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905話 狂暴化する修羅たち

神の国は、今日も戦闘に明け暮れている。

それはもう日課となっている行為であった。


「おりゃーーーしねー。」

「こりゃーーー、死ねー。」


大天使の派閥である天使たちは、領地を奪うような行為には目もくれず、ひたすら戦闘を好み殺しあいを続けていた。


殺し合いを続ける戦場は異常な空気に包まれている。怨気といわれる魔力と異なる物である。


怨気は、戦場に現れる。怨気とは、怨念のようなものである。



「いいかー、今日は敵を喰らう。豚や牛どもが今日の食事だーーーー。」


「「「「「おおおおおおーー。」」」」


戦争は過激になっている。一晩で蘇る事で、決着が着く事がなく、戦闘人数も増えるばかりであった。そこで指揮官は、敵を食べる事にしたのだ。蘇らせないために食べてしまおうと考えたのであった。


もう真面な考えが出来なくなっていた。


「おりゃーー今日の飯だーーー。殺せーーー。」



そして戦闘終了後、大きな鍋に豚系、牛系などのモノたちが煮込まれていた。


「うひょー、美味そうだな。」

「敵を食べるんなら力も付いてくるかな。」

「ついてくるんじゃないか。」


能力が付いてくる事は無かった。そんな美味い話はないのである。



この敵を食べる行為は、神の国を変えた。今まではまだ秩序が存在していた。だが敵を食べ始めた事で、残っていた秩序も崩壊してしまった。




「イレブン。どうする。」

「アレクさん。どうすこともできません。」

「一応、お前はこの国の領主だろう。」

「領主だからこそ、この地だけを守ります。あいつら本当に馬鹿になってしまいました。どうする事もできません。何でバカになってしまったんでしょう。」

「そうだよな、ホントおかしいよなー。?」


「アレク、このまま様子見でいいの、万一中央政府の領地に攻め込んできたらどうするの。」

「レッド、その時は全て焼き払って穴に埋める。」

「アハハハ、流石アレクだね。生き返っても身動き取れないねー。」

「一応、神の国国内での争いだ。様子見しかないだろう。それになぜこうなったかを調べないといけないからな。」


「・・・・・・・・・・・」

「イレブン、何か思い当たるのか。」

「・・・・・多分ですが、神が関係してるのでしょう。神の教えで不死の契約という物がありました。神の一部、爪でも血液でも何でもいいのです。一部を飲み神と一体になる事で力を貰い不死身の体となると言う者があります。ですがその行為は余程力のあるもの以外は出来ないと聴いています。」

「まぁそれをやっているのだろうな、血を薄めたりしているのだろう。それでなけりゃ、説明がつかないからな。」

「そうなりますか、ですが何故こんな無駄な戦争をさせるのか分かりません。」

「そうなんだよな、完全に無駄だよな。」


「アレク、それは無駄じゃないぞ。本能だ。」


みんなが一斉にカインを見る。こいつ何言っているんだも言う目で見ている。


「戦闘とはな、芸術だ一つのパンチ、連続した動き、流れるようにしなやかな動きを本当の殺し合いの中で見つけていくんだ。訓練では得る事の出来ない。本物の緊張感の中でしか得る事が出来ないんだ。・・・」


カインの言葉は一人か語りであり自慢話が多かったが、アレクは、そうかもと思った。強者を作り出すための行為と考えれば納得できるのだ。



「でも神はかなりの強さを持っているんだろう。今更多少強い物を作り出しても仕方ないだろう。」

「アレク、それは違うよ。神はねー、力が弱っているんだよ。力を取り戻すために強者を作り出して神が飲み込むんだよきっと。」

「ん、強者を作り出し飲み込むと神は力を取り戻せるのか。普通は神域で力を集めて貯えるんじゃないのか。」

「んとね。力を蓄える(神力)じゃなくて神自身が弱っているんだよ。何かの原因で弱っているんだよ。神は弱い者を取り込んでも何にもならないからね、ある程度力のある物じゃないといけないんだよ。ここ惑星アースじゃ力のある者が少ないからね。」


レッドの言葉で妙になっとしているアレクである。このアースでアレク達以外に強力な力を持った者はいない。居ないから作り出そうとしているのだ。


「レッド、神が取り込むなら最低どのくらいの強さの者だ。」

「んーーとね、最低でも生まれたてのドラゴンぐらいかな。」


アレク達には全く強さが分からなかった。生まれたてのドラゴン、強いのかーという疑問だけが残っていた。」

「レッド、他に例えないか。」

「オーガ100匹ぐらいかな。」

「オーガが100体ってかなりの強さだぞ。単純な肉体だけで戦うと俺でもかなりきついな。」

「そうだよ、魔法なしだとかなり強力たよ。」


「俺なら問題ない。」

「カイン兄は全く問題ないでしょう。あっ。レッド。レッドやカイン兄が狙われないか。」

「狙われるよ。この神の国である程度取り込みが終わったら次は僕たちを取り込もうとするね。」

「今は、レッド達を取り込む力がないと言う事か。」


「んーーー、わかんない。」


「なんだか面白くなってきたな。へへへ。」

「カイン兄、もしかしたら神との戦いになるんですよ。このアースが無くなる可能性もあるんですよ。」

「大丈夫だよアレク、俺とレッドがいる限り大丈夫だ。」


アレク達は暴走する神の国がさらに暴走した時の為に色々と対策を話しあった。


「イレブンの領地防衛はどうする。」

「それなんですがうちの領地に一度も入ってきていないんですよ。」

「此処神の国と思っていないんじゃないか。」

「そそそそんなことある訳ないでしょう。辺境でも立派な神の国ですよ。」

「まぁ攻めてこないのならいいじゃないか、一応守りを固めて防衛拠点だけは作ろう。」


「アレク、暴走して中央政府に攻めてくるかもな。」

「中央政府には国境を固めさせます。万一国境越えの場合は艦隊を投入します。」

「上から焼き払うのか。」

「それしかないでしょう。蘇りする物なんて真面に相手できませんよ。」

「だよなーーー。」





そして神の国(外?)で完全に忘れられている者がいた。


「今日は余が相撲を教えるぞーーー。」

キキキーーー、(わわわわぁぁぁぁぁぁ)


国民(虫)を前に演説でいい気になっている小指(小人)がいた。ここ小人の国は鳥の襲撃も無くなり豊富な草があり、たまに交易(援助)で大量の物資迄あるのだ。虫たちも食べ物を探し回る事もなく。優雅な暮らしを送っている。


「余は、最高だー、世界征服だー。このまま国民(虫)が力をつければゴブリンにも勝てるようになる。フフフ、ゴブリンを倒せたら次はオークだ。そして1000年後ぐらいには国民(虫)も一回りも二回りも大きくなっているぞ。いくぞ世界征服だーーーやるぞーー。余の時代がキターーーーッ。」


キキキキキーーーーー(わわわわぁぁぁぁぁぁ)


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