30.一万人突破ありがとう配信
「・・・はい、いらっしゃいませ。少しお休みを頂いてる間に登録者様が一万人を突破していて驚きが隠せない店主のモミジだよ。みんなありがとう!」
「ありがとうございます!」
「ありがとうね~」
「ありがたいのです!」
『おめでと~!!!!』
『888888』
『めで鯛』
『むしろいってなかったことに驚き』
「さて、この配信はいつも応援して頂いている皆さんに感謝ということで、ボクたちにやってほしいこと、言ってほしい台詞なんかを募集するよ。多少過激なのでも、配信に載せれないラインを越えないものならオッケー」
『は?神か?』
『感謝するのはむしろこっちなんだよなあ』
『録音の準備はできたか?俺はできてる』
「そして募集方法だけど、この配信のコメント欄にリクエストを書き込んでね~。それか、どうしてもリクエストを見てほしいって人はゲームと連携してるSNSでハッシュタグをつけて投稿してね。あ、あとSNSのタグは感想を呟くものとは混同しないようにね。わからなくなっちゃうから」
「ハッシュタグは”常連さん一万人リクエスト”なのです」
『メモメモ』
『混同防止了解』
『もう下書きはできた』
「ただし、採用の基準はボクたちの過半数の許可がでること。そして過半数の許可が出ても実行するのは許可をだしたメンバーだけだからね。嫌がってるメンバーに強制させたり煽ったりするのはNGだよ」
「あとあまりにも直接的なエロ・グロ系のコメントは無視するからね。その点勘違いしないように!」
『ガイドライン説明助かる』
『肝に銘じておきます』
「それじゃ今から募集始めるよ。あ、そうだ。誰かのリクエストが実行されている間は新しくリクエストされても見れないから、自分のリクエストが採用されなくても怒らないでね?」
『それはそう』
『それただの逆ギレやもんな』
『募集開始了解!』
「わ、さっそくSNSの投稿がいっぱいあります!ではまず一番下の投稿から、『とびっきりの萌え声で”お兄ちゃん、お疲れ様”って言って』だそうですが?」
『草』
『疲れてるんやろなあ』
『聞きたい聞きたい』
「ではやってもいいよという人は?」
挙手したのはマリア、トウカ、サクラ、お姉ちゃんの四人。
「過半数を越えました!」
『っしゃあ!』
『録音の準備させて!』
「モミジさんとサキさんはNGなのです?」
「私は萌え声が苦手でね・・・。出そうとするとアヒルみたいな声になっちゃうのよ」
「ボクは女所帯で育ったのもあって恥ずかしいから・・・///」
『ええもん見れましたわ』
『かわいい』
「こほん、じゃああたしからいくわね?お兄ちゃん、いつもお疲れ様♡」
「続けるのです!兄様、いつもお疲れ様です」
「兄さん、お疲れ」
「兄ちゃんいつもお疲れ様だねぇ」
『グ八ッ』
『四連続は聞いてない』
『心が浄化される音がする』
「さて、すでに何人かノックアウトされてる人がいるけどじゃんじゃん行くわよ。次は~・・・これにしようかしら。『一万人突破おめでとうございます!』ありがとうございます。『リクエストですが、ギルドハウスの中だけではなくて、外でも配信してほしいです。モミジさんたちが目の前で配信しているところに居たい・・・!』ですって」
「あ~、言われてみれば確かに、今までずっとここで配信してるしねぇ。たまには外もいいかもしれないわね~」
『それって生モミジが見れるってこと・・・?』
『配信に映れるってことでいいの?』
『なんか美味しそうな名前になっとるw』
『モミジちゃんはもとから美味しそうだろ』
「コラ!」
どういう意味だ、まったく。
「外配信・・・つまりは公開収録みたいな感じかな?そういえば前にオフ会開こうって言ってたような」
『あったなそんなこと』
『今も待ってる』
「では賛成される方は挙手をお願いします」
『議会かw』
「・・・はい、満場一致でこのリクエストは採用されました!」
「ただ今すぐは難しいから、しっかり予定を組んでからするよ。もう少し待っててね」
『はーい』
『楽しみだなア』
「それじゃ次に行くわね。ん~、これかしら。『背の順ならぬ乳順で並んでみて』だって」
「マリア、あんたねえ」
「怒る前に賛成かどうか判断しましょ?ほら、せーのっ」
『満場一致w』
『それでいいのかサキちゃん』
『サキちゃんもあげるんかいw』
「というか一番下と一番上は決まってますが大丈夫ですか?」
「大丈夫なのです、私はまだこれからビッグになる予定なのです!」
「はいはい、とりあえず並びましょ?どっちが大きいかはお互いに大体わかってるしね」
並び終わったときの順番は、左からサクラ→トウカ→お姉ちゃん→サキ→ボク→マリア、だった。
『え、モミジちゃんそこなん!?』
『あんま目立ってないけどマジか』
『てか誰かさんのせいで俺ら感覚バグってるだけでまだこれからなサクラちゃん以外みんなでかいんよな』
「私はリアルで先輩と会ったことありますけど、でっかかったです」
「正直に言おう、モミジは私よりもでかい。姉の私が言うのだから間違いないよ」
『まじか』
『もしかして和服だから目立ってないだけなん?』
「今はサラシ巻いてるから余計にね。着替えてこようか?」
『マ?』
『生着替えきた?』
「ちょっと待っててね」
配信に映らないように別室に移動してから着替える。和服からカジュアルなシャツとパンツ、上からコートを羽織る。下着はもちろんつけている。リアルなのでこすれると痛いんだよね。
「おまたせ~」
『でっっっ』
『エッッッ』
『妄想が捗る・・・』
「ね?でかいでしょ?ちなみに揉み心地はモゴモゴ」
「それ以上は言うなバカ姉!///」
『気になる・・・』
『てか知ってるってことはユリはモミジのおっぺえを揉んだことあるってこと・・・?』
その後、いろいろなリクエストに応えながら、時間はあっという間に過ぎていった。
「それでは今日はここまで。改めて登録してくれた人、登録してなくてもいつも応援してくれてる人もありがとう。ボクたちはまだまだ邁進していくので今後もよろしくね」
『感謝するのはむしろこっちなんよ』
『次は5万やな』
『これからも応援するよ!』
「それと、中々好評だったのでこの服も今回限りじゃないよってことだけ伝えておくね。またのご来店をお待ちしています」
「ありがとうございました~」
配信を終了し一息。
「にしてもモミジ、ホントに大きいわね。羨ましいわ」
「あはは、ありがとう。でもこれのせいで親戚たちが集まった時の年寄連中からのセクハラがひどいんだよね」
「あら、そうなの?あたしのとこは親戚が集まるのって法事の時くらいだから分からないけど、大変なのね」
「本当にね・・・。私はモミジよりも気持ち慎ましいからなんとかなってるけど、モミジには毎年申し訳ないんだよねぇ」
ボクを気遣ってくれるお姉ちゃん。でも我が家で年寄連中の次にセクハラが多いのはあなただよ、まあお姉ちゃんだから許すけど。




