32.初めての外配信!
「そうだ、そろそろ配信つけても大丈夫かな?」
『アンドロメダ』の地に降り立ったボクたち一行は、他のギルドと衝突しない場所を探すために動いていた。
そして大手ギルドやシンジさんに教えてもらった厄介なギルドが陣取った地域を抜けたため、ここに降り立つ前に考えていた配信をつけようとしているのが今。
「大丈夫じゃないですか?最悪違反行為の証拠ってことにできますし」
「そっか。じゃあつけるよ~」
「こうやって外で配信するのって初めてね~。戦闘とかのときに配信のこと忘れないようにしないと・・・」
配信用マグの設定を調整し、配信を開始。
「・・・はい、いらっしゃいませ。予定より少しばかり遅れたけど、『アンドロメダ』探索配信をやっていくよ」
『キターーー!!!』
『ついに来たのか、この時がよォ・・・!』
『ようやくモミジちゃんたちの戦闘力を見れる!』
事前にSNSで告知をしていたこともあって、すでに結構な人数の視聴者が待機してくれていた。
「今日は何か企画があるわけじゃなく、探索の垂れ流しみたいになってしまうけど堪忍してね~」
そう断ってから、ボクたちは歩みを進める。
「左から敵影6!」
「こっち片づけたよー!」
「景、やっちゃって」
「はい!おりゃあっ」
『戦闘してんの初めて見たけどすげえな』
『モミジちゃん普通に強くて草』
『景ちゃんたちも軒並み強いのなんなん』
「ふう、中々いい場所が見つからないね」
「まさかこんなに広大な湿地帯が広がってるとはねぇ・・・」
『道中ガンダッシュで来てるのにね』
『戻るわけにもいかんしなあ』
『誰か見てる奴の中で支援行けるやつおらんか?』
「まあ、行けるとこまで行きましょ。それでも集落の一つも見つからなかったら最悪ワープで初期地点戻って、別の方向に行けばいいのよ」
「走るだけならいいのです。けど、こんなに道中でエネミーと遭遇すると疲れるのです」
『俺、知り合い集めて援護行くわ』
『マジか』
『でも追いつけるんか?』
『大丈夫や。俺も知り合いも有翼種だから全速で飛べば追いつける。ついでに周囲の偵察もしてくるわ』
どうやら視聴者の中でボクたちの援護に来てくれる人がいるみたいだ。ありがたいやら申し訳ないやらだね。
『SNSで募集したら結構来そうだけどな』
『その手があったか』
『だがあんま大きくはしたくないよなあ、どんなろくでなしが混じるかわからん』
「みんないろいろ考えてくれてるね。ありがと~」
「もう誰か来てくれるみたいだし、時間的にもちょっと余裕があんまりないから助けを求めてもいいかな?」
「いいと思いますよ、実際結構な長丁場になってますし」
「あたしもいいわ~。お手伝いしてくれるって人には感謝しないとね~」
「正直今の状態だと戦闘で体力と時間を使うのです・・・」
「わかった。えっと、そういうわけで助けに来てくれる人がいたらお願いしたいな」
『まかセロリ』
『本人からお許しが出たぞォ!』
『高速移動の術を持つ者は出撃じゃあ!』
『種族堕天使にしててよかったー』
『モミジちゃんたちの実質オフ会参加したかった・・・』
「おお、みんなありがとうね?来れない人もアドバイスとかもらえたらありがたいよ」
「でも、座標とかわからないけど大丈夫かなぁ?」
『援護組へ。ルナメイツの向かっている方向は初期地点の景色からして東北東と予想』
『今飛んでる。もうすぐ湿地帯に突入するわ』
「え、もしかして配信つけながら来てるの?」
「確か、ゲーム内で配信を視聴するとタイムラグがほぼゼロに抑えられるとかなんとか見た気がするわ」
「そうなの?じゃあ、あたしたちがどこを走ってるかみんな把握してるのかしら?」
『景色で大体わかるっちゃわかる』
「普段はちょっと遠慮してほしいことだけど、今だけは場所特定が助かるわね」
『見えた!』
『マジか!?よくわかったな』
『さすがに女の子の集団でうち一人の尻尾が大量にもふもふしてるのなんて他におらんやろ』
『着陸態勢に入るのでモミジちゃんたちに衝突しないよう気を付けます』
上からバサバサっという音がしたかと思えば、目の前に天使であろう女性が降りてきた。
「いやあ、お待たせしました!」
『女やったんかお前!?』
「てっきり男性がくるのかと思ってたわ」
「そうっすね、ちなみに中身も女っす!」
「そうなんですね。来てくれてありがとうございます」
それから少しして、続々と翼を持った人たちが降下してきた。総勢20人くらいかな?
