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第2話 ロディ、冒険者になる

 ロディが冒険者ギルドで働き出して1年後、正職員に昇格した。

 1年での見習い卒業は早い部類に入るが、ロディの仕事ぶりを知っている同僚からは当然と言った感じで祝福された。

 正職員に昇格してから、ロディの仕事内容は少し変わった。新人であるため雑用が多いのは相変わらずだが、金銭の受け渡しや、依頼内容の事前調査、魔物情報に関する書籍の調査など、少しずつ責任のある業務をするようになった。


 また、正職員になると同時に冒険者ライセンスを取得した。これは冒険者に同行して行う監査や調査などの業務に必要なものであり、ギルド正職員全員が冒険者ライセンスを持っている。


 ここで冒険者のランクについて説明する。


 冒険者ライセンスのランクは「ルーキー」から始まり、E、D、C、B、A、Sの順にランクが上がっていく。

 ルーキーは言わずもがな。Eランクはまだ駆け出しの冒険者だ。そしてDランクになるといっぱしの冒険者と目されるようになる。このDランク帯が最も冒険者の数が多い。

 Cランクは平均以上の実力がある冒険者である。ここまでくると少し難しい依頼を受けることが出来、リスクはあるがその分実入りが大きくなり、安定した収入が望めるようになる。

 そして冒険者のうちBランク以上は「高ランク冒険者」と呼ばれる。

Bランクは一流冒険者と言われ、たいていの依頼を難なくこなすことが出来る。 それがAランクともなると、”超一流”とも”規格外”とも言われる。その力は、言葉から推して知るべしだ。

 A,Bランク冒険者はそれぞれA,Bランクの魔物を単独で討伐できる実力を持っている。

 Bランクは冒険者全体の5%くらいしかいない。Aランクはさらに少なく、0.1%くらいしかいない、それほど貴重かつ高い力を持つ存在なのだ。

 ちなみにSランクは王国に数人しかいない。


「登録完了しました。ロディさんはルーキーランクです。」

「リーセさん、ありがとうございます!」


 リーセと呼ばれた受付嬢はにっこりと笑う。スタイル抜群のすごい美人だ。この冒険者ギルドの看板受付嬢で、朝夕は冒険者がリーセさんに担当してほしくて列をつくるくらいだ。

 リーセはロディを前に、一通りの連絡事項や注意事項を説明していく。


「新人のうちは無理をせず、街中の依頼や採取などの安全な依頼を中心にすることをお勧めします。自分の命が一番大事ですから、十分に気を付けるようにしてください。それから・・・・」


 リーセとロディは同じ職員同士なのだが、今回の冒険者登録は職員と冒険者という立場として公私の区別をつけて会話をている。


 話が終わると、ロディは嬉しそうに受け取ったばかりの冒険者登録プレートを眺めた。もともと冒険者を志望していたロディにとって、冒険者プレートは憧れの宝物のようなものだった。

 当初は妹との生活の安定を優先し、冒険者になるのは一旦保留にする予定だった。しかし望外にも冒険者ギルドに採用され、その仕事上冒険者登録をしておくことが必須であったため、予定外に早く冒険者となったロディであった。


「さて、ここからは同じ職員として話すわね。」


リーセが口調を変えてロディに言った。


「当然知っていると思うけど、ロディ君は1年以内にEランクになる必要があるわ。」

「はい、聞いています」


 冒険者ギルドの正職員の規則では、Eランクに1年以内になる事が必須であり、またできればDランクになる事が推奨される。

 ルーキーからEランクになるには、数回の依頼をこなして貢献度を一定以上貯めればよいため、業務の片手間で依頼をこなすとしてもさほど難しいことではない。

 しかし、もし1年以内にEランクになれなかった場合は、問答無用で解雇クビである。結構シビアだ。


「Eランク昇進のための貢献度だけど、職員は依頼への同行調査や調査などの業務も冒険者としての貢献度になるので、普通に仕事をしていれば大抵は自然と昇進の条件を満たすの。けどそういう業務が少なかった場合には貢献度が貯まらないから、そんな時は注意して自分で依頼を受けるようにしないとダメよ。」

「分かりました。注意します。」


 そう答えたロディだったが、昇格に1年もかけるつもりは全くない。早々にEランクになるつもりだ。


「リーセさん、ありがとうございます。」


ロディは決意も新たに、リーセにお礼を言った。


「これは仕事のうちよ。お礼は必要ないわ。頑張ってね。」


 リーセはロディにウインクを返した。美人のウインクでちょっとドギマギするロディだった。


 その後ロディの決意通り、冒険者ランクは3ヶ月ほどでEランクに上げることが出来た。

 Eランクのプレートを更新した時にも、ニコニコと笑顔でそれを受け取るロディの姿があった。

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