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914話 神との戦い

アレクに対して精神攻撃をかけているが、単なる嫌がれせ程度である。神はアレクが力尽き、死ぬのを待ていればいいのである。


後数分も待てば勝利するのだ。



「オレオレどうした。ガハハハハ、弱って来ておるな。早く死ねーーー。」



アレクはじっとしているが何もやっていない訳ではない。短剣がアレクの心臓を突き刺している。その心臓と短剣で神域を吸収して心臓に押し込める作戦である。

神域の吸収とは、神を封印する事である。アレクを乗っ取ろうとしていた神はアレクの中に入り込み細胞の隅々まで浸透していた。そこにアレクが自分の心臓を突き刺したのだ。心臓から送り出される血液から全身を操り神域はアレクを支配しようとしていたのだ。


グホッ。ドバッ。


「もうすぐ死ぬな。ハハハハ。余の勝ちだな。」


「馬鹿か、何の策もなしに心臓を突けるか。」


「・・・・・・・・・」


もう神域は、4メートル四方程度まで縮待っている。神自身が引っ張られている。神域は神の一部である。


「どうした、俺の中に入るのがそんなに嫌か。」

「フッ、貴様が死ねば問題ないのだ。後数分だ。」

「どうだかな。グホッ。そろそろ仕上げだぁ。」


アレクは突き刺さっている短剣をさらに押し込む。「グオオオオオオーー。」


神は、唖然としてしまった。もうすぐ死ぬアレクがさらに苦しむ行動をしたことが信じられなかった。


短剣はアレクの中に消えていった。


「ハァー、ハァー、ハァー。」

「早く死ねー、この死にぞこないがーーー。」


神は焦っていた。心臓を突きさしたアレクが中々死なないのだ。アレクが死ねば縛られる事は無い。


「観てろよ。ぐうおおおおおおおおおおお。」


アレクは又、信じられない行動に出る。心臓を掴み取り出したのだ。


神は勝ったと思った。人は心臓がなけれが生きていけない。神も人もみんな知っている事である。



アレクの心臓は大きな玉となっていた。その中には短剣が入っていた。


「なぜ死なない。」


「気合いだーーー。」


「・・・・・」


神は初めて恐怖した。人は死ぬ。だがここに殺しても死なない人間がいたのだ。心臓をとっても死なない人間、ありえない事である。


「貴様、人では無いのか。」

「曇った目では見えないようだな。」

「・・・まさか魂を削って生きているのか。」


アレクの行為は普通即死である。何故死なないのかそれはアレクの生命を魂の力を使って維持しているのである。


神には許せない行為であった。この世界で一番大事な物、それは魂の格である。生物は全て格で決まっている。人は死ぬたびに魂の格を上げていく。神とて同じであった。神を吸収し格を上げていく。神の先にも何かがあるのかは分からない。

神たちはその何かを求めて神格を上げていく。何億年、何十億年と人では考えられないな長き月日を生き抜くのだ。全ては一つでも格を上げるためである。



「もうそろそろだな。あばよ。」



神は抵抗したが玉の中に吸い込まれていく。


「嫌だ、嫌だ、いやだーーーー。・・・・・」


神は、玉の中で剣に突き刺さっていた。だがその姿も一瞬であった球は黒くなり中が見えなくなっていた。




霧のような靄が晴れアレクの姿が現われる。



「アレクーーーー。」

「アレク。」


カインとレッドが駆け寄る。血だらけのアレクはニコリと笑っている。


「終わったよ。これに封印した。」

「スゲー。何だこれ。この玉おかしいぞ。」

「アレクそれって・・・・心臓。」

「えっ。」

カインはアレクの胸を見る。

「アアアアアレク、穴が開いているぞ。どどどどどうして生きているんだ。ししし心臓が無くても生きていられるのか。」


パコーン。


カインの頭をいい音ではたくレッド。


「そんなことありえないでしょう。心臓が無きゃ生きていないよ。」


「いや俺もすぐ死ぬよ。気合で生きているんだよ。」

「気合い・・・・ありえないよ。」


「いいかあんまり時間がない。この玉は俺が異空間に飛ばしとく。外に出る事は出来なくしとく。それから俺が死んだらカイン兄、兄弟姉妹で国を纏めてくれよ。平和な世界を造ってくれ。みんなが楽しく豊かに暮らせるように頼むよ。」


「嫌だ。お前がアレクがやれ。俺は嫌だ。」

「カイン兄、頼むよ。グホッ。」

「アレク。」ボロボロと涙を流すカイン。


「レッドみんなを守って見守ってくれよ。お前は偉大なドラゴンだからな。」

「ア”レ”グゥ”。」

レッドがアレクに抱き着き涙を流している。その涙はアレクの中に入っていく。

カイン迄加わり、もうすぐ死ぬアレクは窒息死で死にそうになってしまっていた。



「みんな元気でな。」



アレクは自分がもうすぐ死ぬことが分かっていた。魂で(気合)で維持していた命はもうすぐ尽きてしまう事をしているのだ。


涙を流しならら見送っている。カインとレッド。


だが、中々死なないアレクがいた。


「なー、アレク、もうすぐ死ぬアレクに対して失礼だけど。後どのくらい生きていけるんだ。」

「カイン兄、計算ではもう死んでいます。あれ何でだ。」



「あーーーーーーーっ、龍の因子だーーーーーー。」



レッドはある事に気付いた。それは竜、龍、ドラゴンとドラゴン種の中で特別な個体がいる。それがレッドである。特別個体のレッドが神に成りもっと特別な存在になってしまったのだ。

レッドの涙がアレクを癒していたのだ。神の涙は再生を行なう。普通であれば再生は間に合う事は無い。だがレッドの涙であった事が再生を速めていた。ドラゴンは再生能力を持っている。

アレクはレッドの短剣を己に突き刺した。それがレッドの因子を体に付着させていたのだ。

龍の因子と神のレッドとカインの涙がアレクを再生していたのである。



「おおお俺の涙を返せーー。」


「カイン兄、申し訳ない。死ぬ予定だったんだ。」


何とも言えない雰囲気が3人を覆っている。


そこへ、貧乏神とパープル、姫様がやっと現われた。

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