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第46話 ロディ、条件を付けられる

「師匠に、・・・いえ、御三方に伝えたいことがあります。」


 少し改まった表情のロディとそのパーティメンバーを見た3人は、お互いの顔を見合わせて、それからまたゆっくりと5人に振り向いた。


「何じゃ?行ってみなさい。」

「実は・・・、私たちはそろそろザイフの街をでて旅の続きをしようと思っています。」


 ロディは3人に向かって、顔を上げて決意を語った。

 それを聞いた3人は、一様に驚きの表情を浮かべていた。


「街を出て旅を続けたい、じゃと?」

「はい。」

「ナコリナ、お前もなのかい?」

「はい、ロディと一緒の気持ちです。」


 フェイとロスゼマの問いに、ロディとナコリナははっきりと答えた。


「・・・理由を聞いてもいい?」


 太后エリーがゆっくりとたずねた。


「はい。一番の理由は、私がAランクになるというも目標を早くかなえたいためです。Aランクになって、みんなを守る力を得たい、これが私が、私たちが旅を続けてきた理由です。」


 ロディは3人の目を見て、はっきりと答えた。


「御三方にはいろいろと教えていただいてとても感謝しています。できればこのままこの街にとどまって居たいとも感じます。

 でも、Aランクになるという目標のためには、このままザイフにとどまっているだけでは駄目だと思うんです。

 教えの途中で去るのは心苦しいですが、どうかご容赦ください。」


 ロディは3人に自分たちの気持ちを訴えた。


 ロディの言葉を聞いた3人は、再び顔を見合わせた。

 そして・・・


「・・・ブッ・・・」

「・・・くくくっ。」

「・・・フフフ。」

「「「フ、ハハハ・・・」」」


 3人はこらえきれないかのようにいきなり笑い出したのだった。


「「「「「?」」」」」


 何が起こっているのかわからず、固まったままの5人。


「・・・・ワハハハ、いや、すまん。いきなり笑ったりして。」

「タイミングが良すぎるんじゃかいかい。」

「え、タイミング?」

「そうよ。」


 エリーはまだ顔に笑みを浮かべたまま話しはじめた。


「あなたたちが来る直前に、私たち3人はあなたたちのことを話していたのよ。このままザイフに留めて修行させるのが良いか、それとも旅を続けさせるのが良いか、って。」

「ええ!?」

「そう。そしたらあんたたちが来て、ついさっき話し合ったのと同じことををいきなり話しだすじゃないかい。あたしゃ可笑しくなってねぇ。」

「ワシもあまりのタイミングの良さに吹き出しちまったわい。」


 そう言うと3人はまた小さく笑いあった。

 どうやらエリーたち3人も、ロディたちが街を出て行こうと考えていることを予感していたのかもしれない。


「そ、それで、その話は結局、どうなったんですか?」


 そういえば結論を聞いてない、とロディは気づいて慌ててロディは聞いた。


「結論から言うとね」


 エリーがロディの問いに答えるように口を開いた。


「私たちは、あなたたちが街を出て旅を続けた方が良い、ってことに落ち着いたわ。」

「え。それじゃあ・・・」

「もちろん、OKよ。街を出て旅に出なさい。」


 エリーの言葉を聞いて、ロディたち5人はほっとしたようにお互いの顔を見あって笑った。


「元々あたしらにゃあんたたちを引き留める権利なんて無いんだよ。だから私たちの許可も必要ないんだがねぇ。」

「そうじゃ。こんな意地悪ババアなんか放っておいていきなり旅立ってもよかったんじゃよ。」

「なかなか弟子にしてくれなかった、ひねくれジジイもだよ。」

「なんじゃとぅ」


 フェイとロスゼマが売り言葉に買い言葉でなんだか少し雲行きが怪しくなってきたところで、エリーがうまく口をはさんできた。


「ともあれ、私たちもあなたたちの成長のためには、この街にいるより、いろいろな場所を巡って経験を積んだ方がいいって思ってたのよ。私たちは、あなたたちの更なる飛躍を願っているのよ。」

「ありがとうございます。」


 エリーの言葉に、ロディは素直に感謝した。

 たしかに自分たちの行動を縛ることはできないとはいえ、3人が納得しないまま旅立つのはロディたちとしても嫌だった。だから3人に許可を求めようとした。もしかしたら反対されるかも、と考えて気が進まなかったのだが、ふたを開けてみれば思ったより容易だったようだ。



「ただし、条件があるのじゃ。」


 とここでいきなりフェイが言った。

 なにやら無理難題を言われそうな雰囲気にロディは身構える。

 ロディが見るフェイは、なんだかイタズラを思いついたような含みのある笑顔をしている。こういう時に言われることは、大抵ろくでもないことだと経験者は知っている。


「条件、ですか?」

「そうじゃ。」

「えっと、どんな条件でしょうか。」


 ロディは恐る恐る聞き返した。


「この街の南西にあるダンジョンは知っておるじゃろう?」

「はい。中級のダンジョンですね。エマたち3人は頻繁に入っています。私とナコリナも、たまの休日に入ったりしています。・・・そのダンジョンがなにか?」

「おお、すでに入ったころがあるのなら問題ないな。なに、簡単なことじゃて。」


 フェイは含みのある笑顔をさらに濃くしながら、しかし口調は軽く言った。ただし内容は言うほど簡単ではなかったが。


「その条件とはな、この街のダンジョンを攻略することじゃ。おぬしら5人でダンジョンボスを倒すのじゃ。」

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