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第3話 ロディ、美少女2人と同部屋になる

 二人が急いだ甲斐もあったのか、目的の宿はまだ埋まっていなかった。


 この宿の名は「木漏れ日亭」。

 この「木漏れ日亭」だが、昼と夜は定食屋さんも兼ねていて、1階は1フロア全て食堂と厨房、2階以上が宿泊設備になっていた。


「部屋はどうされますか?」


 受付の女の子に部屋を問われる。

この受付の子はサーシャという名前で、この宿屋を切り盛りしている夫婦の12歳の娘とのこと(ナコリナ情報)。


「3人一部屋で、とりあえず1週間。以後延長するときには言うから。」

「ちょ、ちょーっと待った!」


 ナコリナが聞き捨てならないことを言ったため、ロディは慌てて止めた。

ナコリナは怪訝そうな顔をロディに向ける。


「どうしたのロディ。しばらくこの街にいるんだから最初は1週間キープしとかないと」

「問題はそこじゃない!なんで俺たち3人一緒の部屋?部屋を分けないと。」

「でも一部屋にした方が安くなるわよ。」

「そりゃそうだけど、未婚の男女が一緒の部屋なんてダメだろう。」

「私は困らないけど。」

「俺が困るの!!」


 ロディは必死で抵抗したがナコリナはどこ吹く風だった。


「ダンジョン内で泊まるとき、一緒に雑魚寝なんて普通でしょ。それと変わらないわよ。」

「それとは話が違うよ。・・・エマ、お前もなんか言えよ。」

「えー、私はお兄ちゃんと同じ部屋でもいいけど。」

「エ、エマ・・・」


 味方になると思っていた妹も実は味方ではなかったことに衝撃を受けるロディ。

そのロディにナコリナが追い打ちをかける。


「サーシャちゃん。朝夕食事付、3人一部屋でいくらになるの。」

「1泊大銀貨2枚です。」

「1人部屋と2人部屋にしたらいくら?」

「えっと、合計大銀貨2枚と銀貨5枚になります。」


それを聞いてナコリナはロディを振り返る。


「1日銀貨5枚も差があるのよ。まだ私たちはここに来たばかりで、1日いくら稼げるかもわからないわ。」

「う・・・。」

「魔法陣の為のお金も稼ぐ必要があるし。最初から無駄にお金を使わないようにしなきゃ、やっていけないわよ。」

「いや、でも本当にいいのか?男女一緒の部屋で危険、とか考えないのか?」

「あら、私、ロディから襲われちゃうの?」

「そ、そんなことはしない。」

「ならいいじゃない。」

「う・・・。」


 その後ロディは何とか反論をしようとしたが、2対1では最初から勝てるはずもなかった。

 結局ロディは押し切られ、3人一部屋を認めるしかなかった。


 部屋に案内される途中、ロディは疑問に思わずにはいられなかった。


(普通、逆なんじゃない?)


 部屋は幸いにもベッドが3つだった。

 キングサイズのベッド1つという、最悪の事態も想像していたが、どうやら杞憂のようだった。


(まあ、安宿に大きなベッドなんて無いよな。)


 ロディは安堵94%の吐息を漏らした。

(残り6%は『ちょっと残念』。そりゃロディも男だからね)


◇◇


 宿の夕食は想像以上においしかった。

 ボア肉をメインにしたおかずに、パンと野菜スープなどが付いたものだったが、どれも満足いく美味しさで、許されるならおかわりをしたいくらいだ。


(これまで泊まった宿と比べて格段に美味しい。ナコリナが勧めるはずだ。)


ロディは納得しながら舌鼓を打つ。


「この野菜スープ、本当においしいわ。どうやって作ってるのかしら。」


 エマも料理を認め、料理方法を聞きたそうにしていた。あとで厨房に突撃するつもりかもしれない。


夕食は定食屋もやっていて、店は大いににぎわっている。この味なら納得の繁盛ぶりだ。


 食事をしていれば、冒険者らしきグループの話し声も聞こえてくる。情報収集にも使えそうで、その点でも◎の宿屋だ。


 ロディがパンを食べながら周囲のグループの会話を何気なく聞き耳を立てていると、気になる会話が聞こえてきた。


「・・・1週間前の山での火事だが、ありゃ犯罪者が自分の家に火をつけて自殺したって話だぜ。」

「ああ、あれか。この辺からも火が見えたっていう。」

「そうそう。それよ。」

「犯罪者って、何やらかしたんだって?」

「それがよ。そいつは頭がおかしい魔法研究者だったらしくてな。自分の魔法陣研究を試すために、誘拐と人体実験をやってたらしいのよ。」

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