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昨日(過去)の僕と明日(未来)の君

作者: 煌星 マグロ

  僕は平凡な中学生「----」だ。

  俺には名前が無い。

  まぁ正確に言うと"名前で呼ばれたことがない"いつも親や友達に「おい」「お前」としか呼ばれたことがない。でももう慣れたことだ。俺は何度も生まれ変わっている。何故かって?それは「名前で呼ばれたいから。」みんなは名前を呼ばれるのが普通だが僕は生まれて1度も呼ばれたことがない。皆に「夢は何?」と聞かれるがいつも僕は「まだないよ」…と平気で嘘をついてしまう。本当は「名前で呼ばれること。」こんなことを言ったらみんなに不思議がられる。そう信じていた…。ついさっきまでは…。



~数時間前~


いつもと変わらず聞きなれたHRの鐘が鳴り響いた。先生が教卓に行きいつもと変わらず名前を呼ばれ返事をしていく。そしたら突然クラスのドアを開く音がクラス中に鳴り響いた「ドンッ!!」俺は目を疑った。そこには見たことの無い女の子が立っていた。次の瞬間女の子は俺に向かって一直線に走ってきた。息付く暇もなく女の子は僕に「ねぇ!君の名前は?!」僕は「え…?」としかいいようがなかった。僕は生まれて初めて名前を聞かれた。だから驚くことしか出来ない。周りはざわついた。僕は恥ずかしくなり女の子に「ちょ、ちょっと待って?!」と、咄嗟に言った。そしたら女の子が不思議そうに「なんで?」と聞いた。俺は疑ったこれは夢なのか?自分の頬をつまんでもただ痛くなるだけだった。女の子はずかずかと「ねぇ!教えてよ!君の名前は?」俺は困惑して固まっていた。さすがに先生が止めに入った「絆さん!いきなり過ぎですよ。まずは自己紹介からじゃないと…」僕は(そこじゃないだろ!)と心の中で言った。次の瞬間女の子は手を差し出して「私絆!有野絆(ありのきずな)!よろしく!君は?」僕は勇気を出し「ぼ、僕は凪…櫻羽凪(さくらばなぎ)よろしく」そしたら女の子は僕の手を強く握り宜しくね!「凪!!」その瞬間俺の見る世界が変わった。初めて名前で呼ばれた。嬉しかった。涙が出てきた。絆と名乗る少女は「え?!どうして泣くの?なんか悪いことした?」と言ってきた。僕は「いや…なんでもない笑」と、笑いながら彼女の手を握り返した。


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