「はえ~、意外と女性率高いわね」
「いや、それ俺たちが一番びっくりしてる」
「みんなありがとうね。それじゃあ、よろしく!」
「おう」「はーい」「まかセロリ~」
発した言葉は違うけれど、みんな肯定の返事をして散開してゆく。
『なんか上から見たらルナメイツを中心とした輪形陣だな』
『でもこれが一番安全ではある』
『大名行列にならない。洗練されてるな(適当)』
しばらくの間、駆け付けてくれた視聴者たちのおかげでボクたちは大した戦闘もすることなく、移動に専念できた。
「あ、あそこめっちゃカエルいるね、モミジ」
「あー、あの大きさのカエルにはあんまりいい思い出ないんだよね・・・」
『なんかあったん?』
『あ~、なんかわかったかも』
「・・・モミジちゃん、もしかしてでかいカエルに呑まれた経験アリっすか?」
「・・・ご明察。まあ全身呑まれたわけじゃないんだけど」
「あー、お疲れ様っす」
「なになに?どういうこと?」
「えーっと・・・、細かく言っちゃうと確実にR-18になっちゃうんで言えないっすね。経験のある者にしかわからないことっす」
「え~、なにそれ。あたし、カエルはあんまり得意じゃないからずっと弓で射程外から倒してたわあ」
「サキ、嫌な予感するからお願い」
「はいはい、わかってるわよ」
「そんなイベントがあるならもっと近づいておk・・・特殊攻撃食らっておくべきだったかしら?・・・今から行けばあだっ!」
「お馬鹿!そんなことしたらBANされるでしょうがこのエロフ!そういうのは配信外でやりなさい!」
『ナイスストップw』
『配信外ならいいんかw』
『ちなその特殊攻撃は某動画サイト(旧R-18)で割と人気だったりする』
『そんなにかw』
『そりゃここじゃ流せんわな』
「えっと、オレは最後までやられたことあるっすけど、滅茶苦茶オブラートに包んで言うとカエルの舌に捕まったら足を呑まれて下半身のマッサージをされるっす。隅々まで」
「あれは恥ずかしかったよ・・・」
「で、そこでエネミーに怯みを与えられないと全身吞み込まれて、せっまい体内で柔毛による全身マッサージっす。その間は一発のダメージは小さいっすけど持続の窒息ダメージくらうっす。まあ、1分もしたら吐き出されるっすけど」
「う、うわあ・・・」
『ちなみに男キャラでも同じ事されるので要注意』
『さすがに国の方針変わってエロに対するレーティングめっちゃ緩くなった今でもここまでやってるゲームなかったぞw』
『ほら、これは初のフルダイブで感覚が実際に感じるから』
『開発頑張っちゃったんやな・・・』
いやほんとに何やってるんだろうかうちの両親は。確かに8年くらい前に少子化対策で「知る」ことも大事だということでレーティングを変更して、かつフルダイブ技術によって感覚が脳内で完結してるからやることやっても妊娠しない世界にはなったけど、だからってやりすぎじゃないかなあ?
「はい、この話終わり!さっさとぶっ倒していい場所探すよ!もう、紫、遠距離から全部やっちゃって!」
「はい、主様。水はよく電気を通しますから、よく効きますよ~。はいっ!」
紫の雷撃によってカエルたちは一網打尽、全部感電によって撃破することができた。
「ありがとう紫。よしよし」
「主様、ありがとうございます」
紫の頭を優しく撫でてあげると、目を細めて心地よさそうだった。そういえばお母さん言ってたな、景とか紫とか、NPCも「完全なAI」を採用してるって。
「っと、モミジちゃん、このあたりを飛び回ってきたけど朗報、こっから南東方向に集落ある。それも結構大きいのが」
「本当?ありがとう。それじゃ来てくれたみんなには悪いんだけど、ここで解散でいいかな?やっぱり最後はうちのメンバーだけで行きたいんだ。みんな今日は来てくれてありがとうね!」
「了解っす!じゃあオレらはここで失礼するっす!」
「今度は僕たち有翼種じゃない視聴者も参加できるイベントをしてあげてね~」
「わかったわ~、ありがと~」
『現地組お疲れ』
『正直羨ましかったわ』
『おかげでスムーズに進んで配信時間短縮できたし結果オーライ』
「じゃ、がんばろっか」
「はいなのです!」
そこからさらに十数分くらい歩いて、ついに集落にたどり着いた。その頃には湿地帯を抜け、竹林に入っていた。ここを見つけた視聴者さんには感謝だね。
ようやく投稿出来ました。原因は大まかなネタ同士の間を繋げる技術不足でした。中々どうしようか迷った結果、少しばかり迷走してしまった気がしますが頑張っていきます。
今回、長くなったので到達した集落でのお話は次回に回します。いいねや誤字報告、ご感想など頂けましたら作者が喜んでモチベが上がります(自己満の癖に何言ってんだ)。




