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909話 喜ぶ惑星

アース全体が喜びに溢れた。


それは、神の祝福によるものである。


「凄いな、大地が震えているぞ。それに草木が踊っているようだ。」


「ふぉふぉ、ワシの力もまんざらでもないな。」


美徳(貧乏)神は自慢顔をしている。アレクが驚いている事に満足しているのである。

実際貧乏神自体も少し驚いていた。ただの名づけの積もりでいたからだ。


「神が名をつけて祝福を与えるとみんなこうなるのか。」

「いいや、普通はこうならないな・・・・ワシ初めてだし、知らん。」

「お前、適当にやったのか。」

「アレクよ、ワシだってこんなに大地が喜ぶとは思っていなかったのだ。」



今惑星アースでは、草木が踊り、大地迄踊っている。地震のような怖いものではなく、嬉しさが伝わってきているのだ。喜びに震えている。


そしてアース全体で全ての殺し合いが無くなった。神(神域)に余って名づけを行なったことで大地が喜び人々に伝わっていく。その瞬間、獲物を捕ろうと襲っていた魔物も襲われていた魔物も喜びの中に入っていた。戦争中の者達も同じであった。剣で斬りかかっていた者、斧で頭を勝ち割ろうとしていた者全ての者達の間で戦闘行為が無くなっていたのである。


実際は数分の間であるが、殺し合いも死ぬ者もいなかったのだ。


それはアースで生きる物全てで起こった奇跡であった。だがその事を知る者は誰もいない。




「貧乏神、お前凄い神だったんだな。」

「フォフォフォ、当たり前だ。ワシは最高神だからな。フランがよい子に育ってくれればそれでよい。」

「フランかいい名前だな。」


アレクに嬉しそうにほほ笑む貧乏神、愛しの子フランを優しくなでている。




そしてアース全体に伝わった事でアースに住む他の神にも伝わっていた。




「レッド、見に行くぞ。」

「行こう、行こう、見に行こう。」





神の国


「あやつに祝福された子だと、ヒェヒェヒェ、よい獲物がアースにいたな。」




神は、最高の気分であった。アースから伝わってくる祝福の声、これほどの力を持った素材は今まで見た事がなかった。自分を高めるための最高の素材に出会えた事に喜んでいた。

だがその者は、神域にいるのだ。神が乗り込んでも簡単には手に入らない。


「大天使を呼べ。」



「主様。第1大天使、一番に参りました。」

「主様、この第2大天使参上いたしました。」

「主様、第3大天参上致しました。」


「誰が一番でもよい、お前たちも感じたであろう。祝福の鼓動を。」

「「「はい。心地よい者でした。」」」

「そうだろうそうだろう。あれ程の祝福はそうないからな。そこでお前たちは協力してその者を連れてまいれ。」



「「「主命承りました。」」」


3人の大天使は、今迄争っていた事等全く感じさせない。息の合った僕の礼を取っていた。






「おーーーい、アレクーーー。」


「カイン兄、レッド早速来たな。」

「「普通来るだろう。」」


「おーーー、かわいいなーー。」

「本当にかわいいねー。」


カインとレッドはフランを眺めてニコニコとしている。フランは見ているだけで幸せに感じてしまうのだ。


それは、神であるカイン達だけではない。赤ん坊の周りにいる小動物や魔物たち迄、集まってきていた。



「「「「ウオーーーーン。」」」」


突然に遠吠えをする母狼と子供狼。



母狼の体が内から光り出している。中からの光は母狼全体を包み込み光が眩しく直視できない。


数分後、光は治まり。母狼は人型に変わっていた。


アレク達は唖然としていた。進化という言葉を使ってもあり得ない事である。


「貧乏神、説明しろ。」

「分かるかーーー、」

「何でウルフが・・・・」


母狼が話し出す。」

「フランを守るためです。フランを育てるのに狼の姿では不便なのです。人型を取れれば育てる子に支障が出ません。」

「育てるために普通、姿変われるか。」

「ありえんな。」

「だよな。」

「だよね。」


「大地が、いいえアースが力を分けてくれたのです。」


「この子はアースなのかもしれんな。」

「貧乏神、どういうことだ。」

「この子は、惑星アースの全てを持っていると言う事じゃな。フランケンは人々を集め造られた者じゃが、人、魔物だけではなかった様じゃな、土や草花、アースにある物全てが集まっているのだろう。


「だからこの惑星が喜んでいるのか。」

「そうじゃ、この惑星の子じゃな。」

「ありえないだろう。惑星が子供を産んだのか。」

「まぁ特殊な条件じゃったからな偶然じゃろうな。」

「それにしても、ありえないよな。」

「この子は僕たちと同じ神に成ったの?」

「まだなっては折らんな。神は宣言せんと成れぬからな。」

「じゃぁ宣言したら神に成れるんだね。」

「そうじゃ、この子は神に成る格をもっておる。惑星そのものじゃからな。」

「でもまだ喋れないから無理だねーーー。」

「そうじゃな、喋れるようになり、考える事が出来てから選ばせればよい。」


「よしフラン、俺が守ってやるからな。この神であるカインが。」

「僕も守ってあげるね。フラン。」


カインの言葉に又大地が震え出していた。神の祝福となってしまったのだ。神カインはフランを守ると宣言をした。その為にカインの能力が使えるようになってしまっていた。


「なんだ、又大地が震えているぞ。」

「アレクよ、カイン神が祝福をあたえたのじゃ。」

「カイン兄何やっているんですか。」

「うっ、そんなこと知らねーよ、普通にフランを守るうとしただけだ。」

「でしょうね。カイン兄が物事深く考えるなんて器用な真似出来る訳ないですからね。」

「そうだよ、好きか嫌いか、やるかやられるかだもんねー。」

「レッド、俺はもっと深い考えも出来るぞ。甘いより少しピリ辛の方が好きとか、仕事をサボる時間を30分にするとか・・・。」

「カイン兄、虚しくなるからやめましょう。」

「そうなのか、全然虚しくないぞ。」


「「「・・・・・・」」」


「そっ、それより狼、名前はあるのか。」

「いいえございません。」

「貧乏神、つけてやれよ。フランを育ててもらうんだ。狼も守れる力が必要だろう。」

「そうじゃな、ん-ーーー、母狼は、ランじゃ。ここに宣言をする、我が美徳の神が名を与える。」


ピカーーーー。美徳の神が名つけた事で母狼に大量のスキルが与えられた。


「名づけって凄いな。」

「俺もやってみたいな。」

「僕もーーー。」


カインとレッドは子供狼を名付けする事にした。アレク、カイン、レッドはつける事になった。




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