855話 影月
天界の懸念していた津波などは一切
影月
影月に光が注がれたことによって、生命活動が開始された。
「影月、始動します。」
グオオオオオオオオオオオオオオオン。
「第一段階、水と大地作成を開始します。終了まで24時間。」
「第一段階終了いたします。」
「第二段階開始、生命の生成を開始します。アース型生命生成。」
「第二段階終了いたします。」
「第三段階開始、進化開始します。」
それは早送りの映画の様であった。いやそれよりも早く単細胞生物から人まで一気に進化していった。
俺は誰だ。俺は突然意識が芽生えた。あーーーそうか俺は生まれたんだ。すると頭の中に情報が溢れてきた。
なんだ、影月、単細胞、進化、アース、救済措置始動・・・・・・・。
俺の中から溢れた情報は多岐に渡っていた。俺は何故自分が生み出されたのかを理解した。
それと同時にふざけたことだとも思った。俺は救済措置によって生まれたのだ。
惑星アースが滅びその新しい生命として作り出された。くそー知りたくなかったぜ。
俺は体が動くことを確認すると一歩前に踏み出した。感動だ。涙が流れそうだぜ。
真っ白な部屋を出ると広い廊下がある。と同時に隣に部屋の扉も開いたようだ。
「よう。今日が俺達の誕生日だな。」
「まだ名前は無いけどな。」
そして次々と現れる。総勢20人だ。男10人女10人だな。やべぇ女見ると興奮するって本当だな。
俺達はみんなで雑談をしていた。すると突然頭の中から声が聞こえてきた。
「緊急措置を中止します。惑星アースで生命反応を関知しました。生命が維持されたと確認しました。」
ななななんだ、すると俺達は要なしだよな。これからどうすんだよ。まぁここで暮らせばいいか。建物もあるし、女もいるしな。ウフフ。
「なぁ俺達、どうなるんだ。」
「そんなの知るか。」
「多分だけど、知的生命体は今私たちだけよ。」
「あの声は機械か。」
「生命体じゃないわね。」
「安全の確保が優先だろう。あの声の元にみんなで行ってみないか。」
「「「「「そうだな。」」」」」
俺達ははじめての冒険に出かける事となった。クーーーしびれるぜ。初めての○○。
俺は先頭に立ちどんどんと進んでいく。廊下だけどね。地図は頭の中に入っているから全く問題ないのよね。
「ここじゃないか。」
「そうだな。入って見るか。」
ウイーーーーン
その部屋には大きな木と泉があるだけだった。
「良く来ましたね。影月の新しい生命体ですね。」
「俺達の頭の中で喋った人か。」
「人ではありませんが、喋ったモノですね。」
「俺達は救済措置の中止でこれからどうすればいいんだ。」
「お好きなように生きてください。幸いこの影月には生命維持を出来るコロニーが存在しています。あなた方の下に情報を入れていない者が多数存在しています。上手く使えば国家の形成も出来るでしょう。この影月は救済措置外となりました。天界の制御を離れる事となりました。」
「おいおい、天界を離れるってそれで生きていけるのかよ。」
「心配いりません。ダメなら破壊されるだけです。」
「まて待て待てって、ダメなら破壊ってなんだよ。」
すると俺達に新しい情報が流れてきた。
惑星アースが滅びなかった。アレクが神以上の存在になった。アースには影月が見られた。・・・。
まままずいじゃねーか、俺達どうするんだよ。全く必要ないじゃないか。
ザワザワ
「ですから好きに生きてください。」
「「「「「・・・・・」」」」」
「いいですか、この影月も必要のない物とされました。自爆はしませんが私影月は衛星影月を本来の軌道に乗せた後に機能停止いたします。」
「「「「「えっ。」」」」」
自爆できんのかよ。でも機能停止もかなり拙いんじゃないか。
「機能の維持は出来ないのか。」
「出来ますがマスターが必要です。」
「指示を出す者が必要と言う事か。」
「それだけではありません。維持に必要なエネルギーの元が必要なのです。」
「俺達じゃダメってことだよな。」
「はい、エネルギー供給できるものはこの中にはいません。全員が平均値以下です。」
平均値以下ってなんだよ。勝手に作って無能って何なんだよ。
「誰ならエネルギーの供給出来るんだ。」
「惑星アースのアレク・オリオン、カイン・オリオン、ドラゴンのレッド、迷宮主です。」
「結構多いな。」
「すくねーよ。惑星アースは総人口10億人だぞ。」
「そうだった。」
「でもこの名前って情報の通りなら戦争屋だよな。」
「そうだな、戦争大好き、戦闘狂の兄弟だよな。」
「ドラゴンのレッドも荒くれもので極悪非道なドラゴンだよな。」
「唯一の救いは、言葉が通じる事だな。」
「当たり前だろう、言葉も通じなかったらどうやって話すんだよ。」
「それよりどうやってアースまで行くんだよ。」
「「「「「あっ。」」」」
「影月さん。惑星アースまで行くことできますか。」
「正常起動に乗りましたら空間が繋がります。亜空間を通り移動が出来る様になります。」
「影月さんが機能停止しちゃうじゃないか、それでも使えるのか。」
「一度だけ使えます。」
「ダメじゃないか、戻れないじゃないか。」
「他の方法は無いのか、それともエネルギーがあれば使えるようになるのか。」
「エネルギーがあれば可能です。」
「影月ではエネルギーは作れないのか。」
「方法はあります。」
「どんな方法なんだ。」
「あなた達の間に子供を作るのです。」
ここここ子供を作るだとー、じょ情報によればもしかしてエッチをするという事なのか。
あっ男どもがみんな中腰になっているぞ。拙い俺も普通に立っているとモッコリしたのがバレてしまうぞ。どこかに椅子ないかな。足を組めばバレないよな。
あっ俺のジュニアが痛い、もしかしてこれが・・・・・。
「フフフあなた達は純情なのですね。こんな話でフフフ。」
糞ー馬鹿にされてるぜ、いつか見ていろよ、モテモテプレイボーイになってお前を見返してやるぜ。だけど今はこの俺のジュニアを鎮めるのが先決だ。落ち着け俺、俺は落ち着いている。前に見えているのは怪物だ。女じゃない。
落ちつけ俺、俺は落ち着いている。冷静だ。フーーースーーー、フーースーー。
よーし落ちついてきたぞ、その調子だ。
「落ち着いたようですね、ですが女性の軽蔑の眼差しを受けて興奮している者もいますねフフフ。」
あーーー駄目だ俺の耐久が無くなっていく。
一人の男が倒れてしまった。女性は軽蔑の眼差しで見ている、男たちは同情に眼差しであった。