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第5話 ロディ、空飛ぶ敵と戦う

 馬車から出たロディたちは、馬車から注意を離すべく、少し離れた場所へと移動して身構えた。


「レミアが狙われている。レミアを中心にして戦闘準備!」


 ロディの指示に皆はうなづき、レミアの周りで陣形を組む。ロディとテオが前に出て、ナコリナとエマはレミアの両サイドを固める。もともとレミアは後衛なので、よく使う隊形ではある。


「ヒュー、お前も頼むぞ!」


 ロディはバッグからヒューを取り出すとヒューに語り掛け、ヒューは『わかった!』とでもいうように2度ジャンプした。

 そのしぐさにロディは頷いてレミアの頭の上にヒューを載せ、正面を向き直る。

 正面からはすでにグレートイーグルがすごい滑空スピードで近づいてきていた。


「シッ!」


 接近したグレートイーグルにロディがタイミングを合わせて剣をふるう。しかしグレートイーグルは素早く方向を変えてロディの剣筋を躱す。


「!速い!」


 ロディの剣はむなしく空を切る。グレートイーグルのスピードとクイックな動きにロディの剣は追いつけていない。

 グレートイーグルはロディのそばをすり抜ける。それを追うように疾風が駆け抜け、砂塵が巻き上がる。


「く!」


 グレートイーグルを防げなかったロディは慌てて後ろを向いた。

 しかしロディの攻撃が功を奏したのか、グレートイーグルは仕切り直しをするかのように急上昇してロディたちから距離をとっていた。


「危なかった。」


 ロディはほっと胸をなでおろした。しかし戦いは終わったわけではない。


「あの速さじゃ、魔法も当てにくいわ。それにロディたちにも当たってしまいそうで撃ちにくいし。」


 上空に遠ざかるグレートイーグルを見ながらナコリナが悔しそうに言った。

 確かに、ファイヤーボールなどの魔法は動く標的には当てづらい。ましてやグレートイーグルの速さは魔物の中でもかなりのものだ。

 それに空を飛ぶ魔物は三次元的に移動できるため、あらゆる方向に動けるために回避も優れている。

 今は高い位置を保たれているので、普通の攻撃では届かないし、魔法が届いても躱されやすい。


「空飛ぶ奴はズリイな。攻撃しづらいし守りにくいぜ。降りて戦えってんだ。」


 テオが悪態をつくが、無論そんなことになるはずもない。

 と、今度はグレートイーグルが急降下してきた。さっきより角度が付いた、真上からの攻撃だ。


「うわ、ヤバイ」


 真上からの攻撃は守りにくい。上方に前衛がいるはずもなく、そして剣も振るいにくいのだ。

 慌てて上空に向かってナコリナがファイヤーボールを、ロディがエアカッターを撃ち込むが、グレートイーグルは軽々とかわしながら降下してくる。


「こ、こわいのだ!」

「危ない!レミア」


 レミアに危険が迫る。しかしレミアは恐怖で動けないのかおびえたような顔をして上空を見上げたままだ。慌ててロディがレミアのそばに駆け寄ろうと動く。

 その時、


「♪♪」


 レミアの頭の上に載っていたヒューからシュッとグレートイーグルめがけて伸びる。ヒューの2本の”腕”の攻撃だ。

 ロディたちも苦戦したヒュージスライムの腕攻撃。今は体を小さくしているので腕も細いのだが、それでも伸びる速度は速く、そして長い。

 予想外の攻撃だったのか、グレートイーグル慌てたように身をよじってヒューの腕を躱した。が、腕はグレートイーグルをかすめ、これによりグレートイーグルは降下攻撃を解除して再度上昇していく。グレートイーグルから取れた羽が1本、虚空に揺らめきながら落ちてくる。


「やったわヒュー!すごい!」

「助かったのだ。」

「♪」


 エマとレミアに褒められ、体を揺さぶるヒュー。外からはわかりにくいのだが、ヒューが上機嫌なのがロディにはわかった。そんなヒューの様子に頬を少し緩めたロディだった。

 が、すぐに気を引き締めて上空を見上げた。

 上空にはグレートイーグルが旋回を続けている。攻撃は2度失敗したが、まだあきらめていないようだ。


「ここから視認しにくいエアカッターで攻撃してみようか。」


 遠距離で攻撃できれば危険はない。そしてあの距離ならロディの魔法ならばなんとか届きそうではある。

 けれどナコリナがそれを否定した。


「鳥系の魔物は風属性持ちが多いから、エアカッターが来たらわかるみたい。」

「そうか、それでさっきはよけられたのか。」


 エアカッターは見えにくいためよけるのは困難なはずだが、最初の攻撃でグレートイーグルが避けてきたのはそういう理由なのだろう。

 グレートイーグルはまた襲ってくるのは間違いない。そして今度も頭上からだろう。ヒューが迎撃できるのだが、その攻撃も一度見せてしまってるから、今度は回避される可能性が高い。


(何かいい手段はないか。風魔法ではなく、目に見えない、有効な魔法が。光道魔法なら倒せそうだが、魔力を馬鹿食いするんだよな。それにアレクが見てるからできれば使いたくない。浮遊魔法で俺も空中に浮いて戦えば・・・いや、ダメだ。スピードがちがいすぎる。それに空中は安定しないので逆に危険だ。)


 焦りを抑えながら、考え続けるロディ。


(・・・そうだ、アレを試してみるか。)


 ロディに一つの策がひらめいた。これが上手くいけば討伐できるかもしれない。

 よし、と気合を入れて、ロディはグレートイーグルを見つめた。

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