた。紅葉〜」


「あ、お姉ちゃん。良かった、合流できた」


前日に東京入りしてサキたちと合流していたお姉ちゃんが来てくれた。つまり、お姉ちゃんの横にいるお姉さん2人がサキとマリアなんだろうね。


「リアルでは初めましてになるわね。サキこと命田彩矢華(いのちだ さやか)よ。よろしくね」


「あたしも初めましてね〜。マリアこと橘真莉矢(たちばな まりや)よ〜」


「よろしくね。ボクはモミジこと神代紅葉(かじろ くれは)、そこにいる百合華の妹だよ」


「私はトウカこと、椎名燈香(しいな とうか)です」


挨拶と自己紹介を済ませ、あとはサクラを待つ。東京駅に着いたら電話してもらうように伝えてあるので、到着したら分かると思う。


と思っていたら、ちょうど電話がかかってきた。


「もしもし、こちらモミジ」


『サクラなのです。駅に着いたのですが、どこに行けばいいのです?』


「とりあえず改札においで。改札出たらまた連絡してね」


『わかりましたなのです』


通信終了。


「サクラ?」


「うん。駅着いたって」


「どうするの?ここにいる?」


「とりあえず、改札に来るように言ってる。で、改札出たら連絡するように言ってるから、改札口行こっか」


「はいは〜い」


揃って改札へ向かう。その途中、サクラから改札を出たとの連絡があった。


「さてさて、どれがサクラかな?」


「流石に『サクラ』って大声で呼ぶ訳にも行かないものね」


「そうだよね。あ、電話だ。もしもし?」


『あ、改札出たのです。そちらの5人で・・・』


「合ってるのです?」


電話しながら近づいてきた女の子がそう発言したことでこの子がサクラということが分かった。


「合ってるよ〜。初めましてだね、サクラ」


「はい!サクラこと一条咲良(いちじょう さくら)なのです。よろしくお願いするのです」


ボクたちも自己紹介。


「で、これからどうする?」


「とりあえず、荷物置きに私の家行くわよ」


今日のオフ会はサキの・・・彩矢華の家でする予定なので、荷物を彩矢華の家に置きにいくことに。彩矢華の車に乗って移動。


『みんなと合流したよ。これから移動〜』


呟きも忘れずに。


======

「さ、着いたわよ」


「ありがとね、彩矢華」


ドアを開けて降りてみると、思っていた以上に大きな一軒家だった。


「でっっか!」


「え、彩矢華さん一人暮らしって言ってましたよね?」


「綺麗なお家なのです」


「まあ、一人暮らしって言っても、両親がそれぞれ単身赴任で留守なだけだけれどね」


「彩矢華、この家を1人で管理してるのよ〜。時々あたしがお手伝いに行ってるけど、毎日は無理よね〜」


「いや、真莉矢あなた3日に1回は来てるじゃない」


「あはは、私も朝来てびっくりしたよ。アパートとかマンションとかを想像してたから」


初めて訪れた全員がおんなじ様に驚いたことが分かったところで、お邪魔することに。


「お邪魔します」


「はい、いらっしゃい。荷物はその部屋において。とりあえず、準備出来たらまた出ましょう」


「はいよ〜」


荷物をおいて、外出の準備をして再び外にでる。駅に車をおいて、アキバとか色々行くことに。


======

「うわあ、TRFグッズがいっぱい!」


「すごいです。地元とは品揃えが桁違いですね」


「キャラグッズも豊富なのです」


真莉矢の案内で、TRFの公式ショップに来た。店舗の大きさが地元の比じゃないくらいに大きい。それに人が沢山。この人たちもみんなTRFプレイヤーなのかな?


「こっちにはコスプレ衣装もあるのよ〜。ほら、いつもサキが来てるお衣装とか、サクラちゃんのお衣装とか」


「すごい、こっちも沢山!」


コスプレの需要を意識してか、様々なコスプレ衣装が取り揃えられていた。あ、ボクがいつも着てるやつだ。


「なんか、いつまでも居れるね、ここ」


「ですね。時間を忘れて楽しんじゃいます」


「あれ?咲良ちゃんは?」


「あ、いた。武器のレプリカのとこにいるわ」


武器のレプリカゾーンにいる咲良。何してるんだろ?


「お〜い、咲良〜?」


「これなら私でも扱えるかも・・・。これはちょっと大きすぎるのです」


わお、真剣に武器を見て分析してる。もしかして、咲良の実家ってそういうお家なのかな?


「咲良、大丈夫そ?」


「はひゃあっ」


「あ、ごめん。驚かせちゃった」


思ったよりびっくりされて少しショック。


「あ、ごめんなさいなのです。集中して周りを見てなかったのです」


「いやいや、大丈夫だよ?あまりにも真剣なもんだから、心配になっただけで」


それからしばらく店内を堪能。地元には無い商品も結構あって、気が付いたら色々と買っていた。


「あ、そうだ。呟こ」


『ついに公式ショップに来店!魅力的なものが多すぎて、気が付いたらこんなに買ってしまったよ』


「これでよし、と」


「みんな買い物終わったかしら?大丈夫そうなら夕飯の買い物に行くわよ」


「は〜い」

「大丈夫だよ〜」

「大丈夫なのです」


全員の確認をとった上で、車に戻ってスーパーへ。

またまた長くなってしまったので前後編に分けます、ごめんなさい!

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