第15話 ロディ、ご褒美をもらう
冒険者の誰もが夢見る、ダンジョンの隠し部屋の発見。
それが目の前にあり、3人は興奮が抑えきれず大騒ぎしていた。
「すごいすごい!隠し部屋、見つけちゃった。」
「いつかはそんなことがあればいいなと思ってたけど、まさかこんなに早く見つけるとは。」
「ロディのギフト様様ね。」
一通り騒いだところで、少し落ち着いたロディがなだめにかかる。
「ちょっとみんな落ち着いて。騒いだら魔物が寄ってくる。それに本当にそうなのか確認してみないとぬか喜びのかもしれないよ。」
「あ、やば。ダンジョンで騒いだらダメだよね。」
「確認せず騒いじゃうなんてはしたなかったわ。ごめんなさい。」
2人も落ち着きを取り戻し、念のためにロディが索敵を行ったが、どうやら幸いにも魔物が寄ってくる様子はない。
3人は安心して隠し部屋に向きあう。
「でも、この壁の奥にどうやって行くんだろう。」
「この壁の周辺を探してみましょうよ。きっと入口を開く何かがあるはず。」
「その可能性が高いわね。」
さっそく3人は奥に部屋があるであろう壁の周辺を探し回った。
「あ、あれじゃないかな。」
エマが天井に近いブロックを指さす。
「どれどれ?」
「天井から2列目の小さなブロック。あそこに何か文字が書いてあるように見える。」
そのブロックは1辺15cmほどの正方形の面を持つブロックで、他のブロックは長方形の面を持つので、確かに他より異質だ。それに何か文字が彫られているようにも見える。3人が知らない文字のようだ。
「確かにあやしい。高いところにあるから、そこに何かあると思って見ないと素通りしちゃいそう。」
「でも手が届かないわ。」
「それならいいものがある。」
ロディは周辺に他の冒険者がいないことを確認して、収納の中から椅子を取り出した。これは以前詰め込んだグライムス氏の遺品の一つだ。こんなところで役に立つとは思っていなかったが、使えるものは使おう。
「私、やってみたい。」
「あ、お姉ちゃんズルい。私もやってみたい。」
ナコリナとエマが勢いよく立候補した。ロディは2人の勢いに押されて辞退した。
「俺はいいから、2人で決めちゃいなよ。」
2人は少し話し合っていたが、結局じゃんけんで決めることにしたようだ。
「「じゃんけん、ぽん!!」
結果は、
「やった、勝った!!」
「うー、悔しい!」
ナコリナの勝利だった。
「じゃあさっそくやってみる。ロディ、椅子をしっかり支えてて。」
「分かった。」
ナコリナが椅子の上に乗り、ロディが椅子を支える体勢をとる。
と、ここでロディはある問題に気付いた。いや、ロディにとっては問題というより、非常にうれしい誤算なのだが。
(!ナコリナのお尻が目の前に!)
この体勢は、椅子の上に立つナコリナのお尻の位置がちょうどロディの目の前に来るようになってしまう。ナコリナのたわわなお尻がプルプル揺れるのがどうしても目に入ってしまう。
ロディにとってはとんでもないご褒美なのだが、さすがにずっと凝視するわけにはいかず、顔を左にそむけた。
しかし悪いことに、顔をそむけた先にはエマが手を口に当ててニマニマ笑っていた。
(くーっ、兄の威厳が・・・)
だが椅子を支えているため、この体勢をやめるわけにはいかない。ロディは顔をエマとは逆側にそむけることしかできなかった。
そんなことは知らないナコリナは、まじめにそのブロックを調べている。
「文字みたいなものが書いてあるけど、読めないわ。ブロックはさわっても何もならないわね。押すことも出来ないし。」
「お姉ちゃん、魔力を流してみたらどう?」
「やってみる。」
エマの助言によりナコリナがブロックに魔力を流すと、ブロックが淡く光りを発した。
「あ、光った。」
それと同時に、彼らの右側にある壁の一部も光り出し、やがてその部分のブロックが少しずつ透けるように消えていった。
「壁が開いた!」
ナコリナが椅子を飛び降り、3人で開いた壁を覗き込んだ。
するとそこには、ロディのギフトで示された通りの四角い部屋があった。そして、その奥側には、3人を待っていたかのように鎮座する3つの宝箱があった。




