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860話 僕は正義の味方

「おりゃーーーーー。レッド。終わったかー。」

「カインこっちは終わったよー。」

「こいつらこんだけ湧いてくるんだ。」

「ホントだよねー、弱いのに襲ってくるなんて信じられないよねー。」

「まぁ中には、少しだけ強いのも交じっているけどな。」

「あっこの間のあいつでしょう。」

「あの竜人は多少は歯ごたえがあったよな。」

「でもあれで竜人と全面戦争にならなきゃいいね。」

「あいつは義賊って言ってたけど所詮は盗賊だぞ。竜人があいつの方を持つならまとめて潰すだけだな。」

「でもフーリン以外の場所でこんなに反乱が起きているとどうにもならないよねー。」

「食料不足が問題だよな。マリアとイリアに頑張ってもらうしかないよ。俺じゃわからん。」

「へへへ、でしょうねーー。」

「あーー、何かむかつくぞレッド疎に言い方ーー。」


カインとレッドは各地で出没する、盗賊、強盗などを退治して回っていた。各地に配給している食料物資を強奪する者達が出没している為である。

太陽が顔を出したが、世界中の食料不足が解決されたわけではない。一度枯れてしまった作物はすぐには復活出来ないのだ。

その為に、少ない食料を奪おうと世界中で内乱(反乱)が起こっていた。




「お助け下さい。お助け下さい。」

「食いもんあるだろうーが、全部だせやー。」

「もうこの村には一粒の食べ物はありません。」

「そうかなら死ねー。」


「親分、金がありましたぜ。」

「馬鹿か今は金より喰いもんだ。」

「ヘイ、親分。やっぱり親分についてきて正解でした。親分サイコーです。」

「あったり前だー。俺についてくりゃ飯食わしてやるぞーー。」


「「「「おおおおお」」」」





「あーーーこんなに殺してーー。」

「誰だ、おめー。」

「僕は正義の味方。」



「親分、こいつドラゴンの子供ですぜ。」

「ドラゴンの子供だと、丸焼きにして食ってやるか。」


「「「「「おおおお」」」」」


「僕を食べるだって、正義の味方が負ける訳ないでしょう。いくよー。」


パンパンパン、キックキックキックーーーゥ。


オンギャーーー、ギャーーー、ぎゃーーヒヘーーーいやーー。



パープルは村で生き残りがいないか村中を周っていた。


「誰かいますかーー。」


コトッ。


「誰かいるのー。」


しーーーーん。


クンクン。


パープルは家の床下をあける。


ギギギギーーー。


パープルと4人の子供と目が合ってしまった。

「こんにちは。」

「「「「・・・・・・」」」」

「もう盗賊はいないよ。出ておいで。」

「「「「ホント」」」」



子供たちは床下から出てきた、だが村の光景を目にすると泣きわめき、親を探して村中を駆けまわっていた。


子供たちが騒いていると数人の生き残りたちも出てきていた。

他にも隠れていた者達がいたのである。

小さな村である。人口100人の村で村長を始め村のトップが殺され残されていたのは女子供たちだけであった。

男たちは盗賊に立ち向ったが皆殺されてしまっていた。


パープルは、困っていた。


「どうしよう。」


パープルは、実際こんなに生き残りがいるとは思ってもいなかったのだ。


「みんな、ここに集まってーーー。」


ゾロゾロと30人ほどが集まってくる。

「この村で生き残ろは此処に居るだけですか。」

「分かりません。盗賊が来て時に隠れてしまいました。森の中に逃げた者もいると思います。」

「そうだよねー。僕がフーリンから食べ物持ってくるからそれまで此処に居てねー。」

「食べ物を頂けるのですか。」

「うん、そうだよ。食べなきゃ死んじゃうじゃん。」

「そそうですが、今は食料不足でどこも食べ物がない状態です。」

「大丈夫だよ。オリオン王国が何とかしてくれるからさ。」

「・・・・ここはオリオン王国ではありません。」

「あーーーそんな事、オリオン王国じゃないけど問題ないよ。大丈夫だよー。」



パープルは村から離れひとッ飛びして、急いでフーリン領へと戻っていった。


「姫さまー、ご飯あるーー。」

「何じゃパープル。ご飯はまだじゃぞ。まだ3時じゃぁ。」

「違うよ、姫様。村が襲われて生きのころがいるんだよ。」

「何、村が襲われたじゃとーー。」

「うんそう。」


パープルと姫様は大騒ぎとなっていた。


「大変じゃぁぁぁ、村が襲われたのじゃぁぁ。」


だがじいは冷静であった。


「姫様、何処の村ですかな。」

「うっ、パープルどこの村なのじゃぁ。」

「うんとね、ここから南西にいったところだよ。」

「何人ぐらい居りますかな。」

「大体30人ぐらいいるよ。みんな子供と女に人。」

「それは大変ですな。まず食料の輸送をしましょう。パープル様、いくらフーリンでも食料が余っている訳ではありません。最低限の食料となります。よろしいですな。」

「うんいいよ、足りない分は僕が狩りをして何とかするよ。」

「頼もしいですな。。」チラリ。

「ワラワも何とかしようとしたのじゃ。」



じいの手配によって食料を積み込んだ飛行艦1隻がパープルと飛び発った。


「いってきまーーーーす。」

「ワラワもいきたいのじゃぁぁぁぁぁぁ。」


姫様はもちろんお留守番である。


「かんちょう、あそこあそこだよー。」

「了解です。」


パープルの的確な指示によって迷うことなく村上空に着いた。艦は空き地に着陸すると物資を降ろしていく。

パープルは艦を飛び出し残っている村人の元へと向かっている。


「あれ、多くなっているよー。」

「すいません逃げた者達が戻ってきました。」

「だそうなの、大丈夫だよ。多分足りると思うから。」


パープルの考えは甘かった。それからこの村へ訪れる者達が後を絶たなかった。それは地上から空飛ぶ船を目撃した村人たちが村へ向かって大移動してきたのである。



「村人100人じゃないかったのー。」

「パールル様、近隣から人が押し寄せています。このままでは食料が足りなくなります。実際に足りません。」

パープルの持って来た食料は50人が一月暮らせる量であった。だが今村に追しかけてきたいる人数は100人を超えていた。


パープルに見捨てるという文字は存在しない。正義の味方であり、ドラゴンなのだ。


僕が食料を調達してくるよ。カンチョウはそれまで此処をお願いね。」

「分かりましたパープル様がお戻りになる迄何とか持たせましょう。ですが数日が限界です。フーリン領も食料が余っておりません。」

「これ預けておくね。」


パープルはマジックバックから角牛を取り出す。


「これは角牛ではありませんか。狩ったのですか。」

「そうだよ。はぐれでいたからね。じゃぁね、いってきまーーーす。」


パープルは大空へ飛び発っていた。短いマントを靡かせて猛スピードで飛んでいった。


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