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890話 タンドラの神

「艦長、巨大魔物の排泄を確認。同時に15個のバリアを確認しました。」

「そうか、汚物に急行する。」

「艦長、あの中に入るんですか。」

「当たり前だろう。」

「・・・・・」


上空から巨大魔物を監視している小型艦である。巨大魔物から排泄されたバリアを確認するために。汚物の海に入らなければならなかったのだ。


「俺、寄港したらデートなんだよ。」

「おっあの子だよな、だけどもう無理だな。臭いを落とさないと上陸出来ないからな。」

「だよな、1週間は、海水浴場に浸かるんだよな。」

「それより聞いたか、船外活動をしなければいけないみたいだぞ。」

「えっ、そりゃ拙いだろう。あの中に俺たちが入るのか。」



そうはならなかった。小型艦は上空から雨を(魔法)を降らしバリアに媚びるついていた物を洗い流した。



「艦長、生存者確認しました。脱出船15隻を確認しました。」

「よし、オリオン本国へ連絡しろ。応援艦隊を呼べ。」





そこはタンドラ大陸東の沖合であった。



一時的にタンドラ大陸に上陸した脱出組は、仮設に建てられた建物内に入り休養していた。




タンドラ大陸休養施設


「皆さん、巨大魔物内での生活は平和でした。ですがこの大陸に来てからは我々に自由はありません。いつも監視られ見張られています。」

「そうだそうだ。」

「俺たちは自由だー。」




巨大魔物から脱出した者達は二つに割れてしまった。

ガウル率いる者達とそれ以外である。



ガウルたちはアレクとの約定の元、故郷へ帰る者とオリオン支配地で暮らすものにわかれそれぞれが準備していたが、それ以外の者達が騒ぎ出したのだ。


自分たちが脱出できたのは神の力が働いた。神に守られている。神を崇拝しよう。と無い事、無い事を触れ回り周りにいる者達を洗脳していったのである。

その集団は当初100人程度であったが、300人に迄増えていた。


「町長、新しい移住先へいく者が減っています。」

「あの神かぶれどもだな。」

「そうです、脱出できたのは神の力ッている連中です。どうにもなりません。」

「あいつら脱出してまだ一月だぞ。脱出できたのはバリアのおかげだろう。そのバリアを造り提供してくれたのはオリオン王国だろうに。」

「其処がねじ曲がって伝えているんです。バリアは神の力となっています。あの連中バリアの魔道具を使って神の力をみれているんです。どうにもなりませんよ。」



そしてその神かぶれたちは、5隻の船を奪い。タンドラから姿を消したのであった。


船を奪った者達はタンドラ大陸内の入り江に入り秘密の村を造り始めていた。



「アレク陛下、申し訳ない。」

「町長、気にするな。色々な考えの者達がいるんだ。」


アレクが訪れた時には5隻の船が盗まれいなくなっていたのであった。


「それより町長、このタンドラに移住でいいのか。」

「此処がいいな。まだ人も多くないし、自由に開発が出来る場所がいい。」

「タンドラは人口が少ないからな。だけど色々と問題のある土地だから気を付けてくれ。」

「嗚呼、話は大体聞いているから心配するな。先住民を差別なんてしない。」




タンドラ大陸神域


「生命のー、ワシの勘違いかもしれぬが、神の波動を感じた。」

「貧乏(美徳の神)のー、天界から神が降りたな。」

「天界からは切り離されたはず。このアースに神が来るはずはない。」

「黙ってきたんだろうな、警戒を強めなければな。」

「どうするのだ。」

「この神域は守らなければならない。誰も入れないようにする。」

「まさかここを封鎖するのか。」

「私の務めは、生命を生み出し守る事だ。」

「お別れかー、短い付き合いだったなー。」

「それも定めだな。」

「分かった。この神域の外にワシの神域もつくろう。敵(神)を少しは欺けるだろう。」


現在のタンドラ大陸はオリオン王国の支配下にある。実権はマリアとイリアが握っているが、支配者は名目上オリオン王国である。



タンドラ中央政府


「タンドラ大陸の神域が拡大しています。」

「カインとレッドを呼び出して調査をさせなさい。」

「マリア様、了解しました。」

「マリア、アレクにも連絡したほうがいいわ。」

「そうねイリア。」


タンドラ大陸中央に広大な神域が存在している。その神域では春の様に温かく、年間何度も作物が採れタンドラ経済を支えているのであった。



「おおおおお恵みの土地が広がっているぞー。」

「神の奇跡だーーー。」


「「「「「神の感謝を」」」」」



別の場所では


「おおおおお土地が割れたぞー。」

「奇跡だ。」

「おおおおお雨が降ってきたぞ。」

「奇跡だ。」

「おおおおお一日で麦が育った。」

「奇跡だ。」

「おおおお火が付いた。」

「奇跡だ。」

「神を信じる者には、生活魔法を与えましょう。奇跡を起こせる力です。今なら3級信者なれます。お得ですよーー。今だけですよー、今だけですよー。」



タンドラ大陸では毎日どこかで神の奇跡が披露されていた。

この神の奇跡は本当の奇跡と嘘(魔法)の奇跡があり。タンドラ内の人々の信者を獲得していった。

タンドラ内にいる人々の多くは、文字が読めない書けない者が多く、新興宗教の餌食となっていった。


タンドラ大陸内では、中央部分と西側全域は、生命の神と美徳の神の神域に守られオリオン王国勢力として守られていたが、タンドラ大陸東側南部に新たな神域が生まれていた。




東側南部に人々が集まり、神の元で生活すようになっていった。


統治する者は神の代理者として12人の天使たちであった。この12人の天使たちは元は人間である。巨大魔物の腹の中にいた者達である。灰色の翼を持つ天使達であった。



「我ら天使族は神のお使いである。神のご意志である。神の国以外は敵である。」


「「「「「「「おおおおおおおお。」」」」」」」



神の国


神を頂点として3人の大天使の下に12人の天使たちが存在する。12人の天使たちは民を従わせていた。

12人の天使たちを大領主として治めさせ、信仰の厚い者たちを各領主としたのである。

その勢いは、留まる事がなかった。元々信仰自体の無かった場所である。奇跡を目の前に信仰が生まれる事に時間はかからなかった。





アレク達



「アレク、どうする。」

「カイン兄、民が虐げられている訳でもないですからね。このまま様子見するしかないでしょう。」

「アレク、これぜったい神がいるよ。だって神域が出来てるもん。」

「だよなー。神を見つけてからだろうな。」

「神を見た者はいないみたいだな。」

「そうだね、あの汚い羽を持った天使だけだね。」

「なんで灰色なんだ。」

「あっそれはねー、天使の翼は白なんだけど、灰色になるのは天使じゃないんだよ。天使は魂から生まれるんだ。無垢な魂から生まれるから真っ白になるんだよ。」

「もしかして、あれ元が人間だったから灰色になったのか。」

「そうなるね。」

「何だ、まがい物かー。」

「カイン兄、まがい物でも天使は天使です。かなり強力な戦闘能力を持っていますよ。」

「おおおお、強そうだな。やる気出て来たぞ。」




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