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913話 戦闘中

「フッ、中々やるではないか。だがそれで勝てる程、余は弱くはないのだよ。」


斬り落とされた手足は周りに転がっている。だが四股の無いはずの神は立っている。半透明の手足が生えていた。


「何それ、気持ち悪ーーぅ。」


「成り立てには分からんか、これは神の力だ。体等、所詮は器よ。」

「あーーーー、体が弱いから膜を張っていたんだねー。可哀そうにひ弱な神さん。」

「蜥蜴、殺すぞーっ。」

「今殺し合いをしているじゃん。神さん。グフッフフ。」

「許さんぞ。余に逆らった神は永遠の裁きを与えんとな。」



レッドと神の戦いは激しくなっていく。神と神の戦いである。



戦いを見守っているアレクは、何やら武器を作っている。

アレクは神を殺すことが出来ないのではないかと思っていた。肉体を切り刻まれても死なないのだ。精神体として生きていける事で封印する事を考えていた。



アレクの記憶が蘇る。


大昔にTVドラマ(アメリカのTVドラマ)で観た光景であった。(本人は閃きと思っている。)



「レッドーー、お前の爪をくれー。」

「何言っているのアレク、今忙しいだけど。」

「いいから早くしろ。今武器を作っているから。」

「わっわかったよー。」


レッドは神に斬らせるように指を出す。スパッと神の手刀がキレイに指を切り取っていた。


飛ばされた指をアレクが受け取る。



戦いの場で異常な光景であった。アレクの隣で激しく戦う神と神その隣で下を向いて武器を作る一人の人間がいるのだ。

レッドは、アレクに攻撃が行かないように戦うしかなかった。


「アレク、もっと離れてよーー邪魔。」

「待ってろー、もう少しだから。俺の事は気にすんな。」


100メートル以上は離れているが、攻撃力がある為に飛んでくる石や岩がかなり危険である。




「俺って天才かも。」




「ハァー、ハァー、ハァー。」

「蜥蜴、お疲れのようだな。」

「ヘン、全然だよ。そっちの方が疲れているんじゃないの。手足が薄くなっているよ。」


そう神は力を使い過ぎていた。カインの剣が神の力を削ぎ落していたのだ。浄火の包まれている剣は神を切り裂くたびに苦しみを与えていた。浄火の炎は煩悩を焼き尽くす。


「蜥蜴ごときに手こずるとは・・・」

「神さん、神さんは弱いんだから仕方ないよ。」

「きき貴様、許さん。」



「余の神域を犯す者全てを飲み込めーーーー。」



神の周りから神域が広がっていく。


レッドは自分の周りを神域で守る。


カインもパープルたちを守る。


だが一人だけ取り残された者がいる。アレクであった。


アレクの周りに神の神域が迫っていた。そしてアレクを飲み込んでいった。




「「「「アレクーーーー。」」」」



「おーーー丁度良い餌があったな。程よい力と知性。うんうんよい餌だ。」


飲み込まれたアレクだが取り込まれてはいなかった。

アレクは神に成ってはいないが神に等しい力を持っている。いや神以上の力を持っている。



「精神世界か、幼稚な世界だな。」

「余の神域を幼稚というか。万死に値する。」

「お前それしか言えないのか。死ぬ事にあこがれているのか。」



この何気ない一言は神に衝撃を与えていた。神は死ねない。死なないのだ。取り込まれた神も取り込んだ神の中で生きている。玉となり神の色に揉められ生き続けている。小さな玉の中だけの世界で永遠に生き続けている。力を吸い取られ、時には苦痛を代わりに受けていた。


「余は、余は、死にたいのか・・・・・」


「そうなんだろうよ、万死なんて言うか普通。万回死ぬんだぞ。憧れていきゃ出てこない言葉だ。」


神は死ぬ事にあこがれていた。死なない体であり、死ぬ事の無い精神体である神は人が死ぬ事が出来るとこに心の底で憧れていたのだ。そしてその事に気付いてしまった。



だがそれも一瞬であった。今まで神は死ねなかったのである。生きて生きて神として生き抜いていいる。


「フッ、貴様を永遠の苦しみを味合わせてやる。余の糧としよう。」


神の神域がアレクの中に入っていく。アレクに抵抗するすべはない。実体のない神域は空気を攻撃するようなものである。どうする事も出来ないのであった。


アレクは神域に取り込まれていく。


ガッチリとアレクと神域(神)が融合していく。その時アレクは、短剣を自分の心臓を突き刺したのだ。



「グッホッ。」


「ギャァァァァァ、きき貴様何をするーーーやめろーーー。」


神はアレクに突き刺さった短剣を抜こうと手をかける。だが手をかけた瞬間


「ギャァァァァァーーー。」


神は短剣を握る事が出来なかった。握った瞬間に強烈な痛みが神に伝わってきたのだ。


「貴様、その剣は何だ。」



グホッ。


アレクは大量の血を吐いていた。自分の心臓を突き刺しているのだ、普通は即死である。それでも生きているアレクはもう人間ではない。


「お前は俺を取り込もうとした。その為に俺と離れられないように神域が俺と絡まっているんだよ。もうここから離れる事は出来ない。お前がこの剣を取る事は出来ない。」


神は、アレクから離れようともがいている。だが剣が神域アレクに刺さっている為に離れる事が出来ない。


「貴様、剣を抜け。取るのだ。生かせてやろう。」

「馬鹿かお前は。」


神は諦めていない、アレクの精神を乗っ取る準備をしていた。


精神を乗っ取って剣を抜かせようとしていたのである。



「俺は普通の人間じゃないぞ。そんな精神攻撃は効かんぞ。」

「き貴様・・・・・」


神はアレクに恐怖、怒り、怨念、苦痛と人が嫌がる物をアレクに見せていた。


「お前、最初から神だったんだろう。だから解らないんだよ。人の強さをな。グホッ。」


アレクは又大量の血を吐いている。


それでもアレクは神の攻撃を耐えている。アレクが今意識を失えば神に持っとられてしまうのだ。今死ぬわけにはいかないのである。


「そうか、お前が死ぬのを待てばよいのだ。アハハハハハ焦って損した。アハハハ。やはり人間は馬鹿だ。自分の心臓を刺して時間稼ぎか、外の者達を逃がす時間稼ぎだったか。」


「グホッ、馬鹿はお前だな、そんな事考えるか。お前を封印するためだ。」

「封印じゃと無理だな。お前が先に死ねば封印は完成しない。お前はもうすぐ死ぬからな。アハハハハ。」

「そうか、神域が小さくなってきているぞ。この剣に吸い取られているぞ。」

「フッ、それ手には乗らんぞ。余はここで後数分待てばよいだけだからな。」


グホッ。アレクは又大量の血を吐いていた。

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